
「うちのコがトイレを失敗してしまう」と言うことがありますが、果たして何を失敗と呼ぶのでしょうか? まずは、この記事で意味する「失敗」について解説します。
犬のトイレの失敗のひとつとして、トイレシートから排泄物がはみ出ていることが挙げられます。 ここでは、おしっこが少しでもトイレシートから漏れていたら失敗ということにしますね。 そうしなければ、いつになっても床を拭いたり除菌したりする必要が出てきてしまいますので・・・。
初めて犬を家に迎え入れた際に失敗しがちなのが、トイレシートのない床でトイレをしてしまうことです。 これが習慣づいてしまうと、どこでも壁に向かっておしっこをしてしまうことがあるため、早めの対処が必要になります。
犬がトイレを失敗する理由は様々です。しかし、そのほとんどは犬の失敗ではなく、飼い主さんの失敗でもあるのです。
犬はトイレをする前に、床のにおいを嗅ぎまわったり、その場をグルグルと回ったりします。そのサインを見逃していると、犬はそのままその場でトイレをしてしまうことになります。
犬のトイレのしつけで大切なことは、「トイレシートはトイレ」だと教えることです。当たり前のようですが、実はなかなか犬に教えるのは難しく、根気のいるしつけです。
それでは、犬がトイレを失敗しないためのコツをご紹介します。コツはふたつだけです。とても単純で簡単ですので、ぜひ覚えておきましょう。
犬がトイレをしそうになったら、トイレシートの上に犬を移動させます。 そして犬がそこでトイレをしたら、トイレをしている間ずっと犬のことを褒め続けましょう。 少し大げさに褒めるくらいが良いです。そしてトイレを終えたら褒めるのをやめ、片付けを始めます。
犬がトイレを失敗したときによくしてしまうのが、「あっ!」や、「キャー!おしっこしてる!」などと慌ててしまうことです。飼い主が慌てても意味はありません。さらに犬がトイレを失敗すると犬を叱る人もいます。
叱ってしまうと、犬は「トイレをしたこと」自体が悪いことだと感じ、トイレをギリギリまで我慢してしまうようになります。そのため、犬がトイレを失敗した際は、犬の目を見ず、声もかけずに淡々と後片付けをしましょう。
すると徐々に愛犬は「褒めてもらえなかったから、これはダメなことなんだ」と認識してくれるでしょう。
ちなみに、トイレシートの上でトイレをしても、少しでもトイレシートから排泄物がはみ出ていたら、褒めることなく片付けましょう。
犬がトイレを覚えるには、実はトイレシートの敷き方も重要になります。これも簡単な作業ですので、必ず覚えておきましょう。
まずはケージの床全面にトイレシートを敷きます。そして犬がその上で少しも漏らさずにトイレをするようになったら、徐々にトイレシートの範囲を狭くしていきます。
そうすることで、犬はトイレシートの存在を認識するようになり、最終的には小さいサイズのトイレシートでも問題なくトイレをしてくれるようになります。
以上のように、犬のトイレのしつけは単純であり、難しくもあります。愛犬がトイレをしたくなったらトイレシートに向かってくれるようにするには、繰り返しの学習が必要で、根気のいるしつけでもあります。ただ、トイレのしつけは叱らずにひたすら褒めて教えますので、犬も人もきっと楽しいしつけになるはずです。妥協せずにしっかりとトイレのしつけをマスターしてもらいましょう。
みなみ 愼子/名古屋ECO動物海洋専門学校非常勤講師 動物福祉・倫理学、ホリスティックケア・インストラクター
非常勤講師のほか、ペットマッサージやアロマテラピーの教室を開講しており、犬の保護施設でもペットマッサージのボランティア活動を実施中。一緒に暮らしている犬はロットワイラー、フレンチブルドッグ、MIX犬の3頭で、犬との伸びやかな暮らしを楽しみたいと思っています。
南健汰/ドッグライター
大自然溢れる北海道でドッグトレーナーとして犬を訓練した経験を活かし、2012年より執筆活動を開始。ボーダーコリー2頭、サモエド2頭、猫2頭と暮らしている。犬との生活で大切にしているのは、犬も自分も思い切り楽しむこと。訓練士協会A級ライセンス保持。