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食べもの

2020.03.11

犬にレーズンはNG!その理由と食べてしまったときの対処法は?

甘酸っぱい味が美味しいレーズンは、菓子パン・オヤツなどの料理に使われていますが、犬にとってレーズンはとても危険な食材だということをご存知でしょうか?人がレーズン入りクッキーやレーズン入りパンなどを食べていると欲しがる犬も少なくありません。食べているときにじーっと愛犬に見つめられて、ちょっとなら…とつい与えてしまうということもありえます。ここでは、犬がレーズンを食べることの危険性や、食べてしまったときの対処法などについてお話します。

#Foods

Author :泉 能子/愛犬家、ドッグライター

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レーズンはぶどうと同じ|犬には危険な食べ物

レーズンを含む犬にとって危険な食材たち

犬がぶどうを食べると危険だと分かったのは最近のことです。2001年ころからぶどうを大量に食べた犬が急性腎不全をおこすという事故が相次いで起こりました。

その後も世界のあちらこちらで同様の事故がおこり、中には死亡してしまうこともありました。そのことから、ぶどうやぶどうの加工品であるレーズンは犬にとっては危険な食べ物であると認識されるようになりました。

レーズンやぶどうが急性腎不全をおこすメカニズムとは?

現在でもレーズンやぶどうのどんな成分が犬に腎不全を起こすのか、ということはまだ解明されていません。

レーズやぶどうを大量に摂取するとシュウ酸カルシュウムができることは知られていましたが、最近では腎臓の組織が破壊され急性の腎機能不全がおきることが注視されています。

レーズンは皮つきぶどうより中毒をおこす危険性が高い?

過去には皮のついた巨峰を4粒食べた小型犬が急性腎不全で亡くなってしまうという症例がありました。 ぶどうを皮のまま、成分も凝縮されているレーズンは、水分を含むと胃の中で膨らむ性質があり、皮つきの生のぶどうより中毒をおこす度合いが高いとされています。

それでも皮つきぶどうやレーズンを食べても中毒をおこさない犬もあり、ぶどうジュースを少し飲んだだけでも中毒を起こすコもいます。

これだけ医学が発達した今でも、皮つきぶどうと皮なしぶどうの中毒性の違いや、なぜ個体差があるのか?については解明されていません。

犬がレーズンやぶどうをどれだけ食べると中毒を起こす?

少し元気がなさそうな犬の様子

犬にレーズンやぶどうを与えてしまったとき、どれくらいの量を与えると中毒を起こすのでしょうか?体重別に中毒をおこす可能性のある量について調べてみました。

中毒をおこすレーズンやぶどうの摂取量|体重別

犬が食べると危険なレーズンやぶどうの摂取量の目安は、レーズンの場合は犬の体重1kgに対して11~30g、ぶどうの場合は犬の体重1kgに対して32gです。

犬の体重5kgで換算してみると、レーズンで55~150g、ぶどうで160gとなります。 これからも分かるように、レーズンは乾燥させて内容物が凝縮されているため、ぶどうよりも少量で危険量に達します。

ただし、レーズンやぶどうの中毒についてはまだまだ解明されていないことも多く、この目安より少量しか食べなくても致死量に至ってしまうことがないわけではなく、反対にこれらの量を食べても中毒を起こさない犬もいます。

どちらにしてもレーズンやぶどうは中毒の可能性の高い食物なので、絶対に与えないようにしましょう。

レーズンやぶどう中毒の症状とは?

レーズンやぶどうで中毒をおこすと、嘔吐、無気力、食欲不振、下痢、腹痛などの症状が出ます。 はっきりとした症状がなくても普段より元気がない、水をたくさん飲む、など普段と違った様子が見られたら早めに獣医師の診察を受けましょう。

中毒症状が進み急性腎不全に進むと、脱水症状、嘔吐、無気力、食欲不振に加え、意識の低下、荒い呼吸などの症状があらわれ、腎臓の尿を作る機能が壊れるため、欠尿や無尿になり死に至ることがあります。

中毒が発生するまでの経過は?

レーズンやぶどうを食べたあとに急性腎不全をおこすまでの経過には一定のパターンがあります。 レーズンやぶどうを食べてから数時間程度で嘔吐が始まり、その後に血中肝酵素の上昇により尿の出が悪くなり、見るからに状態が悪くなりますので、そうなる前に早急に治療を始める必要があります。

犬がレーズンやぶどうを食べてしまったときの対処法とは

点滴のフォーカス写真

では、万が一、犬がレーズンやぶどうを食べてしまったことに気付いたときはどうすればいいのでしょうか?

出来るだけ早く病院へ

レーズンやぶどうの中毒症状が出るのは、食べてから2時間~5時間だといわれています。
食べた量が少なくて症状が出ていなくても、できるだけ早く動物病院に連れていきましょう。

胃洗浄や下剤の投与で治療

動物病院での治療は、ぶどうに含まれている毒となる成分を除去するために、胃洗浄などを行い、ぶどうが消化されてしまう前に、ぶどうを体の外へ出してしまうことで中毒症状が出るのを防ぎます。その後は、活性炭や下剤を投与し、少しでも体内に毒物が残らないように対処します。

除去治療を尽しても、レーズンやぶどうの毒物が除去されず、犬の腎臓にダメージが残ってしまった時は、残念ながら現代の医療技術でも完全な回復は見込めません。残された腎臓の機能をそれ以上悪化させないために、点滴治療などの対症療法を生涯に渡って続けることになります。

レーズンは犬にとって毒物と同じ

レーズンが入った器

レーズンもぶどうも人間にとっては美味しい食物ですが、犬にとっては命にかかわる毒物になることを知っておきましょう。買い物をしてレーズンの袋やレーズンパンなどを、何気なく椅子に置いたままその場を離れているうちに、愛犬が袋を破って食べてしまったということも起こらないとは限りません。レーズンに限らず食べ物は犬の届かない場所にしまっておくことが、犬が食物中毒にならない最善の予防策となります。

◎ライタープロフィール
泉 能子 愛犬家 ドッグライター

泉 能子/愛犬家、ドッグライター

動物が大好きで、気づけば隣にはいつも愛犬がいて、愛犬とお互いに助けたり助けられたりの共同生活をしているドッグライターです。
今までにヨークシャーとスムースダックスを育てて看取り、今は保護犬の9歳になるブラックタンのダックスと暮らしています。
人と犬が楽しく幸せに暮らすために役立つ記事を発信していきます。

  • 更新日:

    2020.03.11

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