動物看護師は、動物病院などで獣医師のサポートをするのが主な仕事内容です。具体的には、以下のようにサポート業務が多いです。飼い主さんとコミュニケーションをとる時間も長いので、飼い主目線で話ができることが求められるでしょう。
・診察や注射のサポート
・脈拍や体温のチェック
・検査の手続き
・手術の準備とサポート
・薬の用意と説明(内服薬や塗り薬)
・疾病の注意事項の説明
・器具や装具などの使い方の説明
・器具や装具の洗浄
・入院中の動物のお世話
実際に診察室で獣医師のサポートをするだけではなく、事務方のお仕事を任されることもあります。動物看護士のサブ業務には、以下のようなものが挙げられます。
・待合室や診察室の掃除
・受付業務(カルテの管理、会計業務/一般会計とペット保険を使った会計など)
・飼い主さんへの食事や栄養管理の指導
・ペットホテルの動物のお世話
実は、動物看護師になるためには、大学・専門学校卒業などの学歴は特に必要ありません。
しかし、多くの動物病院では、統一認定試験を受験し「認定動物看護師」の資格を有する人、という採用条件があるのが一般的になっています。以前は、無資格でも採用されることもありましたが、現在ではこの資格は必須条件であることが多くなりました。
動物看護師を目指すためには、病気や動物の生態についての「基礎動物看護学」や「応用動物看護学」「臨床動物看護学」という専門の知識が必要です。
動物看護師になるための学校には次のようなものがあります。
・動物看護関連の専門学校
・動物看護に関する学科がある短期大学
・動物看護に関する学科がある大学
これらの教育機関で単位を取得し、専門課程を修了することで、認定動物看護師の資格(統一試験)を受験することができます。ただし、動物看護師統一認定機構が推奨している、コアカリキュラムを学べる専門学校や大学である必要があります。
学校により多少の学費の違いはありますが、目安としては、初年度に入学金を含めて100万~150万円、次年からは100万~120万円程度の学校が多いようです。それにプラスして教材費などが必要になります。
統一認定試験を受けるためには、大学や専門学校で単位を取得し、専門課程を修了する必要があります。
動物看護師統一認定試験の詳細です。
【試験内容】
・一般問題(基礎動物看護学Ⅰ、Ⅱ・応用動物看護学Ⅰ、Ⅱ)
・実地問題(図表や写真からの問題)
【試験実施日】
1年に1回、毎年3月に行われます。
【受験費用】
16,500円(消費税込み)
【合格率】
2019年に行われた動物看護師統一認定試験の結果によると、受験者数が2,333名、合格者は2,017名ですので、合格率は約86%となります。資格試験内容が統一されたことにより、専門学校や大学でも試験対策がしやすくなり、合格率が高くなったと考えられます。
今回は、動物看護師に興味を持っている方に向けて概要をご紹介しました。ペットを持つ家庭が増えている現在、動物看護師の社会的受容はさらに拡大していくでしょう。
「動物看護師資格を国家資格に!」という声も上がっているようで、近い将来には国家資格になるかもしれません。ご興味がある方は、ぜひ教育機関への進学を考えてみましょう。