オールドイングリッシュシープドッグの性格や性質を知るために、まずは活躍の歴史や得意なこと・苦手なことについて紹介していきます。
オールドイングリッシュシープドッグは、イギリス原産の犬種です。名前に「シープドッグ」とある通り、牧羊・牧畜犬として活躍していました。家畜を追う仕事を担い、家畜を目的地まで導くためにとても重要な役割を果たしていました。
別名「ボブ・テール」と言われているわけには、1800年代のイギリスにおいて、尻尾のある犬は課税対象にされていたために、節税を目的として断尾の習慣が根付いたことによります。
温厚で人懐っこい性格で面倒見がいいため、小さな子供とも仲良くすることができ、献身的な遊び相手になってくれます。そのためアメリカでは、「ナニードッグ」(ナニーは母親に変わって子育てをする女性のこと)と呼ばれており、まるで母親のように子守りをしてくれる頼もしいパートナーになってくれると言われています。
モサモサの外見からも想像がつきますが、寒さには強く夏の暑さは苦手です。 雨風に強くイギリスの厳しい気候に耐えられる被毛はとても厚いため、夏には熱中症に注意してあげる必要があります。夏場だけでなく、一年中空調管理によって快適な室温・湿度が保てる室内飼いが好ましいと言えます。
オールドイングリッシュシープドッグは、大型犬で力が強いため、事故が起こらないよう迎えたその日からしつけをスタートさせましょう。
オールドイングリッシュシープドッグは、基本的に飼い主に従順で賢い犬種ですが、プライドが高く頑固な一面があるため、しつけに苦戦することもあります。大型犬を飼育した経験のある、少し上級者向けの犬種と言えます。また、家畜を追いかけてコントロールし、家畜を外敵から守っていたため、牧羊犬としてのちょっとした攻撃的な面も秘めています。
基本的に他の人や犬にもフレンドリーな犬種ではありますが、豊富な被毛により視界が狭く、表情を確認することが難しいため、他の犬種よりも感情を読み取りにくいと言う点があります。急に攻撃的な面を見せることがないようできるだけ早く他の犬や人と触れ合う機会を多く作り、社会性を身に付けられるようにしてあげることが大切です。難しい場合は、しつけ教室などが開催するパピーパーティなどもありますから、ぜひ活用しましょう。
オールドイングリッシュシープドッグは、家畜を誘導する使役犬として活躍していた過去からスタミナが豊富で、体を動かすことが大好きです。ドッグランや広い公園などで思いっきり走り回ったり、ボール遊びやフリスビーなど走れる遊びを取り入れてあげるといいでしょう。
オールドイングリッシュシープドッグに向いているドッグスポーツは、ディスクドッグやアジリティです。特に、飼い主の指示通りに障害物をクリアしてタイムを競うアジリティは、使役犬としての仕事と似ている部分があるため、作業欲求を満たしてあげることもできて、大変おすすめの競技と言えます。
オールドイングリッシュシープドッグは、見た目からもわかるように豊富な被毛を持つダブルコートの犬種です。そのため、暑さに弱く皮膚が蒸れて皮膚病になりやすいので、一年中冷房での温度管理ができる環境が必要です。
冬場の暖房も人にとっては快適な室温でも、犬にとっては暑く皮膚が蒸れてしまうこともあります。冬場は暖房があまり効いていない涼しい場所を作ってあげるなどの工夫が必要です。
また、体も大きく豊富な被毛によって視界が狭まっており、物にぶつかってしまうこともあるため、できるだけ物を置かない広い飼育環境を整えてあげることも大切です。
頑固な一面があるオールドイングリッシュシープドッグですが、子犬のうちから社会性を身に付けしっかりと訓練することで、穏やかで家族愛溢れるパートナーになってくれます。小さな子供のいる家庭でも、しつけをすれば子守りもしてくれる頼もしい存在になりますが、しつけを誤ってしまうと力が強いために事故が起こる可能性もあります。運動の時間やしつけの時間、愛犬と向き合う時間をしっかりと取れる方であれば、愛らしく頼もしいオールドイングリッシュシープドッグとの充実した日々を送れることでしょう。
関 ゆりな/ドッグライター
ビションフリーゼのココメロ(1歳)とのんびり暮らすフリーランスライター。ココメロの健康のため栄養満点の手作り食を作るべく、栄養学について勉強中。
長年犬を飼ってきた経験を元に、愛犬との生活がより充実できるような、愛犬家の皆様のためになる情報発信を目指します。