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犬種 / イヌ図鑑

2020.01.11

「世界最強の犬」アメリカンピットブルテリアについて知ってきたいこと

「こわもて」な顔立ちにマッチョな体つき、闘犬、危険犬種など、全世界でネガティブなイメージで語られることが少なくないアメリカンピットブル。「世界最強の犬」などとも呼ばれ、恐れられることが多い犬種ですが、一部には熱狂的なファンがいることも事実です。そんなアメリカンピットブルは、実際にはどんな犬種なのでしょうか。アメリカンピットブル誕生の歴史、特徴、独特の性格から育て方や魅力までをご紹介します。

#Lifestyle

Author :西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

アメリカンピットブルテリアの悲しい歴史

アメリカンピットブルテリア

「ピットブル」の通称で知られているアメリカンピットブルテリアは、イギリスで牛やクマを相手に戦っていた「ブル・ベイティング」と呼ばれる、競技専用の闘犬オールドイングリッシュ・ブルドッグを祖先犬としています。オールドイングリッシュ・ブルドッグはブルドッグの原種と言われ、一度噛み付いたら離さない頑丈なマズルと凶暴で粘り強い性格が特徴です。

19世紀初頭のイギリスでは、このブル・ベイティングが盛んに行われていましたが、英国議会によって闘犬が禁止されると、最短の時間でどれだけのネズミを殺せるかというゲームが違法に行われるようになりました。ネズミを待機させたいた場所が「ピット」と呼ばれていたことから、ピットブルという呼称が付くようになったとされています。

さらに、闘犬に対して敏捷性とスピードを求めた当時のイギリスのブリーダーたちは、ピットブルとテリアを交配し、アメリカンピットブルテリアの基礎犬を育種したと言われています。

最強の闘犬の誕生

1870年代、移民とともにアメリカに渡ったピットブルテリアは、闘犬用のスタッフォードシャーブルテリアなどと育種され、世界最強の犬とまで呼ばれるようになりました。

その勇敢な性質と忠誠心の高さから、アメリカで番犬として絶大な人気を得たアメリカンピットブルテリアは、その後、第二次世界大戦中にアメリカのマスコット的存在として「オールアメリカンドッグ」と呼ばれるようになり、人気が頂点に達しました。

アメリカで絶大な人気を得たアメリカンピットブルテリアは、広告や商品のロゴなどにも登場し、ヘレン・ケラー、ルーズベルト大統領、トーマス・エジソン、マーク・トゥエイン、ハンフリー・ボガードといった著名人のパートナードッグとして愛されていたことでも知られています。

UKC登録犬種第一号に

闘犬が禁止されていたにもかかわらず、違法な闘犬が横行し、一部の人間たちによって凶暴で攻撃的な性質のアメリカンピットブルテリアが育種された過去があります。

それによって、「犯罪者の犬」といった不名誉なレッテルを貼られたアメリカンピットブルテリアは、一部の州では飼育・所有禁止となり、現在でもAKC(アメリカンケンネルクラブ)には犬種として正式に登録されていません。

皮肉なことに、UKC(ユナイテッドケンネルクラブ)はアメリカンピットブルを登録するために立ち上げられたケンネルクラブとも言われ、UKC登録第一号となっています。

アメリカンピットブルテリアの特徴

アメリカンピットブルテリア

闘犬として育種されてきたアメリカンピットブルテリアは、他の犬種にはない特徴を持っています。

アメリカンピットブルテリアの体型

見るからに強そうな体つきのアメリカンピットブルテリアですが、発達した顎、大きく広い額、噛み付いたままでも呼吸ができるよう顎より引っ込んだ鼻が特徴です。筋肉質でがっしりとした体つき、しっかりと踏ん張れる太い脚もアメリカンピットブルテリアならではの体型です。

オスの体高は約45~53cm、体重は約16~27kg、メスの体高は約43~50cm、体重は約13~22kgほどになります。

闘う資質を備えたアメリカンピットブルテリア

牛やクマなどの大型動物を相手にする競技のために育種された祖先犬を持ち、さらに闘犬として育種されて誕生したアメリカンピットブルテリア。優れた身体能力、高い攻撃性、粘り強さなど、闘犬としての資質をすべて備え持つことから、世界最強の犬種とも呼ばれていることが最大の特徴です。

