
狩猟犬として有能なラージ・ミュンスター・レンダーの歴史についてご紹介します。
ラージ・ミュンスター・レンダーはドイツ北西部のミュンスター地域で生まれました。もともとはドイツのロングヘアードポインターの白黒のカラーバリエーションでしたが、「ジャーマン・ロングヘアー・クラブ」がブラックのカラーバリエーションを排除することを決定すると、1919年に創立した「ブラック・アンド・ホワイト・ミュンスター・レンダー・ポインターの純血繁殖のクラブ」が白黒の品種の繁殖を引き継ぎました。
ラージ・ミュンスター・レンダーは1966年にヨーロッパから北米に導入され、それ以来慎重に繁殖管理されています。北米のラージ・ミュンスター・レンダークラブは2012年に改変され、アメリカのラージ・ミュンスター・レンダー協会(LMAA)およびカナダのラージ・ミュンスター・レンダー協会(LMAC)が誕生しています。
凛とした立ち姿が魅力的なラージ・ミュンスター・レンダーの外見的特徴や能力についてご説明します。
まずはラージ・ミュンスター・レンダーの体格と被毛の特徴についてご紹介します。
オスの体高の目安は60~65cm、メスは50~63cmで、体重はおよそ30kgです。身体は引き締まり筋肉が逞しいですが、背が高くほっそりとした印象でアウトラインはすっきりとしています。表情には気品があります。
被毛はなめらかで撥水性があります。長毛で厚みがあるため、寒さから身を守ることができます。カラーはブラックの斑、もしくはブルー・ローンをもつホワイトです。頭部のカラーはブラックで、カラーはわずかに入るホワイトおよびブレーズは良いとされています。
ラージ・ミュンスター・レンダーはハンターの指示のもと獲物をポイント(指し示す、の意)し、追跡し、回収する三拍子揃った知的な猟犬です。熱意をもって働き、簡単には獲物を諦めません。
協力的な性質をもち、多才で状況判断力があるため用途は広く、鳥猟犬としてのみならず警護犬や番犬としても優れた能力を発揮します。
ラージ・ミュンスター・レンダーは穏やかで明るい性格です。従順なため、家族の一員として良きパートナーになるだけでなく、狩猟の仲間としても評価されています。
知的で飼い主に忠実な性格であるため、しつけは覚えやすいと言えます。小動物を見つけると狩猟本能が目覚め飛びかかってしまうかもしれないので、いざという時にきちんとコントロールできるようにしつけておきましょう。
狩猟犬であるラージ・ミュンスター・レンダーの運動量は多く、散歩の時間を十分に設ける必要があります。ドッグランなど広い敷地で自由に走らせたり、水泳させることも良いでしょう。
ラージ・ミュンスター・レンダーのなめらかな被毛を維持するには、ブラッシングが欠かせません。
ラージ・ミュンスター・レンダーは穏やかで優しい性格のため、海外ではペットとしての飼育頭数も増えているようです。適切に飼育するには広大な敷地が必要で、日本ではレアな犬種であるため簡単には入手できません。もし家族として迎え入れる場合には、ラージ・ミュンスター・レンダーの特徴や性格をよく理解した上で飼育を検討しましょう。
江野友紀/認定動物看護士
地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。
ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。
普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。
ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。