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健康管理 / 病気

2020.02.01

【獣医師監修】犬の耳の病気はどんな種類がある?症状でサインを確認しよう

犬は、耳の病気にかかりやすい動物です。特に、垂れ耳や短頭種は耳の病気をよく発症します。犬が耳をよく掻いていたり、頭を頻繁にブルブル振っていたり、床に耳をこすりつけていたりしたら、それは病気のサインかもしれません。湿度の高い夏は耳のトラブルが発症しやすい時期ですが、季節関係なく発症する場合もあります。ここでは、犬の代表的な耳の病気についてご紹介します。

Author :docdog編集部(監修:相澤 啓介/あさか台動物病院 獣医師)

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犬の耳の痛みや痒みは病気のサイン?

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犬は耳にトラブルを発症すると、痛み・痒みといった不快症状に悩まされます。また、色のついた耳垢が多くなることもあります。あまりチェックしたことがない方は、まずは犬の耳を見て「耳垢が付いていないか」「皮膚が赤くないか」を確認してみましょう。

犬の耳の病気は日頃のチェックが重要

犬は耳に不調があると、触られることをとても嫌がるようになります。いつもはできていた耳掃除ができないばかりか、様子を見ようと耳を触っただけで攻撃的になることもあるのです。

犬の耳の病気は慢性化しやすく、さらに外耳炎から中耳炎や内耳炎と進行する場合もあります。早期発見と早期治療によって犬への負担も少なく済み、また再発も防げるので、日常のチェックを欠かさずに行うことがポイントです。

犬の耳の病気の代表的な種類とは

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犬の耳の病気は、大きく3種類に分けられます。外耳道に炎症が起きる外耳炎、鼓膜の奥に炎症が起きる中耳炎、さらにその奥にある内耳までが炎症を起こす内耳炎です。

そして、代表的な犬の耳の病気は「外耳炎」です。外耳炎と一言で言っても、アレルギー性のものから外耳道に異物が入り炎症を起こすものまでさまざまな種類があります。また、耳たぶに血腫ができる耳血腫や犬種特有の中耳炎もありますが、ここでは症例数の多い代表的な耳の病気をご紹介します。

犬の耳の病気で最も多い外耳炎

耳の穴から鼓膜までの外耳道に炎症が起きる病気を総称して外耳炎と呼びます。犬種を問わず、犬にとって発症しやすい病気の一つと言えます。

原因は、草の種などの異物混入、耳ダニ、アレルギー性皮膚炎などさまざまです。外耳炎を放置し、症状が悪化してしまうと中耳炎にまで発展してしまうため、早期発見と早期治療がカギとなります。特に、垂れ耳の犬や耳の中に湿り気が多い犬は注意が必要です。

外耳炎の中でも痒みが強いマラセチア

マラセチアという真菌が耳の中で増殖してしまう病気です。マラセチアは犬の皮膚に存在する常在菌ですが、外耳炎をきっかけにマラセチア菌が増殖し炎症を起こします。特に、湿度の高い時期に発症しやすく、また再発しやすい症状のため根気よく治療をすることが基本となります。

再発を繰り返すこともある耳血腫

耳血腫は耳たぶにある血管の一部が破れ、血液や体液がたまってその部分が腫れる病気です。 多くの場合は外耳炎による痒みから耳を強く掻きすぎる、頭を激しく振る、床や地面に耳をこすりつけることで発症します。外耳炎がきっかけとなることが多いので、日々の耳チェックを欠かさず行うことで予防することができます。

短頭種は要注意!犬種特有の耳の病気

短頭種は鼓膜の手前の耳道がとても狭いことが多く、中耳炎を発症しやすいとされています。特に、フレンチブルドッグなどのブルドッグ犬種は注意が必要です。また、キャバリアには、原発性分泌性中耳炎という病気が発症する可能性があります。このほかにも、脂漏体質が多いコッカー・スパニエルやシーズーなども耳の病気を発症しやすい犬種です。

犬の耳の病気の検査・治療方法とは

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犬がよく耳を掻いていたり、頭を激しく振っている場合は耳の病気を疑います。外耳炎はどんどん進行するため、少し様子を見ようと思ったりせずに、犬の耳の病気かな?と思ったら検査をしに動物病院へ連れて行きましょう。

犬の耳の病気の検査方法

動物病院の一般的な検査方法は、オトスコープと呼ばれる耳用の内視鏡で、耳の中の状態を確認すると共に耳垢を採取して細胞を検査する方法です。この検査によって外耳炎の原因が突き止めることができます。外耳炎が進行して中耳炎や内耳炎を発症している場合には、CTやMRIによる検査が行われることもあります。

犬の耳の病気の治療法

軽度の外耳炎の場合は、犬の耳を洗浄し投薬を行います。投薬は症状に合わせて、点耳薬や内服薬とさまざまです。外耳炎が進行し、内耳炎など重度の耳の病気となった場合は、手術を行うこともあります。

犬の耳の病気|家庭で出来ることは?

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犬の耳の病気は、放置しておくとどんどん進行してしまい、治療を行っても難聴や常に首を傾けている斜頸などの神経症状が残ることがあります。犬の耳の様子がおかしいと感じたら、一刻も早く動物病院に連れて行くことが推奨されますが、普段からはどのような方法で病気のサインを見極めればいいのでしょうか?

犬を耳の病気を予防するためのチェック方法

犬の耳の病気は、早期発見と早期治療が効果的です。犬の耳に触った時に、少しでも嫌がるようなら何か耳に異変があるかもしれません。日々の耳ケアを仔犬の頃から習慣化することで、耳の状態の変化にも気づきやすくなります

日頃から行いたい耳のチェックポイントは、「1.耳垢の状態」「2.臭いがあるかないか」「3.耳の内側の皮膚の状態」「4.耳が熱を持っていないかどうか」「5.耳が腫れていないか」の5つです。この5つのポイントを日頃からチェックすることが、早期発見のためにできる家庭でのチェックポイントとなります。

こまめな耳ケアで病気の早期発見を!

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耳掃除が好きな犬はあまりいないかもしれません。しかし、嫌がるからといって長期間耳掃除をしないと外耳炎が悪化してしまいます。単に耳掃除が嫌いなのか、何らかの原因で耳を触られることが嫌なのかを見極めることも飼い主さんの役目となります。もちろん、綿棒を使って耳の中を傷つけてしまうような耳掃除はNGですが、耳の中の状態を常に把握しておくことも大切なことです。日頃の愛犬の行動をよく観察して、少しでも耳を気にするようなそぶりを見せたら、迷わず動物病院へ連れて行きましょう。

◎監修者プロフィール

相澤 啓介/あさか台動物病院 獣医師

1988年生まれ。日本大学/生物資源科学部獣医学科公衆衛生学研究室を卒業し、その後、あさか台動物病院で勤務。一般外来のほか、循環器の分野に専門的に携わっています。獣医師という立場から、大切なワンちゃんの健康をサポートするために、正しく分かりやすい情報を伝えたいと思っています。

【 主な所属学会・研究会・団体 】
埼玉県獣医師会、日本動物病院協会、日本獣医循環器学会、日本獣医がん学会

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