我が家には、保育園に通う5歳の娘と4歳の息子がいる。
ちょっぴり恥ずかしがりやの娘と息子だが、生まれたころから犬と暮らしてきたおかげで、動物を怖がることはまずない。
三度の飯より動物!と言ってもいいくらいに(これは言いすぎ?笑)大の動物好き。
中でもやっぱり犬が好き。自転車で保育園への送迎中も、外で散歩している犬を見つけると「あっ、柴犬のワンワンだ!」とか「ダックスの赤ちゃんだ~可愛い~」と大きな声ではしゃぐ。飼い主の方も気づいて微笑んでくれるが、あまりの大声のため、ちょっと恥ずかしい。笑
時には、違う犬種の名前を大声で叫んでいることもあり、これまた恥ずかしい。
シベリアンハスキーを見て「あれ!オオカミだよね?ねぇママー!」と大きな声で叫んだときには、思わず自転車の速度をフルスピードに、逃げるようにして帰った。笑
そんな娘と息子は、もちろん、我が家のへんてこ犬の3兄弟とも仲良しなのだ。
『にんげんのこどもたち』と『いぬのこどもたち』が我が家の一員としてメンバー入りした順番。
1番目はひかえめ長男、ひかえめ長男が生後9ヶ月の頃に娘が誕生、その半年後にオレ様次男がメンバー入り。さらに1年後には、息子が誕生。それから数年の時がたち、数ヶ月前に末っ子バブがやってきたのだ。
今思えば、なんとも慌ただしい数年間だった。まわりの人たちからは「小さいこどもがふたりいるだけで大変なのに、犬も3匹いるの?」と驚かれる。
娘がまだベビーカーだった頃は、ベビーカーにリードをくくりつけ、娘とひかえめ長男を連れて実家まで片道30分歩いて遊びに行ったりもしていた。帰りは娘を抱っこひもで、ひかえめ長男をベビーカーに乗せて帰ることもしばしば。
すれ違う人たちからの痛い視線をガンガンに感じていたが、恥ずかしいので気付かないふりをしていた頃が懐かしい。
半年~1年のスパンで、どんどん新メンバー(チビ)を増やしていく我が家は、どこかのアイドルグループのようだなとたまに思う。総選挙をするなら、だれが1位を獲りセンターになれるのか......そんなくだらない妄想も膨らむ。
わたしにあと5本手があればラクなのに......と毎日思うけれど、最高に幸せなのは確か。
食事の時間、犬たちからの熱い視線がたまらなく痛い。
ひかえめ長男とオレ様次男が必ず陣取るのは、1番ご飯をこぼす確率が高い息子の足元。本当によくわかっているな~と感心してしまう。(犬に対して甘すぎるとパパに怒られます。笑)
一方で末っ子バブは、おこぼれご飯のおいしさをまだ知らない。そのため、誰も相手にしてくれないごはんの時間は、おもちゃで一人遊びに夢中。
ひかえめ長男は、いつもは数歩下がってみんなの様子を見ているのに、人間のごはんの時間だけはグイグイ系男子に変身。
しばらく「早く落としてくださいな~」とキラキラした瞳でおとなしいフリをした後、一瞬の隙にテーブルの上に手を乗せようとするグイグイ系男子たち。
だが、そこは慣れっこの子どもたち。息子が「ダメ!」とノールックでひかえめ長男の手を払いのける。そのスピードと、顔色一つ変えずに対応する4歳児の姿がまた笑える。
息子が早々に食べ終わると、次に狙われるのはもちろん娘。もうすぐ小学生になる娘は、なかなかご飯をこぼさなくなった。そのため、オレ様次男も「まあ、落ちてきたらラッキーだな」くらいの顔で床に伏せておこぼれを待つ。
いつもはグイグイ系のオレ様次男、こういう時は逆に冷静。テーブルに手を乗せたりはせず、床でじっと待つタイプ。
娘と息子が食べ終わると、ひかえめ長男とオレ様次男の『おこぼれはないか床パトロール』が始まる。(食べたらいろいろと怖いので、もちろん落ちていないようにはしている)
今度は末っ子バブがスタンバイ!「食べ終わった?なら、はやく遊ぼうよ~」と娘と息子におもちゃを持参してしっぽフリフリ、お誘いするのである。この純粋な0歳バブがまた可愛い。笑
末っ子バブに誘われると、必ずおもちゃを投げて遊んでくれる娘と息子。3人でキャッキャ楽しそうに遊ぶ姿、なんともほほえましい光景。
