magazine

健康管理 / 病気

2020.02.02

犬の便秘の5つの原因とは?考えられる病気と食べ物・マッサージによる対処法

突然ですが、愛犬は毎日ちゃんとお通じが来ていますか?人間ではお通じの来ない「便秘」に悩んでいる人も多いかと思いますが、犬も便秘になることがあるのでしょうか?本記事では、犬にとって「便秘」と言える状態や、その原因・考えられる病気と、食べもの・マッサージによる対処方法など、様々な角度から「犬の便秘」をご紹介していきます。

#Healthcare

Author :docdog編集部

この記事をシェアする

犬の便秘は何日から?

犬 便秘

犬は1日1回以上の便を排泄します。生活環境の変化により1~2日排泄がないということもありますが、一般的に3日以上排便がなく、便の排泄が困難になっている状態を「便秘」と言います。体内に便が残っている感覚があったり、排便の姿勢を長い時間あるいは頻繁にとり続ける「しぶり」と呼ばれる状態が続くこともあります。また便秘のときは、いつもより排便する量が少なくなることもありますが、一体このような状態はなぜ引き起こされるのでしょうか?

犬の便秘|考えられる5つの原因とは?

犬 便秘

「便秘」のときは、腸の内容物を肛門へ向けて送る「蠕動(ぜんどう)運動」が円滑に行われておらず、便が大腸にとどまっている状態になります。このような状態となってしまう原因には様々なものが考えられますが、いずれにしても便が長時間腸内に留まっていると、発酵して硫化水素・メルカプタンなどの硫黄を含んだガスが発生し、腸の粘膜に炎症が起こります。

そうすると腸内の細菌がスカトールという化学物質を発生させます。これにより、一時的に急激な痛みや体内への問題を引き起こす可能性があります。ここでは、まず便秘の原因として考えられる生活周りのことをご紹介します。

1.食べ物の影響・水分不足

犬が消化しにくい繊維質のものを過剰に食べたり、水分摂取が不足している場合などに、便が硬くなり便秘の症状になることがあります。積極的に水分が取れるように、普段ドライフードを食べさせている場合は、水分を加えてふやかして与えるのもいいでしょう。鶏味のスープなどを加えると愛犬も喜びます。

2.運動不足

運動不足が原因で消化器官の動きが鈍くなり、便秘の症状が見られることがあります。食生活の見直しと合わせて、日頃から十分な運動量を確保できるようにしていきましょう。

3.加齢

犬の筋力が加齢によって低下することで、便秘の症状が見られることがあります。まだシニア期に突入していないと考えるのではなく、日頃から愛犬と運動することで筋力維持を心掛けましょう。

4.トイレ環境

排便する場所の環境が変化した場合に、排便をしなくなることがあります。トイレの場所が汚れている・落ち着かない等と言った場合に、排便を我慢してしまうことがありますので、注意しましょう。トイレの場所は出入りが激しい場所を避け、キレイに保つように心がけてくださいね。

5.病気・怪我・誤飲

上記の原因に心当たりがない場合、愛犬が病気に罹っていたり、怪我をしている可能性があります。また、散歩の途中で木片や石ころ等を誤飲してしまったことによって、腸が妨げられている深刻なケースなどもあります。元気で食欲もあるのに便だけが1~2日出ないという状態ではそれほど心配はありませんが、お腹が膨れていたり元気がない場合は病気も疑いましょう。日頃から愛犬の便の回数・状態を確認し、違和感があった場合には、早めに動物病院を受診するように心がけてください。

犬の便秘の原因|考えられる病気・怪我とは?

