まずは、ボルゾイの被毛の性質についてご紹介します。
ボルゾイの被毛は、ウェーブがかったロングコートです。柔らかな毛質で、胸や後肢、尻尾に飾り毛が生えており、優雅な印象を受けます。
なお、子犬の頃は短毛で、成長に伴いロングコートになり飾り毛も生えてきます。
ボルゾイの被毛の構造は、外部の刺激から皮膚を守る剛毛のオーバーコートと、保湿や保温の役割をする柔らかい毛質のアンダーコートが生えたダブルコートです。オーバーコートのみが生えているシングルコートの犬種もいますが、寒冷地であるロシア原産のボルゾイは、アンダーコートも生えていないと寒さから身を守れないので、ダブルコートになっているのです。
ダブルコートの犬種は、春と秋にアンダーコートが生え変わります。アンダーコートの量を増減させることで、季節に応じて体温調節をしているからです。よってこの換毛期には、大量の毛が抜け落ちます。
ボルゾイの毛色は、ホワイトやブラックなどの単色のほか、ホワイトにレッドやレモン、セーブルなどが組み合わさった2色、ブラック&ホワイト&タンのトライカラーなどがあり、とても種類が豊富です。なお、ブルーとブラウン(チョコレート)については、犬種標準では好ましくない毛色とされています。
シャンプーやブラッシングなど、家庭で行うボルゾイの被毛のお手入れについてご紹介します。
被毛の汚れや溜まった皮脂を洗い落とすために、月に1回シャンプーをする必要があります。シャンプーをする前には、ブラッシングをして抜け毛を取り除き、毛の絡みをほぐしておきましょう。ブラッシングをせずにシャンプーをしてしまうと、毛が絡まっている箇所が濡れた際に固まってしまうほか、抜け毛が排水溝に詰まってしまいます。
そしてシャンプー剤ですが、ボルゾイは皮膚が弱い方なので、なるべく低刺激のものを使って洗うことをおすすめします。
シャンプをしたら、ドライヤーでしっかりと乾かすようにしましょう。生乾きや自然乾燥の状態では、菌が繁殖しやすくなり皮膚疾患の原因にもなり得るので、完全に乾かしてあげてください。
ボルゾイの被毛は細くて絡まりやすいので、週2?3回ブラッシングをして、きれいに整えてあげましょう。大量の抜け毛が発生する換毛期においては、毎日ブラッシングをして抜け毛を取り除いてあげる必要があります。
使用するブラシは、ピンブラシやスリッカーブラシが向いています。優しく丁寧にブラッシングをしたら、最後にコームでとかして、毛がもつれている箇所がないか確認してあげてください。
ボルゾイは体高が80cm近くあり、大型犬の中でも特に大きいので、自宅の浴室でシャンプーをするのは大変ということもあるでしょう。そんな場合は、トリミングサロンでやってもらうことをおすすめします。
シャンプーメニューにプラスして、肛門周りなどの汚れやすい部分だけカットしてもらうことをおすすめします。ボルゾイの被毛は伸び続ける性質ではないため、全身のトリミングは不要です。部分カットはオプションメニューとして用意されていることが多いので、シャンプーをお願いするときに、併せてカットしてもらうとよいでしょう。
シャンプーの回数が多すぎると、皮膚を守るために必要な皮脂が取り除かれてしまい、皮膚が乾燥しやすくトラブルの原因になります。そのため、トリミングサロンにお願いする頻度は、月1回のペースが望ましいです。
ボルゾイのシャンプーメニューの料金の目安は8,000~9,000円、部分カットは1,000円~であることが多いです。
ボルゾイの抜け毛や毛玉対策について見ていきましょう。
換毛期の抜け毛のお手入れを軽減させたい場合は、抜け切れていないアンダーコートだけを取り除くレイキングを、トリミングサロンで行ってもらうとよいでしょう。専用の器具でアンダーコートを処理してもらうと抜け落ちる毛の量が少なくなるので、ブラッシングや部屋の掃除の手間が軽減できます。
また、カーペットを敷く場合は、掃除のしやすさを考慮して毛足の短いタイプのものを選ぶことをおすすめします。
毛玉は、こまめにブラッシングをすることで防げます。特に耳の周辺や脇の下、内腿などの擦れやすい場所は毛玉ができやすいので、しっかりとブラッシングをしてあげてください。
毛玉ができてしまったら、スリッカーブラシで優しくとかしてほぐしていきます。強く引っ張ってしまうと痛みを与えてしまうので気をつけてください。
ボルゾイはダブルコートの犬種なため、抜け毛が多くこまめにブラッシングをして、抜け毛を取り除いてあげる必要があります。また、毛が細くてもつれやすいことから、毛玉にも注意が必要です。シルクのように滑らかで、飾り毛が生えたゴージャスな印象の被毛は、ボルゾイの大きな魅力です。お手入れをして美しく保ってあげてくださいね。