magazine

グッズ

2020.12.09

犬のケージは本当に必要?メリット・デメリットから上手な活用方法まで

野生のころ、穴のなかに巣を作る習性を持っていた犬。室内でペットとして人間と暮らしを共にするようになった現在でも、本来の習性は脈づいています。犬用ケージは、犬にとっての巣穴に代わるモノとして、私たち飼い主が利用する代表的なアイテムです。犬にとっては心を落ち着けたり、安心したりする上で大切な存在の「犬用ケージ」ですが、本当にどんな犬にも必要なのでしょうか?今回は、犬用ケージの必要性を、メリット・デメリットと共に解説していきます。また、上手なケージの活用方法・慣らし方などをご紹介します。

#ケージ

Author :西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

犬用ケージの必要性・5つのメリットとは?

犬 ケージ

犬は狭い空間に入ると落ち着く習性があります。また自分のテリトリーが明確になることで心を落ち着けて休むことができるようになります。人間と同じ空間で生活を送り、どんなに慣れ親しんだ家族が大好きなコであっても、犬は自分専用の空間が必要な動物です。そのため、犬を家族に迎えるとき、ブリーダーさんや譲渡先から「ケージやサークルを準備しておいてください」と必ず言われると思います。動物病院やペットホテルなどの慣れない空間でケージ(orクレート)が使われるのもそのためです。

ケージは上手に活用することによって、犬のテリトリーや寝床の確保に始まり、しつけやトイレトレーニング、安全管理や災害対策など、多くの点でメリットが生まれてくるスーパーアイテムと言えます。具体的にどんなときにケージを使うメリットがあるのでしょうか?見ていきましょう。

1.家の中でのいたずらや事故を防ぐ

犬は口の中に入れてモノを確認する習性があります。特に仔犬期はなんでも口に入れてみたい年頃。犬用ケージは家の中での誤飲や誤食、いたずらや事故を防ぐことができ、留守番の時も安心です。また、地震などで上からモノが落ちてきても天井があるので安心でき、脱走も防げます。

2.家の中での序列を明確にできる

犬をケージに入れる時と出して遊ぶ時を分けることによって、主従関係をはっきりさせることができます。家の中での序列が明確になることによって、犬は安心感を得ることができます。また、飼い主はケージを活用することで、しつけにメリハリをつけることができます。

3.災害時や移動時などに役立つ

災害時の避難所や移動のための機内などで、犬用のケージは必須アイテム。いざ、ケージに入れようとしても日常から入ったことがないと犬にとっては大きなストレスとなります。日頃から積極的に犬用ケージを利用し、犬を慣れさせておくことが必要です。

4.落ち着いた性格の犬に育てられるかも

ケージという安心できる居場所を作ってあげることで、犬は必要以上に周囲を警戒したり、威嚇することが少なくなります。テリトリー意識の強い犬であれば、常に気を張ってしまう可能性がありますが、ケージがあれば、落ち着いた性格のコになっていくと言われています。

5.留守番中のストレスを軽減できるかも

ケージが犬にとって安心できる場所になれば、飼い主さんが留守の間もストレスが少ない状態で過ごすことができます。飼い主さんと離れていてもケージの中にいることで安心して過ごせるため、分離不安症の心配も少なくなります。とは言え、長時間の留守番は禁物ですので、注意するようにしましょう。

犬用ケージのデメリット・注意点とは?

犬 ケージ

ケージは、犬が安心して暮らしていく上で必要不可欠なものと言えますが、デメリットや使用するときの注意点があります。

1.ケージ自体をストレスに感じる場合がある

たとえ慣れていても、ケージで長時間お留守番させるなど、犬を閉じ込めた状態にすることは、犬にとって大きなストレスになる可能性があります。また犬種によっては、ケージでの生活が苦手な場合もあります。レトリーバー種やテリア種、牧羊犬種、闘犬種など運動量が多い犬種は、ケージの中で過ごす時間を少なめにすることが求められます。

2.犬用ケージの材質に注意

歯の生え変わり時期やストレスが溜まった時など、ケージをカジカジすることがあります。そのため木やプラスチックなど、かじって破損するような材質には注意が必要です。自作のケージを作るときも材質には十分注意しましょう。

犬用ケージとサークル・クレートとの違いは?

犬 ケージ

ケージ(Cage)とは檻やカゴのことですが、同じような意味で使われている言葉にサークルやクレート、ハウスなどがあります。昔は屋外で飼育していることも多く“犬小屋”と呼ぶことも多かったですよね。愛犬のために落ち着けるスペースを作ってあげるという意味では、どのアイテムも目的は同じですが、違いがよく分からず、購入時に悩まれる方も多くいらっしゃいます。ここでは、これらの違いについて整理しておきましょう。

犬用ケージの特徴

「犬用ケージ」と言えば、屋根があるタイプで、箱のように天井から床・側面まで覆われている格子状のアイテムのことを表現します。一般的にステンレスなどの素材で格子状に作られており、四角いタイプのものが主流です。

