
ワイマラナーは犬のなかでは比較的抜け毛の少ない犬種です。その理由はワイマラナーの被毛タイプにあります。まずは、ワイマラナーの被毛タイプや毛色からご紹介しましょう。
ワイマラナーの被毛は、艶やかで短毛なスムースコートと、毛がやや長めのロングコートの2タイプがあります。一般的にはスムースコートの方が多いですが、数は非常に少ないものの日本にもロングコートのワイマラナーを扱うワイマラナー専門ブリーダーがいるので出会うことは可能です。
ロングコートは、スムースコートに比べて少し柔らかな印象が、スムースコートは、筋肉質で引き締まった美しいボディラインが強調され力強い印象が特徴的です。
一部でダブルコートの個体も存在するようですが、基本的には、外部の刺激から皮膚を守る役割のオーバーコートのみが生えているシングルコートです。
シングルコートの場合は、年間を通して少しずつ毛が抜け落ちて生え変わっていくため抜け毛は少なめです。同じ大型犬のなかでも、秋田犬やアラスカンマラミュートなどと比べると、抜け毛の掃除はかなり楽におこなえると言えます。
よく見られるワイマラナー毛色はシルバーやノロジカ色(赤みを帯びたグレー)ですが、マウスグレーも存在します。また、足の指や胸部に小さなホワイトの斑が入っていることもあります。
抜け毛のお手入れはあまり手間がかからないことが分かりました。
一方で、滑らかな手触りで光沢のある美しい被毛はワイマラナーの魅力のひとつですので、その被毛を健やかに保つために定期的にシャンプーやブラッシングをする必要があります。具体的にどのぐらいのペースでお手入れをすればよいのか解説していきます。
ワイマラナーに限りませんが、犬は人間のように頻繁にシャンプーをすると必要な皮脂が奪われ、皮膚が乾燥しやすくなってしまいます。そのため月に1回シャンプーをするぐらいが望ましいです。
定期的にシャンプーをしないと被毛がべたついてきたり体臭が強くなってきたりするので、シャンプーをして清潔に保ってあげましょう。
抜け毛が少ないため、ラバーブラシで週に1~2回ブラッシングをするぐらいで大丈夫です。ロングコートの場合、耳の周辺や脇の下、内股などの動いたときによく擦れる部分は毛がもつやすいので、確認しながらブラッシングをしましょう。最後に獣毛ブラシでブラッシングをすると、被毛に艶が出てきれいに仕上がります。
ワイマラナーは体が大きい分シャンプーをする面積が広く、手間も時間もかかります。なるべくお手入れの負担を軽減させたい場合は、トリミングサロンを利用するのがよいでしょう。
ワイマラナーはトリミングが必要ない犬種なので、シャンプーコースがおすすめです。シャンプーコースは、シャンプーにプラスして爪切りや耳掃除、肛門腺絞り、足裏の毛のカットなどもセットで行ってくれるメニューです。
シャンプー以外のこれらのお手入れも家庭で行う必要があるものなので、シャンプーをお願いするついでに一通りやってもらった方が楽になります。
家庭でのシャンプーの頻度と同様、トリミングサロンにシャンプーをお願いする場合も月1回程度で十分です。
シャンプーコースをお願いした場合の料金の目安は、5,000~8,000円ぐらいです。サービスの内容はほとんど同じでも料金に差があることも少なくないので、事前に確認しておくとよいでしょう。
ここでは、ワイマラナーの被毛の汚れ対策についてご紹介します。
ワイマラナーは運動欲求が高く、多くの運動量を必要とする犬種なので、雨の日に散歩にいけないとストレスになるコもいたりします。とはいえ、雨の日に散歩をすると、愛犬の体が濡れて被毛が汚れるのが悩みどころ。泥はねを防ぐには、レインコートを着せて散歩をさせることをおすすめします。
足まですっぽり覆われるオーバーオールタイプのレインコートであれば、泥はねをしっかり防げるので被毛が汚れずに済みます。
軽い汚れであれば、濡れたタオルで被毛を拭くだけでもきれいになります。散歩から帰ってきたら全身を拭いてあげ、清潔に保つように心がけましょう。
ワイマラナーの被毛はシングルコートで、ダブルコートと違って換毛期がないため、抜け毛が少なく被毛のお手入れは楽な方と言えるでしょう。とはいえ、定期的なシャンプーやブラッシングは必須です。軽い汚れであれば、ブラッシングや濡れたタオルで拭くことで被毛についた汚れは落とせますが、溜まった皮脂汚れは取りきれないので、シャンプーもして被毛や皮膚を清潔に保ってあげてください。
新井 絵美子/動物ライター
2017年よりフリーランスライターとして、犬や動物関連の記事を中心に執筆活動をおこなう。
過去に、マルチーズと一緒に暮らしていた経験をもとに、犬との生活の魅力や育て方のコツなどを、わかりやすくお伝えします。