
秋田犬は、天然記念物に指定されている日本犬6犬種の中で唯一の大型犬に分類されます。骨格など体の作り自体が大きいことに加え、長毛タイプは豊富な被毛によりさらに大きく見えることもあります。
秋田犬の大きさがいまいち想像出来ない方も多いと思うので、よく知られている犬種で例えてみたいと思います。体重・体高が同じくらいの範囲の犬種は、バーニーズマウンテンドッグや土佐犬です。同じ日本犬であっても柴犬と比べると約4倍近い大きさにもなり、並ぶと大きさの違いに驚くでしょう。ちなみに、写真の右が秋田犬・左が柴犬です。
秋田犬を含む日本犬は「オスはオスらしい、メスはメスらしい」体格が最も理想的とされています。メスらしいと言っても、姿勢良く胸を張った立ち姿はオスに負けないほど凛々しくかっこいいのが秋田犬です。それでは、秋田犬の体格を3つのポイントに分けてご紹介します。
秋田犬は35kg~50kgが標準体重と言われています。子犬から飼育をする場合は母犬を知っている場所から購入することで、成犬になった時の体重がどれくらいになるかを判断する基準になります。 秋田犬は大型犬とされていますが、中には60kgを超える超大型犬クラスの秋田犬も存在します。
血統登録団体のジャパンケネルクラブが定める基準はメス61cm、オス67cmとなっており、秋田犬保存会や日本犬保存会が定める基準も同様です。体高と体長のバランスは100:110が良いとされていて、体高に比べて体長が少し長いのが特徴です。
秋田犬は頑丈な骨格と十分な筋肉を持っており、車で例えるならば衝撃性やスタミナに優れた四輪駆動車のような体をしています。熊猟犬として熊に向かって行けるほど頑丈な体は、運動やしつけが不十分だと事故を起こす可能性が高くなるので注意しましょう。
秋田犬は成犬になると50kg前後にもなる大型犬ですが、子犬の頃から大きいのでしょうか。気になるポイントですよね。 生まれる時の目安体重や成長スピードを確認していきましょう。
秋田犬の子犬は、通常の大型犬と同様、体重400〜500g程度で生まれてきます。成犬まで成長した際にどれくらいの大きさになるのかは、親犬の大きさを知ることで大体想像することもできます。
秋田犬の子犬は、1年ほどかけて成犬の身体に成長します。生まれたときの体重が400~500g、成犬が35~50kgですので、生まれたときの7~12倍もの大きさになる犬種です。成犬(1歳)になるまでに体の大きさがどんどん大きくなっていくので、首輪のサイズは小まめに変える必要がありそうですね。
体の大きな秋田犬の体調管理は、小型犬や中型犬とは少し違ってきます。秋田犬を飼う場合は飼育環境が体調に影響を与えることがあるので、スペースや温度には気を使う必要があります。大きな体だからこそ注意しなければいけないことを理解し、心身ともに健康でいられる飼育をしましょう。
秋田犬は体の大きな犬種だということはお話ししてきましたが、その大きさゆえに飼育環境によってはストレスを溜めやすくなってしまいます。よくあるのは、室内飼育でケージに入れられている場合です。秋田犬が過ごすスペースが狭いと自由に動ける範囲が制限されてしまうため、ストレスから体調を崩したり問題行動を起こしやすくなります。
もちろん時と場合によってはケージやクレートに入れる必要はありますが、家にいる間ずっと入れっぱなしという状況は避けましょう。
また、秋田犬は暑さに弱いので梅雨時期からの空調管理は必須となります。人間と同様に湿気や暑さでもストレスは溜まるので注意が必要です。
成犬になると体重が35~50kgほどにもなる秋田犬は、体重が重くなればなるほど脚への負担が大きくなります。若い頃はたくましい骨格と体力があるために問題が起きることは少ないですが、シニア期に入るとどうしても負担は大きくなってしまいます。
飼い主さんが出来ることは、ご飯の量と運動による体重管理です。適正体重は個体の体格にもよるので、ウエストや肋などの体型を見ながら調節すると良いでしょう。
また、毎日の散歩や適度な運動を欠かさずに行うことで、筋力を維持することが出来ます。食事管理で体重による負担を無くしながら、適度な筋力を維持できるよう心がけましょう。
秋田犬はとても体が大きいので、飼育するにはそれなりのスペースや体重に合わせた体調管理が必要になってきます。また、お散歩も子どもや高齢者が行けるような犬種ではない為、誰が毎日お散歩に行くのか、いざと言う時に病院に連れていけるのは誰か、などで飼育出来るか出来ないかが決まってきます。飼育を検討している方は秋田犬の大きさや力強さを十分理解し、問題ないと判断したうえで秋田犬を迎えるようにしましょう。
大森 きこ/ドッグライター
家族で出来る範囲での保護活動をしています。今まで小型犬から大型犬まで様々なコたちと出会い、新しい家族を見つけるお手伝いをしてきました。どんなコでも迎えてあげられるようにと、現在はペット看護師の資格を取るための勉強中です。