
シーズーの平均寿命は15才くらいですが、中には20才を超える子もいます。長生きしてもらうためのポイントは食餌や運動、病気の予防です。
栄養の偏りを防ぐためにも、食餌管理は大切です。パッケージに「総合栄養食」と記載されたドッグフードを選びましょう。年齢に合ったドッグフードを与えることも大切です。人が食べているものを欲しがっても、与えないようにしましょう。
室内犬で比較的運動量の少ないシーズーではありますが、毎日のお散歩も欠かせません。
健康を維持するためにも、飼い主さんは病気の予防に努めましょう。獣医さんの指示通りに予防接種を受け、フィラリアやノミ、ダニを予防することが大切です。
健康診断では、目に見えない病気が見つかることもあります。発見が遅れると命に関わる病気もあるので、健康そうに見えても定期的に病院で診てもらいましょう。
人と同じように、犬も長生きする子が増えており、その分病気を患うリスクも高くなっています。シーズーがかかりやすい病気を3つご紹介します。
高齢化に伴い、心臓病を患う犬が増えています。心臓病にも様々な種類がありますが、特に多く見られる「僧帽弁閉鎖不全症」はマルチーズやシーズー、キャバリアなどの小型犬に多く見られます。僧帽弁は心臓の左心房と左心室の間にある弁で、高齢や遺伝的な問題により僧帽弁が変性すると血液が逆流し、血液の循環不全が起こるため様々な症状が引き起こされます。
鼻が短く目が大きなシーズーは目に刺激を受けやすいため、角膜炎になりやすいと言われています。角膜炎になると多量の涙や目やにが出たり、痛みから目をしばしばさせることがあります。重度の場合は角膜が白く濁り、正常な結膜には無い血管が生じます。
シーズーはもともと乾燥地帯にルーツがあり、乾燥から皮膚を守るために皮脂が多く分泌されます。そのため、日本の高温多湿な気候ではかえって皮膚がべたついてしまい、真菌性皮膚炎や膿皮症などの様々な皮膚病を引き起こします。
AKC(ジャパンケネルクラブ)によると、シーズーの理想体重は4.5~7.5㎏と定められており、その子の骨格などにより適正体重が異なります。豊かな被毛をもつシーズーは見た目で肥満かどうか判断しくく、飼い主さんが気付かないうちに肥満体型になっていることも多いようです。体型をチェックするには、見た目だけでなく身体に触れてみることが大切です。
触ったときに過剰な脂肪がついておらず、肋骨が触れます。上から見て腰にくびれがあり、横から見て腹部の吊り上がりがあります。
痩せている場合や太っているときには、次のようなことから判断します。
痩せているときは、肋骨に容易に触れます。腰のくびれは明確に分かり、腹部の吊り上がりも顕著です。痩せすぎていると見た目で肋骨や腰椎、骨盤が分かるようになります。
肥満のときは、脂肪が多く沈着するため肋骨が触りにくくなります。上から見てくびれは分かりにくくなり、腹部の吊り上がりも見られなくなり、むしろ垂れ下がることもあります。
温和で人によく懐くシーズー。長生きしてもらうには、毎日の食餌管理や運動管理、病気を予防することが大切です。シーズーの体調や様子に変化が見られないかよく観察し、気になることがあれば早めに動物病院に相談しましょう。家族の一員として最後まで幸せな生活を送ることができるよう、愛犬の健康管理に努めてくださいね。
江野友紀/認定動物看護士
地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。
ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。
普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。
ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。