ドッグカートはそり犬のオフシーズンスポーツとして楽しまれていたドッグスポーツです。夏の間は雪が溶けて、犬ぞりを楽しむことができないため代わりに4輪カートを犬に引かせるのです。
日本では1991年に初めての競技会が開催され、その後も人気は高まりました。しかし、現在はドッグカートを行っている人はほとんどおらず、競技会も開催されていません。
ドッグカートには「2ドッグオープン」と「2ドッグファミリー」の2種類の競技があります。2ドッグオープンは、2匹の犬とカートに乗った人で参加します。一方、2ドッグファミリーは2匹の犬とカートに乗る人に加え、カートの後ろでサポートをする人がいます。どちらの競技も400m以上のコースを走り、タイムを競います。
ドッグカートに用いられるカートは1980年にノルウェーで開発されたものです。本来は歩行困難の人が使用するためにための道具でしたが、アメリカへ渡ったことをきっかけに健常者もレース形式で楽しむようになりました。
ドッグカートは犬ぞりと類似点がたくさんあるドッグスポーツなので、犬ぞりと同じ練習内容になります。ここでは、具体的にどのような練習をすればいいのかを解説していきます。
ドッグカートの練習にとりかかる前に、基本的なしつけがしっかりと身についていることが大切です。拾い食いをしないことや、他の犬や人を無視できることはもちろん、飼い主にしっかりと集中できることが大切です。基本的なしつけや信頼関係がしっかりしているほど、他の練習もスムーズにできますよ。
基本的なしつけができたら、犬にハーネスを装着し、引きながら走るための練習に取り掛かります。犬がハーネスに慣れていないのであれば、まずはハーネスを慣らすことから始めましょう。ハーネスに慣れたら、いよいよ引く練習をします。はじめは木の棒やタイヤなどの軽いものをハーネスのリードにくくりつけ、飼い主が犬と一緒に走るようにしましょう。犬が軽いものを引くのに慣れたら、徐々に引くものの重量を重くしていき、最終的にはカートを引けるようにします。
ドッグカートの練習で忘れてはいけないのが「ストップ」のコマンドです。飼い主が言葉でしっかりと止められるようにするのは最も大切なコマンドであると言っても過言ではありません。
犬が走ったり歩いている状態のときに、「ストップ」と声をかけ、犬を止めるようにしましょう。犬が止まったら飼い主は犬をしっかりと褒めてあげるようにします。これを何度も繰り返すことで、犬は次第に「ストップ」の意味を理解します。
ドッグカートの魅力はどんな犬でも挑戦できることです。しかし、人間と同じように、犬にも向き不向きがありますよね。では、どのような犬がドッグカートに向いているのでしょうか?ここでは、ドッグカートに向いている犬種や性格を紹介していきます。
ドッグカートでは犬はカートを引きながら走る競技なので、体格と体力の両方が必要です。中型犬以上で、アクティブに体を動かすことが大好きなコに向いています。
ドッグカートの競技では、他の犬とチームになって取り組まなければいけません。そのため、他の犬と仲良く競技に参加できる能力が求められます。とはいえ、楽しむために家庭で取り組むのであれば、他の犬と一緒に作業をする必要がないのでこれは必須条件ではありません。
ドッグカートは犬そりととても似ています。そのため、そり犬として活躍しているシベリアン・ハスキーやアラスカン・マラミュートなどの犬種が力を発揮することでしょう。また、元気旺盛で、底知れぬ体力の持ち主であるポインターもドッグカートに向いています。
ここでは、ドッグカートについて詳しく解説していきました。残念ながら、現在ではドッグカートに取り組む人が非常に少ないため、競技会は今、ほとんど行われていません。しかし、競技会が行われていなくても、家庭で楽しむことは可能です。愛犬と新しいことに挑戦したい人は、ドッグカートの練習に取り組んでみてくださいね。