飼い主の顔や手を舐めてくる行為は、犬にとってのコミュニケーション手段です。では、どのような気持ちが込められているのか、さっそく見ていきましょう。
家に帰宅したときに、愛犬が口や顔をぺろぺろ舐めてくることはありませんか?これは愛情表現の1つです。犬は好意や敬意がある相手に対して、顔を舐めて挨拶をする習性を持っています。そのため、「大好き!」という気持ちや信頼の表れなのです。
以前に愛犬が飼い主の顔を舐めたとき、飼い主が嬉しそうな声を出したり、嫌がったとしても笑いながら構ってあげたりしたことがある場合、犬は「飼い主を舐めたら構ってもらえる」と思い、気を引きたいがために顔や手をぺろぺろ舐めることもあります。
胃がムカムカする、胃痛がするなど、体に異変があり気持ち悪いと感じているときも、飼い主をぺろぺろ舐めたりします。信頼している大好きな飼い主を舐めることで、犬は気持ちを落ち着かせようとしている、と考えられています。
犬が自分の体の特定の箇所や、床を頻繁にぺろぺろ舐める場合は、以下のような理由が考えられるため注意が必要です。
皮膚がただれるほど愛犬が前足や後ろ足をぺろぺろ舐めるような場合は、ストレスが溜まっているサインです。ストレスの原因としては、運動量が足りていない、忙しくて構ってあげていない、引っ越しで生活環境が大きく変わった、結婚や出産により新しい家族が増えて戸惑っている、などが考えられます。
また、床を頻繁にぺろぺろ舐めるのもストレスが原因となっていることも少なくありません。舐めるのをやめさせるには、まず何がストレスになっているのかを探り、その原因に応じて対処するようにしましょう。
体に痛みや痒みなどがあると、違和感からその特定の箇所をやたらとぺろぺろ舐めていることがあります。皮膚炎やアレルギーをはじめ、傷口ができてしまっていたなど、何らかの不調が考えられるため、早めに獣医師に診てもらうようにしましょう。
愛犬が愛情表現として顔を舐めてくるのは嬉しいことですが、口元をしつこく舐めてくる場合は、愛犬からそれとなく離れてやめさせるようにしましょう。
というのも、犬は口腔内に「パスツレラ菌」という常在菌を保有しており、犬が人の口元を舐めたときにパスツレラ菌が感染して、人獣共通感染症の1つである「パスツレラ症」を招く可能性があるからです。
愛犬の愛情表現を受けとめてあげることはもちろん大切ですが、このようなリスクもあるため、さりげなく他のことに誘導して切り上げるようにしましょう。
犬は言葉を話せませんが、「舐める」というポディランゲージにより愛情表現をしたり、ストレス状態であることを示したりしています。そのため、どのような理由からぺろぺろ舐めるのかを知っておけば、愛犬の気持ちを汲み取りやすくなるほか、体の不調なども早めに察知してあげられます。愛犬の気持ちを知り、より一層仲を深めていってくださいね!