メリット

犬用ケージは、全面が覆われているため、犬がジャンプして脱走する心配もありませんし、上から物が落ちてきてもケージが屋根になってくれるので安心です。また最近では、床面がトレーになっているタイプもあるため、トイレシート等を取り出して掃除をすることもできます。

  • 天井がついており、脱走の心配がない
  • 災害時の避難所生活でケージになれていれば安心
  • 小型犬なら旅行に連れて行くことも可

デメリット

犬用ケージは天井を覆う作りになっており、商品自体の強度が必要とされます。そのため、大抵のアイテムは犬が寝転がるほどのスペースしかなく、ケージの中で遊んだり、食器などを長時間置いておくのには不向きと言えます。

  • 長時間の利用はストレスになることがある
  • 掃除に手間がかかる
  • 愛犬の写真が撮りにくい

犬用サークルの特徴

サークルタイプはケージとは違い、天井部分がないため、開放感があることが特徴です。格子状のパーツを繋げて自由自在に形を作ることができるタイプや、決まった形状同士をジョイントできるタイプもあります。決まった大きさのトイレを設置するスペースがあるサークルもあり、比較的長いお留守番であっても耐えられます。中には大きすぎて落ち着くことができない犬もいるため、犬の性格に合わせてサイズを選ぶ必要があります。

メリット

犬用サークルは、側面のみが柵で囲われており、追加のパーツを購入することで、犬の成長・飼育状況に合わせて大きさ等を調整していけることが魅力です。天井がないため、エサの出し入れや掃除がしやすいというメリットもあります。

  • 犬の成長段階に応じて大きさを変更できる
  • 掃除がしやすい
  • エサの出し入れがしやすい
  • 愛犬と触れ合いやすい

デメリット

パーツを組み合わせていくタイプのサークルは、自由自在に形を変えられる点ではメリットは大きいですが、一方で強度の面ではやや心配が残ります。大型犬等の力の強い犬の場合には、予め形が決まった床面のあるサークルがいいかもしれません。また、天井がないため、留守番中の脱走や怪我の不安は残ります。

  • 強度に欠ける
  • 留守中の脱走や怪我の恐れがある
  • 落下物は防げない

犬用クレートの特徴

ケージ・サークルが室内で定常的に置いて使うものであるのに対して「犬用クレート」は持ち運びができるという利点があります。サイズは犬の身体がすっぽりと収まる程度の小さいタイプが大半で、クレートの中で犬がトイレや食事をするスペースはありません。人間が手で持てる持ち手のついたプラスチック製・布製タイプが主流で、電車やタクシーなどの交通機関で移動する際に活用いただけます。

メリット

犬用クレートは、何と言っても手軽に持ち運びができる点が魅力です。そういった点ではキャリーバッグやスリングと比較して購入を検討するのもいいかもしれません。ケージよりも狭い作りになっているクレートを寝床として好む犬も多くいるため、犬の性格に合わせて選ぶのも手です。

  • 移動時(車・電車・飛行機など)に使える
  • 災害時に備えて慣れさせることでストレス軽減に

デメリット

人間が手で持ち運べる程度の大きさのものになるため、クレートのフタを閉じた状態での長時間の使用は犬のストレスになることがあります。家の中で使用する場合には、犬がいつでも出入りできるようにしておくことが重要です。またクレートは犬がちょうどくるりと1周できるサイズが理想となりますが、そのサイズ選びがなかなか難しい点もデメリットと言えます。あまりにも大きいと移動中に犬が滑ってしまいますし、小さすぎると犬のストレスが膨らんでしまいます。

  • 長時間の利用はストレスになることがある
  • サイズ選びが難しい

“犬小屋”とは?

“犬小屋”は屋外で使われるタイプのケージによく用いられる言葉で、雨風をしのぐ目的があります。そのため格子状ではなく、入り口以外の部分が木や別の素材で覆われているものが多く販売されています。

“ハウス”とは?

“ハウス”は犬へのコマンドとしてよく使われる言葉で、ケージやサークルなどとは関係なく、文字通り自分の家/部屋(テリトリー)の総称として使われています。

犬用ケージの最適な設置場所とは?

犬 ケージ

実は、犬用ケージやサークルは、家の中のどこにでも設置してもいいという訳ではありません。犬たちが安心して休みやすい場所を探してあげる必要があります。

ケージは家族の顔が見れる位置に

家の中でケージを設置する際には、家族の顔が見れる位置に設置することを心掛けましょう。リビング・寝室・玄関などでは、家族が普段暮らすリビングが推奨されます。ただし、人の往来が激しい場所では落ち着くこともできないため、ドア付近は避け、リビングの隅の方にしてあげるといいと思います。

また、犬は暑さが苦手なので、夏場は風通しの良いところを選び、逆に冬は暖かい場所を選んであげましょう。ドアホン・テレビなどの音にも敏感ですので、できるだけその付近は避けるのがベターです。

犬用ケージの上手な慣らし方と注意点

犬 ケージ

犬は、自由に走り回ったり自然を感じられる散歩を思いっきり楽しみたい動物です。犬用ケージ・サークルはあくまで犬が安心して休める場所であって、犬がずっと長い時間を過ごす場所ではないことを覚えておきましょう。その上で、犬用ケージを使う上でのコツや注意点はどのようなものかを確認していきます。

