
はじめに、バセットハウンドの性格の傾向・特徴からご紹介します。
純血犬種の犬籍管理や登録などを行っている愛犬家団体「ジャパンケネルクラブ」には、約200種類の犬種が登録されています。登録されているそれぞれの犬種は特徴や生態によって、10タイプある各犬種グループに分類されています。その中でバセットハウンドは「嗅覚ハウンド」のグループに属しています。
嗅覚ハウンドは、優れた嗅覚を活かして獲物を追跡し、大きな声で吠えて猟師に獲物を知らせる狩猟犬のグループです。バセットハウンドは、優れた嗅覚を使って野ウサギやアナグマ猟をする狩猟犬として作出された犬種なので、嗅覚ハウンドグループに分類されているのです。
狩猟犬であったにもかかわらず、バセットハウンドはのんびりとした穏やかな性格で、争いごとを好まない平和主義です。とてもフレンドリーなので、人とも犬とも仲良くなるのは得意な方と言えるでしょう。
バセットハウンドは激しい運動が苦手です。バセットハウンドのように胴長の体型をした犬は、ジャンプや全力疾走などの運動が原因で椎間板ヘルニアになりやすので、激しい運動はさせないようにしましょう。
バセットハウンドは物覚えがよくて賢いですが、マイペースでやや頑固なところがあります。そのため、しつけをしているときに応じなくなるようなことがよくあるので、根気よく取り組むことが肝心です。
バセットハウンドは、おっとりとした表情からは想像できないほど吠える声が大きいことから、無駄吠えのしつけもしておきましょう。犬の鳴き声はご近所さんとのトラブルになりやすいので、特に集合住宅で育てる場合は注意が必要です。
嗅覚が優れているバセットハウンドには、探索欲求を満たす遊びが適しています。そのため、宝探しゲームや知的玩具を使った遊びがおすすめです。
宝探しゲームは、最初はクッションの下などの比較的簡単に見つけられる場所に宝(おやつなど)を隠します。そして遊び方のコツを覚えてきたら、徐々に隠す場所の難易度を上げていくと、飽きずに遊ぶことができます。
ドッグスポーツには、さまざまな競技がありますが、バセットハウンドにおすすめなのは、「ノーズワーク」と呼ばれるスポーツです。ノーズワークは、嗅覚をフル回転して行うドッグスポーツで、2006年にアメリカで考案され、現在はアメリカのみならず北欧諸国でも人気があります。
やり方はとてもシンプルで、一定の場所に犬が探すべき特定のニオイを隠し、それを探し当てるというものです。競技のレベルは3段階あり、難易度が上がるほど探すニオイの数が多くなるほか、探すエリアも広くなります。
激しい運動を必要としないノーズワークは、まさにバセットハウンドと一緒に楽しめるドッグスポーツです。
胴長短足の体型をしたバセットハウンドは、椎間板ヘルニアのほかに関節系疾患も引き起こしやすいので、なるべく足腰に負担をかけないようにすることが大切です。そのため、階段などの段差があるところは習慣的に歩かないように、柵を設置することをおすすめします。
また、滑りやすい床材も関節に負担がかかるので、滑り止めマットやカーペットを敷くなどするようにしましょう。
バセットハウンドは愛情深く友好的なので、小さなお子さんがいる家庭にもおすすめの犬種です。また、とても温和で優しい性格も魅力の1つです。ただし、頑固な一面もあるので、しつけは根気よく取り組んでいくようにしましょう。
新井 絵美子/動物ライター
2017年よりフリーランスライターとして、犬や動物関連の記事を中心に執筆活動をおこなう。
過去に、マルチーズと一緒に暮らしていた経験をもとに、犬との生活の魅力や育て方のコツなどを、わかりやすくお伝えします。