一般的に、成犬の食事回数は1日に2回~3回が理想とされています。
群れで暮らしていた犬は、「食べられる時に食べる」が当たり前でしたが、人と暮らすようになって、犬も決まった時間にごはんを食べるということが多くなっていきました。
実は、この時間帯を決めた食事の摂り方は、消化の面から考えると犬の健康にとって良いこととされています。
犬は食べたものを消化するのに12時間~14時間かかると言われています。
そして、その消化に体の約60%のエネルギーを使っています。
そのため消化のリズムを一定にするためにも、毎回同じ時間に同じ量のフードを与えることが理想とされています。
成犬の場合、1日に朝と夜の2回食事を与えているご家庭が多いようです。
その場合は、先ほどの消化時間を考慮すれば、AM7:00とPM7:00、AM8:00とPM8:00のような感じが良いですね。
バランスがよくなるように時間配分を考えていきましょう。
犬の食事の回数を、その日によって2回にしたり3回にしたりと変えてしまうのは、犬の消化のリズムが狂ってしまう原因になりますので注意が必要です。
1日の食事回数は決めておいた方が良いでしょう。
ただし、飼い始めてからしばらくの間は、その回数がその犬にとって適正かどうか、様子をよく観察してあげてくださいね。
犬によっては、お腹が空くと胃液を吐いてしまうことがあります。
朝と夜の食事回数で、次の食事までにお腹が空き過ぎて頻繁に吐いてしまうような場合は、食事回数を1日2回から3回に増やした方が良いかもしれません。
その場合、1日のドッグフードの給与量を3回に分けて与えるようにしてください。
ただし、ドッグフードの与えすぎは、肥満の原因になりますので注意しましょう。回数を増やす場合には1回の量を減らすようにしましょう。
また、食間におやつを取り入れても良いですね。
犬は肉食に近い雑食性の動物なので、「肉」の消化吸収であれば、あまり時間がかからず、5時間程度で消化されるそうです。 また、ドッグフードも犬の消化を考えて作られているものが多いです。最近では粗悪なドッグフードはほとんどありませんが、他のものに比べて消化性の悪いフードもありますのでフード選びには注意しましょう。
下痢や消化不良の原因になる食材には気を付けておきましょう。
生の野菜や果物は食物繊維が多く、消化に時間がかかります。
普段は大丈夫でも、体調によって消化不良を起こしたり下痢をしてしまうこともありますので、与え過ぎには注意が必要です。
野菜は柔らかく茹でてから与える、果物は皮をむいて与えるなどの工夫をしてあげましょう。
今回は犬の「食事の間隔やフードの量」についてご紹介しました。犬にとっても毎日の規則正しい食事時間や食べる量などは、健康にも大きく関係する大切なことです。特に、ダラダラ食べは犬の体にとっても良くありません。給与量と回数を守って、愛犬の健康管理に気をつけてあげてくださいね。
阿片 俊介/クロス動物医療センター 主任動物看護師
茨城県出身。日本獣医生命科学大学を卒業し、認定動物看護師の資格を取得。千葉県の動物病院に勤務後、動物用医薬品販売代理店にて動物病院への営業を経験。犬とのより良い暮らしをサポートできるよう、飼い主の方の気持ちに寄り添いながら、安心して正しい情報をお伝えできるよう心がけています。