
まずはピンシャーの子犬が生まれるまでの様子を見ていきましょう。他の犬種とどのように違うのでしょうか?
妊娠期間に関しては、他の犬種と変わりはありません。約63日くらいとされていて、早産のケースなどもあまりなく、ほとんどの場合が予定日通りに出産します。
妊娠してからの激しい運動はNGですし、出産前には高栄養フードを食べさせるようにします。妊娠が確定してから1ヶ月ほどで出産するため、非常に短いような感じがしますよね。
ピンシャーは成犬になると15~20キロほどの中型犬になりますから、一度に生まれる頭数としては4~8頭くらいだとされています。フレンチブルドッグなどのように頭が大きな犬種ではないので、難産ということはあまりないみたいですね。
犬の前足の指は通常5本あるのですが、プロのブリーダーさんのところで出生したピンシャーは、前足の親指を生後すぐに切ってしまうことが多いそうです。
なぜなら耳がかゆいからといって前足で掻いてしまうと、短毛種のピンシャーの皮膚はすぐに傷ついてしまいます。そういったリスクをなくすために切るのだそうです。ただどうしても切らなければいけないものでもなくて、個人の繁殖家の場合はあえて指を切らない人も多いとのこと。
ピンシャーの子犬は生まれてから、どのくらいで成犬になるのでしょうか?その成長スピードを順に見ていきましょう。
ピンシャーのような中型犬の成長スピードはとても速いとされていて、生後数ヶ月の期間に飛躍的に大きくなります。この時期には、成長の度合いに合わせた栄養価の高い食餌が必要だとされており、おおむね12ヶ月程度で成犬並みの体重になります。
ピンシャーは生後3ヶ月程度で断尾と断耳を施す場合が多いとされています。犬種標準に合わせるために断尾と断耳をし、スタイルを保つための目的もありますが、もう一つは予防医学の観点から、それらの処置を施すという意味もあります。
既述したように、ピンシャーは短毛種で皮膚を保護するための被毛が薄いため、皮膚が傷つきやすいという特徴があります。そのため茂みに入ったり、少し引っ掛けるだけでケガのリスクが付きまとってしまうのです。
特に尾と耳は長ければ長いほど引っ掛けやすいですから、事前に切ってしまうことが多いと言えるでしょう。しかしピンシャー本来の自然のスタイルを好む方もいらっしゃるので、断尾と断耳に関しては意見が分かれるところです。
いよいよピンシャーの子犬の育て方です。初めて子犬を迎えた時、ごはんやしつけなど、どのようにすれば良いのでしょうか。
離乳したての頃はドライフードをお湯でふやかしてから与えるようにしましょう。乳歯が揃う3ヶ月程度が目安です。
そこから徐々にカリカリのドライの状態に切り替えていきます。成長時期には高栄養価のフードが望まれますので、パピー用フードを与えるようにしてください。
ただし栄養価の高い食餌やおやつを与えすぎると肥満の原因になりますので、フードの分量はしっかりと計算することが大切です。
子犬はまだ社会性が身に付いていませんし、どんなことも初めて体験することばかり。そんな時に飼い主さんの手助けが必要になります。
特にいつから始めなければならないということはありませんが、子犬の頃はまだ免疫力も付いていませんし、ワクチンプログラムが終わるタイミングを見計らって散歩に行くという形がベストです。 それまでにトイレトレーニングやリーダーウォークなど、室内でできることをしておきましょう。
これも特に決まっているわけではありませんが、ワクチンプログラムが終わってからで良いでしょう。 もし体が汚れてしまった場合は、絞ったタオルや市販のシャンプータオルなどで体を拭いてあげると良いですね。
愛犬と暮らしていくにあたって、まずしなければならないのがしつけです。生後2~3ヶ月程度の頃は社会性が身に付く時期とされていますので、積極的に始めていきたいところです。自分の名前を覚えさせることから始まって、トイレトレーニングや、フセ、オスワリなどのセルフトレーニングなど、しっかりと意思の疎通をさせながら行っていきましょう。
子犬の成長スピードはとても速いですし、初めての経験もどんどん吸収していける時期にあたります。 また子犬と毎日接することで新しい発見もあるでしょうから、きっと飼い主さん自身も日々成長していけると思います。しつけを通して常にピンシャーと意思疎通を図ることで、最良のパートナーとして成長してくれることでしょう。
明石 則実/動物ライター
フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。
愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。