
まずは落花生(ピーナッツ)の成分から見ていきましょう。
オレイン酸は血液中のLDLコレステロールを下げる効果があります。リノール酸は体内で合成できないため、必須脂肪酸と呼ばれており、動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、LDLコレステロールを減らすなどの様々な作用を持っています。
ビタミンEは身体の機能を正常に保つ働きをしています。脂溶性ビタミンと呼ばれる水に溶けない性質をもつビタミンで、主に脂肪組織や肝臓に貯蔵されます。摂取し過ぎるとビタミンEの過剰症を起こす可能性があります。
落花生を与える際の注意点を4つご紹介します。
犬に落花生の殻を消化できないため、胃や腸に詰まらせ閉塞を起こしてしまう危険性があります。飼い主さんが誤って床に落としたり、犬が見つけてしまうような場所に保管しないよう注意しましょう。薄皮も、消化に悪いので与えないようにましょう。
落花生の加工食品には塩分や糖分が多く含まれたものがたくさんあります。犬が食べると過剰摂取になってしまうので、与えないようにしましょう。
落花生を与えすぎるとカロリーオーバーになり、肥満になってしまいます。肥満は糖尿病や心臓病、関節疾患などを引き起こす原因になるので、量は加減しましょう。
犬は落花生を食べた後、体調に変化が現れることがあります。何か起きた場合にすぐに対処できるよう、飼い主さんは犬の様子に異変が無いか注意して観察しましょう。
落花生を食べても何ら問題の無い子もいますが、中には体調に変化が現れる場合もあります。どのような症状を引き起こす可能性があるのか、また、どのような対処法があるのかをご紹介します。
落花生は犬にとって消化の良いものではありません。消化不良を起こし、軟便や下痢、嘔吐を引き起こす可能性があります。
一過性のものであれば様子を見ることも可能ですが、下痢になってしまったときや改善が見られない場合には早めに動物病院を受診することをおすすめします。
犬の体質によっては、落花生に対してアレルギー反応を示す子がいます。食物アレルギーを発症すると、たとえ少量の摂取であっても皮膚の赤みや痒み、下痢や嘔吐などの症状が見られます。
与えることを止めるだけで症状が改善することもありますが、早めに動物病院で診てもらうと安心です。この時、与えた量や時間を獣医さんに伝えることが大切です。
小型犬や子犬が落花生を食べると、喉に詰まらせる危険性があります。また、噛む力や飲み込む力が弱くなった高齢犬にも同じことが言えます。消化しやすくするためにも、細かく砕いたり、熱を加え柔らかくして与えましょう。
犬が良質なドッグフードを食べている場合、基本的に他のものを与える必要はありません。嗜好性の高い食べ物を与えることにより、それまで問題なく食べていたフードを突然食べなくなることも考えられます。犬が病気のときなど、食欲が低下していて、とにかく何か食べるものを与えたいと考えている時などに参考にしてください。
江野友紀/認定動物看護士
地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。
ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。
普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。
ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。