
アラスカンマラミュートの毛色や被毛のタイプについてご紹介します。
アラスカンマラミュートの豊富な被毛は、ダブルコートという二重構造になっています。オーバーコート(上毛)の下には保温性に優れたアンダーコート(下毛)が密に生え揃っています。毛量が多く、抜け毛が多い被毛のタイプと言えるでしょう。
ライトグレーからブラックなどの灰色を中心とした色合いと、セーブル、レッドなど茶色系統の色合いのものに分けられ、単色はホワイトのみ許容されています。下毛における混色は可とされています。また、下腹部や足の一部、顔にホワイトのブレーズやマーキング、スポットが入ることがあります。
アラスカンマラミュートの被毛は、飼い主さんにもお手入れできます。家庭でのお手入れ方法についてご紹介します。
家庭でのお手入れに欠かせないブラッシングは、毎日できると良いでしょう。毛量が多く抜け毛が多いアラスカンマラミュートには、くの字型に曲がったピンがたくさん付いた「スリッカーブラシ」を使用したブラッシングがおすすめです。柄の部分を鉛筆の持ち方で握り、手首のスナップを利かせてブラッシングしましょう。
シャンプーの頻度は、月に1~2回が目安です。水をよくはじくので、根元までしっかり濡らした後、スポンジでシャンプー剤をよく泡立ててから洗います。すすぎ残しがあると皮膚炎の原因になるので、十分にすすぎましょう。シャンプーには汚れや臭いを取り除くだけでなく、皮膚の健康を保つ効果も期待できます。
やや長めの短毛種であるアラスカンマラミュートには、基本的にトリミングサロン でのカットを必要としません。トリミングサロンでは、確かな技術を持ったトリマーさんによるシャンプーや爪切り、肛門腺絞りなどのお手入れを受けることができ、施設によってはマイクロバブルシャンプーで毛穴の汚れまでスッキリ落としてもらえます。
本来トリミング犬種でないアラスカンマラミュートの毛をバリカンで刈ってしまうと、毛周期の異常が起こり毛が生えてこなくなったり、伸びるスピードが遅くなったり、毛質が変わってしまうことがあります。
アラスカンマラミュートには換毛期があり、冬から春、夏から秋と気温や日照時間が大きく変わる時期に大量の抜け毛が発生します。
抜け毛を除去するにはブラッシングが一番です。分厚い被毛に覆われたアラスカンマラミュートは、ブラシで体表を軽く撫でるくらいではなかなかアンダーコートまでブラッシングできません。ブラシを持たない方の手で毛をかき分けながら、毛の根元からよくブラッシングしましょう。力を入れすぎると皮膚を傷つけてしまうので注意しましょう。
短毛種のアラスカンマラミュートではありますが、ブラッシングを怠ると抜け落ちた毛が他の毛に絡まり、毛玉になることがあります。毛玉ができてしまったら無理に引っ張らず、ハサミで縦に数回切り込みを入れてからスリッカーブラシで少しずつほぐし、最後にコームを通しましょう。
抜け毛が多いアラスカンマラミュート。日々のお手入れを怠ると被毛が抜け落ちて散乱するだけでなく、毛玉ができたり、皮膚病を引き起こしてしまう可能性もあります。毎日のブラッシングで抜け毛を取り除き、愛犬の健康を守りましょう。
江野友紀/認定動物看護士
地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。
ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。
普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。
ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。