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健康管理 / 病気

2020.02.10

【専門家監修】犬の正常な体温って?測り方や異常が見られるのはどんなとき?

私たち人間は、風邪をひいたときに体温を測ります。日本人の体温は、約7割が36.6℃から37.2℃の範囲だと言うことが分かっています。では、犬の体温はどのくらいなのでしょうか?そして、体温に異常がある場合にはどのようなことが考えられるでしょうか?

#Healthcare

Author :docdog編集部(監修:阿片 俊介/クロス動物医療センター 主任動物看護師)

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犬の体温は何度?その計り方とは

人間は脇の下や口で体温を測りますが、犬の場合はどうなのでしょうか。ここでは、犬の体温の計り方と平熱についてご紹介します。

犬の体温の計り方は?

体温測定のときには犬猫専用の体温計を使用しますが、ない場合はご家庭にある体温計を使用することも可能です。人とは異なり犬の場合は肛門に体温計を入れて、直腸温を測ることが一般的です。

体温計にラップを巻き、オリーブオイルなどを先端に塗った状態で犬の肛門に挿入します。この方法が体の中心部に近い温度を測ることが出来て最も良いのですが、糞便がたまっていると正しく測れないこともあるので注意が必要です。

このような場合には、体温計を入れてから先端部を直腸壁に少し押しつけるようにすることで、上手く測ることが出来るようになる場合があります。

ただし肛門に異常があったり、ひどい下痢をしていたりする場合には、直腸に体温計を入れることが出来ないので注意が必要です。犬猫用の体温計は先端が柔らかくなっているので、直腸粘膜を傷つけないのでより良いかもしれません。

犬の平熱は?

文献によっても異なりますが、37.0~39.0℃が平熱とされています。

動物病院で勤務する筆者が日常的に測っている感覚だと、37.5℃~39.5℃くらいまでは平熱と感じており、文献の記載よりも高いですが、実際に動物病院で測定する場合は興奮していることが多いため高くなっているのだと思われます。

犬の体温に異常が認められるのはどんな場合?

先ほどの平熱を逸脱している場合、どんな状態が考えられるのでしょうか?ここでは体温が高い場合と低い場合に、どんな状態が考えられるかをご紹介します。

体温が高い場合は?

体温が高い原因は多岐にわたり、感染症、免疫介在性疾患、腫瘍性疾患、代謝性疾患、薬物中毒などがあげられます。

感染症としては細菌感染が一般的です。皮膚、消化器、呼吸器、循環器などに細菌が感染し、炎症を起こして発熱します。免疫介在性疾患は体を病原体から守る免疫機構が異常を起こし、自分自身を攻撃してしまう疾患の事です。

また、高体温で最も多いのは熱中症です。熱中症になると全身臓器の働きが悪くなり、最悪の場合死に至ることもあります。

発熱に対する対応としてはステロイドや非ステロイド系消炎鎮痛剤などの解熱剤を用いたり、冷水や消毒用アルコールで体をぬらして扇風機などを用いて送風して気化熱で体温を下げる方法が推奨されています。

また氷水を使用する方法もありますが、あまりに冷たいと末梢血管を収縮させてしまい、逆に熱放散を妨げてしまうことがあります。

犬は発汗する仕組みが体に備わっていないため、浅く早い呼吸をすることで体温を下げようとします。この呼吸は「浅速呼吸」と呼ばれています。特に鼻の短いフレンチブルドッグなどの短頭種は空気の通り道が狭いため、この仕組みが上手ではなく、特に熱中症になりやすいので注意が必要です。

体温が低い場合は?

体温の低下は、代謝率が減少する甲状腺機能低下症などの疾患や、体温調節が上手にできない幼若犬や高齢犬などに多く見られます。

特に冬場など寒い環境に長時間いた場合、犬も低体温になることがあります。

体温が低い場合には、赤外線や温風などで加熱する方法があります。ただし体温が37度を下回っているようなら様子を見ず、動物病院を受診するようにしてください。

体温の異常にもいろいろなものがある。

人間と同様に犬でも体温の異常には様々な原因が挙げられます。
自宅でも体温の測定は簡単にできるので、無理のない範囲で測定を行うことで、日々の健康管理に役立ててみてはいかがでしょうか。

◎監修者プロフィール
阿片 俊介

阿片 俊介/クロス動物医療センター 主任動物看護師

茨城県出身。日本獣医生命科学大学を卒業し、認定動物看護師の資格を取得。 千葉県の動物病院に勤務後、動物用医薬品販売代理店にて動物病院への営業を経験。 犬とのより良い暮らしをサポートできるよう、飼い主の方の気持ちに寄り添いながら、安心して正しい情報をお伝えできるよう心がけています。

  • 更新日:

    2020.02.10

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