アメリカンピットブルテリアの性格

アメリカンピットブルテリア

オーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパの各国など世界15か国、およびアメリカでは、一部の市・郡で所有が禁止され、カナダ・オンタリオ州などでは法律で所有が禁止されているアメリカンピットブルテリア。攻撃性の面ばかりが強調され、多くの国から法的規制をされている犬種ですが、我慢強く、忠誠心、服従心が強い性格であることも事実です。

あまり知られていない性格とは

アメリカンピットブルテリアには、強くたくましいイメージがありますが、実は子守犬(ナニードッグ)として有能であることはあまり知られていません。家族に対して深い愛情を持つアメリカンピットブルテリアは、飼い主の子供に対しても寛容で、良き遊び相手となったり、子守ができることから「ナニードッグ」とも呼ばれているのです。

アメリカンピットブルテリアの育て方

アメリカンピットブルテリア

凶暴、攻撃性が高いというイメージの強いアメリカンピットブルテリアは、初心者には不向きな犬種です。訓練やしつけに対してかなりの知識と経験のある飼い主が、きちんとした育て方をすることで、良きパートバートなる犬種と言えるでしょう。

よく精通した飼い主が必要

アメリカンピットブルテリアは、飼い主に対して忠誠心が強く、訓練性も高い犬種です。しかし、アメリカンピットブルテリアの攻撃性はDNAと関連しているためその性質には個体差があります。

全く攻撃性を見せない子もいれば、何かのきっかけで攻撃性にスイッチが入ってしまう子もいます。一度、攻撃性のスイッチが入ってしまうと、咬傷事故などの重大な事故につながる可能性があるでしょう。

そのため、アメリカンピットブルテリアの性質はもちろん、犬の訓練や犬の行動学に精通した人ではないと飼うことが難しい犬種だと言えます。

子犬の頃からしっかりとしたしつけが必要

闘犬としての資質を高めるために育種されてきたアメリカンピットブルテリアですが、服従心、訓練性、忠誠心がとても高い犬種でもあります。知的な面もあるので、トレーニングの方法によっては最良のパートナードッグになるでしょう。

アメリカンピットブルテリアの魅力

アメリカンピットブルテリア

AKCでは犬種登録されていないにもかかわらず、アメリカでは人気犬種のトップ10にランクインしているアメリカンピットブルテリア。アメリカの人々の心をつかむアメリカンピットブルテリアの魅力は、一体どんなものでしょうか。

エネルギッシュで飼い主に忠実

アメリカンピットブルテリアは、運動能力が高く、エネルギーに満ち溢れた犬種です。そして、飼い主やその家族と一緒に遊ぶことが大好きです。知能も高いため、どんな遊びでもマスターすることができることも、アメリカンピットブルテリアの大きな魅力でしょう。

強面の顔と筋肉質の外見

アメリカンピットブルテリアの魅力は、その容姿自体でもあります。少し前までは「犯罪者の犬」とまで言われましたが、鼻ぺちゃ犬がブームであるのと同じように、アメリカンピットブルテリア独特の雰囲気を好む人は多くいます。

また、容姿もさることながら、エネルギッシュで、集合住宅でも十分に生活でき、さらにお手入れも楽なことなど多くの魅力を持つ犬種でもあるのです。

人の手によって悲劇の運命を辿ることとなったアメリカンピットブルテリア

アメリカンピットブルテリア

もともとは、番犬として活躍していたアメリカンピットブルテリアですが、いわば人間の欲によって改良が重ねられ、凶暴な犬種に育種された歴史を持ちます。

アメリカンピットブルテリアを迎え入れるなら、性質をよく見極めることが大切だと言われていますが、DNAに組み込まれてしまった攻撃性を見極めることはとても難しいと言われています。普段はおとなしく、飼い主に忠実でとてもいい子であっても、何かのきっかけで攻撃性のスイッチが入ってしまうと、止めることが難しく重大な事故に発展してしまう可能性もあるのです。

アメリカンピットブルテリアの特性をよく理解し、愛情を持って育て、何かの時にはしっかりと制御できるだけのパワーを持って接することで、良きパートナーとなる犬種であると言えるでしょう。

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◎ライタープロフィール
西村 百合子

西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。
現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。

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