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2020.03.31

連載|『てんかんをもつ動物とその家族を、ひとりぼっちにしない』|前編

【獣医師監修】動物のてんかんの啓蒙をおこなう日|アニマルパープルデーを知ってる?

「てんかん」は、けいれんなどの発作を繰り返し起こす脳疾患です。病気の存在をご存知だとしても、”もし自分の愛犬がてんかんを発症したら”と想定してみたことがある方は少ないのではないでしょうか。てんかんは私たち人間に限った病気ではなく、犬や猫においても人間と同程度の発症率がある病気です。
今回は、そんな動物のてんかんに関する認識を飼い主さんのあいだで広めるための日として設けられた「アニマルパープルデー」をご紹介し、犬をふくむ動物たちのてんかんについて考えます。

Author :中野 由美子/docdog プロデューサー 兼 日本犬担当編集者(監修:石田 哲太郎/獣医師、動物予防医療普及協会 代表理事)

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アニマルパープルデーってどんな日?

アニマルパープルデー

アニマルパープルデーを理解するために、まずは大前提となる「パープルデー」の始まりから順を追ってみていきましょう。

パープルデーとは?てんかんを持つすべて人に応援のメッセージを

パープルデーとは、カナダのキャシディー・メーガンさんという一人の少女により始まり、今や世界中の人々から賛同を得ているキャンペーンです。
毎年3月26日に、てんかんを持つすべての人に対し『てんかんをもつ人を、ひとりぼっちにしない』という応援メッセージを込めて紫色のものを身に付けます。それだけではなく、講演会やイベントを開催してんかんに対する理解を深める日として世界中で活動がおこなわれています。
日本では、一般社団法人PurpleDayJapanが普及活動を展開しています。

アニマルパープルデーとは?てんかんは犬にとっても珍しくない病気

てんかんは決して珍しいものではなく、”100人に1人が持つ病気”とされています。そして、犬や猫におけるてんかんの発症率も人間と同程度と言われています。
そのような背景において大切なことは、わたしたち飼い主や周りの人間が、動物のてんかんに対して正しい知識を持って行動することではないでしょうか。
「パープルデー」とおなじ3月26日を「アニマルパープルデー」とし、『てんかんをもつ動物とその家族を、ひとりぼっちにしない』という応援のメッセージに賛同する人たちが紫色のものを身に付ける活動が始まっています。
アニマルパープルデーは、動物のてんかんを専門的に研究・診療している日本の獣医師によって制定されました。

アニマルパープルデー2020年|参加者の様子

今年の3月26日には、各地で紫色のものを身に付けるわんちゃんやねこちゃんたちが見られました。

アニマルパープルデー

アニマルパープルデー2020年|動物病院も紫色におめかし

アニマルパープルデー発起人で獣医師の奥野征一氏のACORN獣医神経病クリニック(群馬県伊勢崎市)では、3月26日当日に病院が大きな紫色の布で装飾されました。

アニマルパープルデー

アニマルパープルデー2020年特別企画『犬と猫のてんかん読本』が無料公開

アニマルパープルデー

3月26日のアニマルパープルデーに合わせて、日本の動物てんかん研究・臨床における第一人者である日本獣医生命科学大学 長谷川大輔教授による『犬と猫のてんかん読本 第3版』が無料で公開されています。

『犬と猫のてんかん読本』って?

てんかんを持つ犬や猫と暮らす飼い主、そして周囲の方々が「犬と猫のてんかん」と上手に付き合っていくために必要な情報を丁寧に解説しているのが『犬と猫のてんかん読本』です。
全88ページ(PDF形式)の読本は、アニマルパープルデーの特設ページから無料ダウンロードが可能です。犬のてんかんについて詳しく知りたい飼い主さんはもちろん、動物看護師や臨床獣医師の方など幅広い立場の方が手に取れる読本で、動物と暮らすご家庭には一家に一冊置いていただきたいほど、充実の内容となっています。

『犬と猫のてんかん読本』は内容が詳細で網羅的

犬のてんかんがそれほど珍しい病気ではないこともあり、ネット検索をすると犬のてんかんに関する情報が色々なサイト等で発信され、どの情報を参考にすればいいのか悩ましい状況です。
しかし、おそらくお金を出さず自宅に居て手が届く情報の中で、『犬と猫のてんかん読本』は最も詳細に犬と猫のてんかんを解説している読みものだと言えるでしょう。