ケージ=楽しい場所と教えてあげる

犬がケージを好きになるためには、ケージ・サークルの中が楽しい場所であることを教えてあげる必要があります。大好きなおやつがもらえる場所として認知させたり、大好きなおもちゃが置いてある場所にするのも手です。

子犬のうちはすんなりと慣れるコも多いものですが、成犬になると拒否反応を示すコもいます。その場合は、最初はドアを開けた状態にして、ゆっくりとおやつを食べさせてあげましょう。決して無理やり犬を押し込むようなことはせずに自然にオヤツを使って誘導するのがポイントです。ケージに抵抗がなくなってきたらドアを閉めて様子をみてみてください。1歩1歩、徐々に慣れさせていくことが大切なので、焦りは禁物です。だんだんとケージやサークルが愛犬にとって落ち着ける場所になるようにしてあげてください。

罰を与えるときに使用しないこと

ケージは犬にとって閉じ込められる檻ではなく、安心して休める場所である必要があります。そのため、何か悪さをしたときに怒ってケージに閉じこめるようなことだけは絶対にしないようにしましょう。罰をあたえるときに使用してしまうと、ケージ・サークルに入るのを怯えて嫌がるようになってしまいますので、注意が必要です。

犬用ケージのタイプと上手な選び方とは

犬 ケージ

犬用ケージの多くは天井・側面は中の様子が見える金属製の格子、床は掃除に便利なプラスチック製のトレーが主流で、組み立て式となっています。また、メッシュ仕様の床のタイプやソフトケージと呼ばれる布製のもの、中が部屋のように仕切られているタイプなど、バリエーションにも富んでいます。ドアや鍵についても引き戸式や前後開閉式などさまざまです。

選ぶ時のポイントは、掃除はやりやすいか、折りたたみや分解が可能か、耐久性は高いか、ドアと鍵は使いやすいかなどをチェックしましょう。

最大のポイントはサイズ選び

ケージ選びの最大のチェックポイントはサイズです。ケージの中に寝床とトイレを入れることが多いので、ケージ内が広いと寝床とトイレが近すぎることはなくなりますが、元々狭い場所を好む犬は落ち着かない可能性があります。逆に狭すぎるとトイレと寝床が近くなり、元来清潔好きの犬はくつろげません。そのため、選ぶときには、必ず犬に合ったサイズを吟味する必要があります。

目安として楽にケージ内で犬がUターンでき、ゆったり伏せができる大きさが適したサイズとされています。ベッドやマット、トイレトレイなどはケージと一緒に買い揃えることでサイズが合わないなどのトラブルがなくなります。

犬用ケージのおすすめ4選

犬 ケージ

ここでは用途に合わせて選ぶことができるおすすめのケージを4つご紹介します。

1.スイス発、ドライブに最適な頑丈ケージ

「4Pets/ドッグボックス Falcon」世界中のセレブが愛用すると言われているスイス発のブランド4Petsのスイス製ケージ。愛犬とのドライブを楽しむために作られており、材質は丈夫なアルミ合金。ドアには鍵が付けられるので、万が一の盗難対策もバッチリですね!サイズは小型犬向けの大きさです。

商品情報

2.旅行用にも便利!折り畳みできる犬用ケージ

「ottostyle.jp/折り畳み式 ドッグサークル」快適生活空間の探求を目指すブランドottostyle.jp。簡単に折りたたみができ、取っ手付きで持ち運びも楽にできるクレートタイプ。サイズは3展開から選べて中型犬用・大型犬の子犬期にも使用可能です。

商品情報

3.清潔さ重視!キャスター付きの便利ケージ

「アイリスオーヤマ/お掃除楽ちんサークル屋根セット」3つの掃除機能でいつでもケージ内を清潔にキープすることができます。トレーが引き出せて丸洗いが可能。扉はフルオープンできるので、中まで掃除することができます。また、底面にキャスターが付いているため、移動も楽チン。いろいろな機能が揃った便利な犬用ケージです。

商品情報

4.正面と側面にドアが付いている犬用ケージ

「アドメイト/2ドアパピーサークル」正面と側面にドアが付いている2ドア仕様で部屋のレイアウトに合わせて置くことができます。また、トイレトレーが付属しているのも嬉しいポイントです。子犬や超小型犬向けのローサイズです。

商品情報

信頼関係を深めるために犬用ケージを活用しよう

犬 ケージ

ケージは、犬と生活していく上で数々の有益な役割を持つアイテムです。犬用のケージを利用すれば、犬が安心できる“巣”が確保されるだけではなく、さらに愛犬との信頼関係を深めることにも期待できます。ぜひ、あなたのライフスタイルと愛犬に合ったケージを見つけて正しく使ってください。

  • 公開日:

    2020.02.11

  • 更新日:

    2020.12.09

この記事をシェアする
ライター・専門家プロフィール
  • 西村 百合子
  • ホリスティックケアカウンセラー、愛玩動物救命士
  • ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。 現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。