
ラブラドールレトリバーの平均寿命は10~12歳ほどと言われています。大型犬は中小型犬に比べて成長スピードが速く、大きな体を維持するために細胞分裂が多いという説もあり、大型犬の寿命が短い理由の一つに挙げられています。
獣医学誌「Canine Genetics and Epidemiology」の発表によると、最近の研究でチョコ色のラブラドールレトリバーの方が短命の傾向があるということが分かってきたと言います。
とはいえ、昨今の健康志向の向上で犬の寿命も年々伸びる傾向にあり、平均寿命以上に長生きすることも珍しくないのです。つまり日々の健康管理が何より大切だということが言えるでしょう。
ラブラドールレトリバーの成犬の大きさは、オスの体高が56~57cmくらい、メスで54~56cm程度です。
また体重は30kg前後が適正とされていて、脇腹を触ったときに手が肋骨に触れる程度が適正体型だと考えて下さい。人間用の体重計に乗せても計量は可能ですが、より正確に測るためには定期的に動物病院等で計量した方が良いかもしれません。
ラブラドールレトリバーは食いしん坊なのに太りやすいという体質のため、摂取カロリーと消費カロリーのバランスがポイントです。適正体重を保つためにフードの量や内容に関してもしっかりと把握しておきましょう。
ラブラドールレトリバーがかかりやすい病気はいくつかあります。その主なものを挙げていきましょう。
心臓において、血液の逆流を防ぐための弁が何らかの原因でかみ合わせが悪くなるために起こる病気です。
逆流した血液が大静脈へ達すると血圧が上昇し、お腹や胸に水が溜まってしまいます。また心臓が大きく膨らんでしまうために気管を圧迫し、呼吸不全を起こすこともあります。
軽度の場合は無症状ですから発見が難しく、多くの場合は食欲不振、腹水、嘔吐などの症状が現れてから発見に至ります。
治療法としては内服薬によって心臓の負担を軽減させることが先決で、その後うまく血液が流れるようにすることが重要となります。
ウィルスや細菌などによる感染によるものと、遺伝による先天的なものがあります。また薬物や毒物の摂取による中毒性の場合もあります。
急性肝炎と違って特徴的な症状はありませんが、食欲不振や元気消失などが慢性的に起こります。
放置しておくと肝炎がさらに進行し死に至る場合も考えられるため、抗生物質の投与や食餌療法による改善が試みられます。
ラブラドールレトリバーの場合は遺伝性のものが多く、結石によって膀胱炎や尿路閉塞が起こるので注意が必要です。
若齢で発症することが多く、排尿の量が少ない場合や頻尿、また変な格好をしながらオシッコするなどの兆候が現れたら要注意です。
尿検査や血液検査などで罹患しているかどうか判別できるため、抗生剤や療法食の投与によって結石を解かす治療法があります。ただし結石がシュウ酸カルシウムだった場合は溶解しないので手術による除去が必要となります。
大型犬がかかりやすい疾患で、食餌後に急激に胃が膨張し捻じれてしまう現象です。捻じれることによって神経や血流に重大な影響を及ぼし、ショック状態になることも珍しくありません。
食後すぐに運動すると起こることが多いため、食べてすぐに運動させることは控えましょう。
ラブラドールレトリバーは活発で、多くの運動量を必要とする犬種です。毎日の散歩など、どのくらい運動させるのが適切なのか解説していきます。
散歩の回数が足りなかったり、時間が短かったりすると必要な運動量を確保することができないため、1日2回は散歩させるようにしましょう。
その時の天候に合わせて時間を決めれば良いですが、散歩1回につき最低40分は必要です。活発な子なら時間をもっと伸ばしても良いかも知れませんね。
ラブラドールレトリバーは走り回ることが大好きな犬種ですから、たまにドッグランで走らせることも大切です。またストレス発散にもなりますし、温厚な性格ですから他の犬とも仲良くできるでしょう。
また、ウォータードッグとしての歴史もある犬種なので泳ぎが得意です。もしドッグプールへ行ける機会があるのなら、泳がしてあげても良いですね。
病気リスクを軽減するためには動物病院等での検診が必要ですし、適正な体重を保つためには適切な食事と運動が大切です。
またシニアになるに従って骨や関節の健康維持も重要になってきます。「いつも食べているフードだから」と満足せず、年齢に応じた栄養配分を考えてあげることも飼い主さんの役割だと言えるでしょう。
明石則実/動物ライター
フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。
愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。