
個体差や暮らしている環境などによっても違いますが、ブルドッグの寿命は概ね8~10歳程度だと言われています。大型犬よりも中・小型犬の寿命が長い傾向にあるため、ブルドッグより小さいフレンチ・ブルドッグは10~14歳程度だとされていますね。
ブルドッグ特有の病気や疾患などもありますから、飼い主さんは日頃から愛犬の様子に目を配ってあげることが大切です。
ブルドッグの成犬の適正体重は、オスが約25キロ、メスが約23キロとなっています。筋肉質でがっしりとした体格ですが、太りやすい犬種ですので体重管理には十分気を付けたいところです。
ブルドッグが肥満かどうか確認する方法は、立たせた状態で腰のくびれを確認することと、手で触ってみて肋骨がちゃんと確認できるかどうかです。
もし肥満気味だった場合はダイエットさせる必要がありますね。ブルドッグは元々、スムーズに呼吸することが構造上困難な犬種のため、肥満は大敵なのです。
普段から与えているフードは量を適正に守り、おやつの与えすぎにも注意しましょう。脂質が少なく低カロリーなフードにしたり、野菜で嵩増しする代わりにビタミンやミネラルを摂取させるなどの工夫が必要です。
ちょっと肥満かな?と感じたら、散歩の時間や回数を増やすのも良いかも知れません。だからといって思い切り走り回らせるなどの激しい運動はNGです。ブルドッグは瞬発的な運動ではなく、持続性のある運動の方が向いているため、適度な散歩が最も効果的となります。
ちょっと鼻がつぶれた感じで愛嬌のある風貌ですが、それゆえに特定の疾患を抱えてしまうこともあります。 それでは、ブルドッグがかかりやすい代表的な病気・怪我を見ていきましょう。
ブルドッグは非常にマズルが短い短頭種と呼ばれるタイプの犬種です。顔や首の構造上、呼吸がうまく行えないことがあり、気管が潰れてしまう気管虚脱や、鼻の穴が狭くなる鼻腔狭窄、口の中で上顎の肉が垂れてくる軟口蓋過長などにより、激しいパンティングや呼吸困難を伴います。特有のゼイゼイといった呼吸音が特徴です。
初期段階の場合は経過観察することが多いのですが、症状が重篤となると根本的な治療法としては外科手術以外にないのが現状です。
膀胱炎や尿路閉塞などを併発することが多いため、注意が必要な病気です。頻尿や血尿、排尿障害を引き起こしますが、ブルドッグの場合は遺伝性疾患で若齢で発症することが多いと言われています。 治療法は、軽症の場合は投薬や食餌療法を取ることが多いのですが、重篤になると外科手術をして結石を摘出することもあります。
眼がしらにある瞬膜が飛び出している状態で、視覚が遮られるために行動に障害が伴います。
まずは炎症を抑えるために点眼薬を投与することが大事ですが、根本的な治療法としては、飛び出した瞬膜を戻したうえで縫合する方法が一般的です。
瞬膜を切除してしまう手術法もありますが、涙が足りずにドライアイになることが多いため、あまり一般的ではありません。
走り回ることがそれほど得意ではないブルドッグですが、1日に必要な運動量はどのくらいなのでしょうか?
散歩の回数は1日2回程度で、それぞれ30分ほどが程良いでしょう。のんびり歩くくらいのつもりで散歩させてあげて下さい。また尿石症予防のために、しっかりと水分を摂らせることも重要です。
ストレス発散のために、たまにはドッグランへ行くこともおすすめします。過度な運動をさせるという意味ではなく、自分の足でしっかりと歩かせることが大切。他のワンちゃんたちとも仲良くなれたら素敵ですよね。
人間は健康的な日常と食生活を送ることで長生きできるとされていますが、それは犬も同じです。と言ってもワンちゃんは自らで節制した生活を送ることはできませんから、一緒に暮らしている飼い主さんがそうさせてあげて下さい。それこそが寿命が大きく伸ばす秘訣なのではないでしょうか。
明石則実/動物ライター
フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。
愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。