わたしがごはんの準備や片付けでキッチンにいるとき、いつも娘と息子は仲良く並んでソファに座り、テレビをみている。その傍には、犬のこどもたちが自然と集まり、人・犬のこどもたちの団らんが始まるのだ。
末っ子バブは、お気に入りのおもちゃを咥えてソファに上がった後、いつも娘の足にピタッと身体を添わせながら、おもちゃをカミカミするのが大好き。おそらくバブの「好きな人ランキング」では娘が堂々の一位である。
そして、しばらくたってからまたキッチンから覗くと、ひかえめ長男とオレ様次男も子どもたちの足にくっつきウトウト。テレビを見ながらも、ずっとナデナデしてくれる娘と息子の横は、相当寝居心地がいいようだ。笑
かと思うと、急に家の中をドタバタと走り出すこどもたち。すると、犬たちももれなく一緒にドタバタと走っている。これがものすごく楽しそうで、娘と息子はおなかを抱えて笑いが止まらなくなるほどツボの遊びのようだが、わたしにはルールがわからない。笑
おそらく犬たちが追いかけて、娘と息子が逃げる。というシンプルな遊びだが(たまに犬のおもちゃを隠しながら走りまわるという日もある)犬たちもハアハアと舌を出して走り、はしゃぎまくるのである。
何がきっかけでこの遊びがスタートするのかも分からないが、いつも突然始まっては、ひと通り大盛り上がりしたら、全員で疲れ果ててそこらじゅうの床にこどもたちが転がっている。笑
そして、犬のこどもたちのごはんの時間には、食べる様子を娘と息子が目の前でじっと見つめるのがいつもの光景。
すると甘えて「手で食べさせて」と自分から食べないひと(犬)がでてくる。それを見て「ほらぁ~ちゃんと食べないと」と娘や息子が手であげると、パクパク食べる。
いろいろな味が入っているフードを混ぜて与えているのだが、その中でもそれぞれ好みがあるようで、娘と息子もそれをよくわかっている。
なかなか食べないときには「これが一番好きなんだよね」と好きなものから集めてあげたり、食べ始めると「これも食べないとダメだからね!」とあまり進まない方の味も交互にあげてみたり。
言葉が話せない犬の気持ちをよーく考えながら相手を想って接していく......こどもの成長にも、すごく大切なことだなぁと改めて思う瞬間である。
3匹のいぬのこどもたちは、体重がほどんど同じ5~6キロ前後である。
娘と息子は、小型犬の3兄弟のどの子でも抱っこできるくらいの力がもうあるにもかかわらず、唯一抱っこさせてもらえるのは末っ子バブだけ。
末っ子バブは、我が家にきた頃から娘と息子が抱っこして家の中をあちこち連れ回していたため(見ていて怖いから本当にやめてほしかった…)もうすぐ1歳になる今も、何の抵抗もなく抱っこさせてくれる。
しかし、ひかえめ長男とオレ様次男は違う。
ひかえめ長男は大人に抱っこされるのは大好きで、永遠にここにいたいです~という顔で抱かれるが、子どもたちが抱っこしようと足やおなかまわりを触っただけで「ウゥ~」と低い声で「それだけは無理~」とこどもたちに注意する。そのほかでこどもたちに唸ることはない。
オレ様次男は、こどもたちが抱っこしたいなーという雰囲気で近づいてくると、すぐに察して先に逃げるので、こどもたちもあまりチャレンジしようとはしない。オレ様次男は、そもそも抱っこされることがそこまで好きじゃないため、大人が抱っこしても、そこでずっとぬくぬく、そのまま寝てしまう、なんてことはあまりないタイプ。(けど必ず横にくっついて寝たいタイプ)
みんなそれぞれ違って面白い。
こどもたちには、こどもたち同士のルールがあり、お互いのこともよく分かっている。
娘と息子が2歳くらいの頃はひっぱられたり踏まれたりするのが怖くて、あまり近くにこなかったひかえめ長男とオレ様次男。
接し方や力加減がわかってきたこの頃は、気付くと『いぬとにんげんのこどもたち』で一緒にいるようになった。
末っ子バブも娘と息子が大好きになって、いつもそばにいる。
いつかは散歩も連れて行ってくれるかな?それを楽しみに、これからもこどもたちの成長を見守っていこう。
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