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くしゃみをしている犬
健康管理 / 病気

2021.04.09

【獣医師監修】犬のくしゃみは病気のサイン?くしゃみの原因・心配な病気とは

愛犬が小刻みに頭を振って必死にくしゃみをしている姿って少しホッコリしてしまいますよね。しかし、犬がくしゃみをする原因は風邪やほこりだけではなく、心配な病気が隠れている場合があります。特に子犬やシニア犬、長頭種は頻発するくしゃみに注意が必要です。
ここでは犬がくしゃみをする原因を解説するとともに、くしゃみがサインとなる病気を紹介します。愛犬のくしゃみの原因や病気の可能性を知っておき、早期発見に繋げましょう。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:新井 絵美子/動物ライター)

犬のくしゃみのメカニズムは?

舌で自分の鼻を舐める犬の横顔

犬のくしゃみは人間と同様に、細かい異物が鼻の中に入ることで神経を刺激して、一気に空気を吸い込んで吐き出すという動作から起こります。これがくしゃみのメカニズムです。 人間には鼻の中に異物をキャッチする鼻毛がありますが、犬には鼻毛が生えていません。そのため、異物が入ったときにはくしゃみで対応します。

くしゃみが起こる原因

犬がくしゃみをする原因は以下の3つが考えられます。人間とほとんど同じですね。

犬は嗅覚がとても鋭いので、人間にとっては当たり前になっている匂いにも敏感に反応します。人間が「臭い!」と思うものは犬にとってかなり強烈な刺激臭となるので、普段の生活で犬にストレスを与えていないか見直してみましょう。 犬にとっての刺激臭となるものは、タバコ、アルコール、芳香剤や殺虫剤があります。

犬のくしゃみの原因

  • ほこりや細かい異物が鼻に入ったとき
  • 刺激のある匂いを嗅いだとき
  • 病気の症状として

くしゃみが出るときの併発される症状

犬がくしゃみをするときに合わせて出る症状は鼻水です。病気の場合は血がまじることがありますが、危険なサインの可能性があるので注意してください。 ほこりや異物が入った場合は数回のくしゃみで治まりますが、連続して何度もくしゃみをしていたり、何日間も続くようであれば病気を疑いましょう。

病気ではないくしゃみの場合もある?

以前、筆者が愛犬と暮らしていたとき、愛犬はお散歩に行く前のルンルン気分のときや、おもちゃで夢中になって遊んでいるときなどに、「クシュンクシュン」とくしゃみをすることが度々ありました。

定期検診の際に、愛犬がいつもお世話になっている獣医師さんへ念のためにこのことを聞いてみたところ、「犬は嬉しくて興奮した感情をコントロールするために、くしゃみをすることで落ち着かせているんだよ」と教えてくれて、くしゃみにそんな意味があったことに驚いたのを覚えています。

そう言われると確かに、仲良しのワンコと遊んでいるときやおやつを目の前にしたときなど、嬉しいと感じているときにくしゃみをしていました。このようなくしゃみだったら安心ですね。

犬のくしゃみが関係する心配な病気

獣医師の診察を受ける犬

愛犬が連続して何度もくしゃみをしていると心配になりますよね。くしゃみが出る病気というとハウスダストや花粉などを想像する方が多いと思いますが、実はもっと心配な病気が隠れている可能性もあります。
放って置くと危険な病気もあるので、くしゃみが頻発している場合は一度病院で相談してみましょう。

1.歯根膿瘍

一見関係ないように感じますが、歯石が原因でくしゃみを起こす場合があります。歯と歯茎の間に歯石が溜まって根本が炎症を起こすと歯根腫瘍となり、膿が鼻まで達してくしゃみを引き起こします。同時に鼻水の症状も見られるでしょう。

治療方法は、皮膚の下に溜まった膿を外科手術で取り出す方法と、抗生物質での投薬治療があります。外科手術の場合、原因となっている歯を抜いてしまうこともあります。

2.鼻腔腫瘍

鼻腔腫瘍はシニア犬や長頭種がかかりやすい病気とされています。くしゃみや鼻水に合わせて鼻血が出る場合、鼻腔腫瘍が原因かもしれません。鼻腔腫瘍は血の混じった鼻水が続いた後、顔の変形や神経痛といった症状が出てきて犬にとって辛い状態になってしまいます。血の混じった鼻水が続いた時点で病院を受診することをおすすめします。

治療方法は放射線治療が推奨されていますが、鼻腔内の悪性腫瘍は完治が難しいと言われています。可能な限りの腫瘍を取り除き、抗がん剤や免疫療法での治療がおこなわれます。

3.ウイルス感染

くしゃみが出る病気の中に、生後6ヵ月未満の子犬が感染しやすいウイルス感染があります。ケンネルコフやジステンパーウイルスは風邪のような症状からはじまり、放って置くと最悪の結果死に至ることもあるので注意が必要です。

ウイルス感染は定期的に混合ワクチンを接種していれば感染する確率が下がります。もしも感染してしまったとしても症状が軽減されるので、混合ワクチンは毎年打っておくことがすすめられています。

犬のくしゃみを予防する方法はある?

くしゃみを止めている犬

ハウスダストやほこりを防ぐため、犬の生活圏内にはホコリやカビがたまらないよう清潔にすることを心がけることが大切です。

また、犬は臭いを嗅ぐ習性があります。犬にとって刺激臭となるのもは普段の生活で犬に近づけないように注意し、使用する際は窓を開けたり空気清浄機を使用するなどの対策を取りましょう。

繰り返しくしゃみをして鼻水など他の症状も出ている場合、心配な病気が隠れているかもしれないので病院を受診してください。

空気清浄機を設置するのもおすすめ!

くしゃみの予防には、こまめな部屋の掃除は欠かせませんが、それに加えて空気清浄機を設置しておくのもおすすめです。筆者も愛犬がよく過ごす部屋には空気清浄機を置いていました。ハウスダストや花粉、キツくて嫌な臭いを吸い取ってくれるので、鼻がムズムズして愛犬が頻繁にくしゃみをするようなことは、あまり見られなかった印象です。

犬のくしゃみは早めに原因を突き止めよう

鼻に蝶がとまってくしゃみをしそうな犬

犬のくしゃみにはホコリなど一過性のものが多いのですが、頻発するくしゃみは病気が隠れている可能性があるので少し注意して症状を見てください。くしゃみを伴う病気を知っておくことで早期発見が可能になるので、愛犬のために覚えおくとよいでしょう。

くしゃみを予防するためには部屋をきれいに保つこと、換気をすることが大切です。タバコやアルコール、臭いのきついスプレーなどの刺激臭は、犬に近づけないように気をつけてくださいね。

  • 公開日:

    2020.01.12

  • 更新日:

    2021.04.09

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。