第1章|"犬猫の"てんかんの定義と分類

飼い主さんの中には、愛犬が急に発作を起こして”もしかしたらてんかんではないか”と心配になったことがある方もいらっしゃるかもしれません。しかし、犬が発作を起こす原因は様々です。
第1章では、犬や猫におけるてんかん発作は他の発作とどう区別されているのか、という定義を導入とし、長谷川教授の具体的な補足説明とともに解説が始まります。

第2章|てんかんの診断

愛犬が発作を起こした、”もしかして、てんかん発作?”そんな時に飼い主としてどんな行動を取れば良いのか、そして、病院での診断までの流れ(検査方法)が詳細に解説されます。
誰にどのタイミングで起こるか分からないてんかんですが、犬と暮らす家族として備えておくには十分な知識が詰まっています。

第3章|てんかんの治療

愛犬にてんかんの診断が下りたら、その後はどんな治療がおこなわれるのでしょうか?
てんかんの治療法はもちろんのこと、治療によって愛犬と飼い主の生活がどう変わり、実際の臨床現場ではどの程度の効果を目標に治療がおこなわれているのかといった、一般の方々が触れない獣医療の情報も紹介されています。

第4章|てんかん発作重積と群発発作の治療と管理

この章では、連続または持続して発作が起こる場合(重積)と、頻繁にてんかん発作が起こる場合(群発)の詳細な治療・対処法が紹介されます。
自宅で飼い主が出来ることにも触れられています。

第5章|てんかんの予後とてんかん動物との生活

最後の章では、てんかんを持つ犬や猫と暮らす飼い主が普段の生活で注意すべきこと、病気との上手な付き合い方が具体的な方法とともに紹介されます。例えば、「発作が起こるのが分かるとき」「発作が起こったら」「発作が終わったら」など、場合に分けて詳しく飼い主としての正しい行動が示されているため、非常にイメージが湧きやすいです。

てんかんをもつ動物とその家族をひとりぼっちにしないために

アニマルパープルデー

てんかんは人間で言うと100人に1人が持つ疾患で、犬においても発症率は同程度と言われています。
発作を伴うてんかんを発症してから対処するのと、事前に知識を持って行動するのでは大きな違いです。また、珍しい病気ではないものの、てんかんを持つ愛犬と暮らしている人の中には、なかなか周りに打ち明けられない悩みを抱えている人もいます。
アニマルパープルデーをきっかけに、てんかんをもつ動物とその家族をひとりぼっちにしないために、まずはてんかんについて学んでみませんか?

『犬と猫のてんかん読本』の無料ダウンロードはこちら

docdogではアニマルパープルデーの活動を応援しています

アニマルパープルデー

『愛犬と"ふたり"でつくるヘルシーライフ』をコンセプトに情報配信をおこなうdocdog(ドックドッグ)では、飼い主が知ることで取れる行動が増える犬の疾患「てんかん」の啓蒙をおこなうアニマルパープルデーを応援しています。
今回の記事は、獣医師であり一般社団法人動物予防医療普及協会代表理事の石田先生の監修をもとに執筆いたしました。

一般社団法人動物予防医療普及協会

『飼い主様が知ることで、行動することで防ぐことができるペットの病気や怪我があります』というメッセージをさまざまな予防の情報とともに発信している、獣医師が中心となって設立された協会です。
アニマルパープルデーの公式後援団体でもあります。

協会の公式サイトは、こちら
協会の公式Facebookページは、こちら

◎監修者プロフィール
石田哲太郎

石田 哲太郎/獣医師、動物予防医療普及協会 代表理事

地域密着型中核病院、夜間専門病院での経験を経て、ホームドクター型、広域対象2次診療施設型、海外での日系動物病院と3タイプの動物病院スタートアップを実施。
現在は今までのさまざまな経験や人との繋がりを活かし、多方面でプロジェクトに参加(イベント運営や上海での事業など)『急激な時代の変化の波に乗るべく情報収集・とにかく行動』をモットーに活動中です。

◎ライタープロフィール
docdog 中野由美子

中野 由美子/docdog プロデューサー 兼 日本犬担当編集者

幼少期に出会った犬種図鑑をきっかけに「犬と人間の共存」に興味を持つ。化粧品会社に就職後「本当の美しさとは何か」を考える中で、「異なる種類のいきものが共存する姿」がいきものの美しさの根源だと考えるように。現在はdocdogで活動しながら、ながく歴史を分かつ犬と人間の双方にとって幸せな共存の在り方を模索中です。

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