小学生のころ、私は犬が欲しくてたまりませんでした。犬を飼ってくれたら必ず自分で世話をすると両親を説得し続け、ようやく父が「ジャーマンシェパードならいい」と同意してくれたのが、わたしとジャーマンシェパードとの出会いです。ジャーマンシェパードは父が小さい頃から憧れの犬種でした。
ジャーマンシェパードを迎えると決めた後、私たちは警察犬のトレーナーに相談をしました。そのトレーナーは出産予定などの情報を教えてくれ、数ヶ月後、私たちはジャーマンシェパードを家族に迎えることができたのです。
1代目のジャーマンシェパードであるビリーは、北海道のブリーダーから我が家にやってきました。家に来た頃は生後4ヶ月で、ハウスの奥に隠れて、数日間は出てこないシャイな子犬でした。しかし、時間とともに心が開け、自信で満ち溢れた成犬に成長しました。
私たちはビリーをハイキングやキャンプへ連れて行き、今ではたくさんの楽しい思い出があります。ビリーは警戒心が強く、家族以外の人は完全に無視しました。犬好きの人はビリーが自分に懐いてくれないことにショックを受けることもありました。ビリーはボールが大好きで、よく考える慎重派で、非常にクールな雰囲気を醸し出していました。
ほとんどの人はジャーマンシェパードを想像するとき、凛々しくて真剣な犬を想像すると思います。ビリーはまさにその犬でした。ジャーマンシェパードのよさをしっかりと持っており、私にジャーマンシェパードの魅力を教えてくれました。
ビリーは3歳になって数ヶ月後、体調を崩してしまいました。動物病院に言っても原因はなかなかわからず、状況は悪化する一方した。最終的には悪性リンパ腫と診断され、さらにビリーの体調は悪化しました。診断されてから3週間後、ビリーは息を引き取りました。
ビリーは想像以上に素晴らしい犬で、私たち家族の生活と考え方に大きなインパクトを与えました。ビリーを失うことで心に空いた穴は今も埋まりません。7年以上経った現在でも、思い出すと心が痛みます。
ビリーが亡くなって数ヶ月後、私たちは新しいジャーマンシェパードを迎えることを検討し始めました。この頃、たまたまビリーの父犬の子犬が産まれたばかりだという情報を得て、私たちは迷わずそのうちの1匹を迎えることを決意したのです。
我が家にやってきたビリーの異母兄弟のジェイクは、私たちの犬に関する常識と期待を全て覆すクレイジーな子犬でした。トイレトレーニングをはじめとする様々なしつけがスムーズに進まず、よく悩んでいました。しかし、コツコツと訓練を続け、今では私の最高のコンパニオンドッグです。
ジェイクはビリーよりもソフトで、繊細です。ジェイクはおっちょこちょいでありながらもマイペースで、とにかく個性たっぷりなのが最大の魅力です。6歳になった今もまだ子犬かのように振る舞い、いつも幸せでハッピーな坊ちゃんです。慎重に考えるビリーとは対照的に、考えずに行動して、その結果に対処するのがジェイクのやり方。
そんなバタバタしたジェイクですが、やはり家族一筋で、やればできる子。ジェイクはビリーとは正反対でありながらも、知らなかったジャーマンシェパードの魅力を教えてくれています。ジェイクとの生活は本当に賑やかで、暇をすることは一切ありません。
ビリーとジェイクは同じ犬種であり、兄弟であるため、比較することは避けられません。しかし、ビリーとジェイクの違いについて考えるとき、自分にとって必要な子がやってきたんだなと実感します。ビリーは私のジャーマンシェパードの印象を固め、ジャーマンシェパードの素晴らしさを教えてくれました。ハードで真剣なビリーはジャーマンシェパードの凛々しさを教えてくれ、ドッグトレーニングを始めるきっかけを作ってくれました。
ジェイクは犬との生活を楽しむことを教えてくれ、犬に合った方法で訓練をする大切さを気付かせてくれました。また、常に私のそばにいてくれることで安心感とたくさんの幸せをもたらしてくれています。また、ビリーが見せることのなかったジャーマンシェパードの素晴らしさを見せてくれました。どんなことも簡単に成し遂げ、家族の状態を常に意識して行動する力です。
「一度でもジャーマンシェパードを飼ってしまえば他の犬種はもう飼えない」これはビリーのブリーダーが述べた言葉です。ジャーマンシェパードは、玉ねぎのように何層にもなっている本当に深い犬種です。高い知能と家族へ貢献するハートは、ジャーマンシェパード独特の特徴だと思います。また、安定した気質を持つと同時にシャープで美しい見た目は本当に特別です。ジャーマンシェパードは私が犬から求める全ての項目をクリアしており、この上ないスーパードッグです。この素晴らしい犬種に感謝し、これからもジャーマンシェパードのいない生活は想像することができないでしょう。
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