犬 便秘

続いて、犬が便秘を引き起こしている原因として考えられる病気・怪我をご紹介します。

ガン・腫瘍

便が通過するはずの腸が狭くなったり、腸の途中に障害物があって、便の通過が困難な状態に陥ってしまうことがあります。これの原因となる病気として、まず挙げられるのが「ガン」などの腫瘍です。具体的には肛門に近い結腸・直腸と呼ばれる部分・前立腺やリンパ節などにガンの塊ができることによって、腸が圧迫されて便の通過が阻害されることが挙げられます。

会陰ヘルニア

会陰ヘルニアという陰部から肛門にかけての筋組織にヘルニアが起こる病気です。この病気では、肛門周りの筋肉が薄くなり、筋肉と筋肉の間から腸が飛び出てしまうことで通過障害を起こり、便秘になることがあります。オスに生じることの多い病気で、直腸憩室という直腸の一部が袋状に膨らんでしまう病気を併発することもあります。

骨折

骨盤骨折で骨盤の空間が狭くなることで、腸が圧迫されて便の通過が阻害されることがあります。また、四肢(特に後ろ足)を骨折することで上手に排便の姿勢をとることが難しくなり、その結果として便をしたがらなくなっていることもあります。

肛門周りや直腸の炎症

肛門嚢(こうもんのう)と呼ばれる肛門まわりの炎症や、直腸の炎症などの病気が起きていることで強い痛みがあり、排便をしたい状態にならないことがあります。

脊髄神経の病気

椎間板ヘルニアなどの脊髄神経の病気などで、神経伝達に異常が生じ、感覚が麻痺して排便する意識がなくなって便秘が起きることもあります。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症といったホルモンの病気でも腸の動きが悪くなることがあります。

全身性疾患

リンパ腫や肛門~アポクリン腺癌といった悪性のがんの中にはPTHrPと呼ばれる、血中カルシウム濃度を上げてしまうホルモンを出すものがあります。また上皮小体とよばれるホルモンを出す臓器の異常でもカルシウムの濃度が上がります。このような高カルシウム血症になると腸を構成する筋肉の動きが悪くなり、便秘になることがあります。

重度の脱水

重度の脱水でも腸内容の水分量が少なくなり、便秘になることがあります。日々の愛犬の水分摂取量もチェックするようにしましょう。

犬の便秘を改善する方法とは?

犬 便秘

上述した様に、犬の便秘の原因は非常に多岐にわたります。そのため便秘に対する治療法は原因にあったものを選択しなければなりません。自宅で出来るケア方法もありますが、むやみやたらにやってしまうと逆効果にもなりえないため、かかりつけの獣医師と共に対策方法を考えていきましょう。

病気の治療へのアプローチ

ガンや異物などが原因で、物理的に便の通過が阻害されている場合・腸が狭くなっている場合には、その原因を除去することで、腸の通過状態を良くしてあげる必要があります。骨折やその他の痛みが原因で排便しづらいことから来る便秘、高カルシウム血症やホルモンの病気から来る便秘も原因となっている病気の治療が必要です。

さらに排便をしたくないという環境であれば、環境の改善を考える必要があるでしょう。いずれの原因にしても動物病院での原因に対する検査と、その原因に対する治療が必要となります。

具体的な治療方法

慢性化した便秘、あるいは原因を取り除くことが困難な便秘については浣腸をしたり、下剤を使用することがあります。また、繊維質の多い食事が各メーカーから療法食として出ているので、そういったものを使用したり、昆布やわかめ、こんにゃくを与えることも一つの方法です。しかしこれは注意が必要で「がん」や会陰ヘルニア、骨盤骨折などがある状態で、繊維質の多い食事を与えると便の量が増えてしまい、逆に犬の体に負担をかけてしまうことがあります。そのため、対策をとるために、かかりつけの動物病院で獣医師に相談するようにしましょう。

お腹のマッサージは効果的?

自宅でのケア方法として、お腹を優しくなでる程度のマッサージはやってあげても大丈夫です。飼い主さんになでられることで愛犬も安心することができるでしょう。しかしながら、原因によっては全く効果がない可能性もあります。また、骨折をしている場合などには逆に触られることを嫌がる可能性もあるため、無理して実施する必要は全くありません。

犬の便秘には様々な原因がある

犬 便秘

これまでご紹介してきたように便秘には様々な原因があり、決して一筋縄ではいきません。日頃から愛犬の便の回数・状態をチェックし、違和感があった場合には、早めに獣医師の診察を受け、適切に対応するようにしましょう。

  • 更新日:

    2020.02.02

この記事をシェアする