玄米は基本的には愛犬にあげても大丈夫です。ただ、与え方やアレルギーのあるコには注意が必要なので、これから詳しくご説明していきます。
まず「玄米ってよく聞くし、体によさそうなイメージはあるけど、実際白米とどう違うの?」という、今さら聞けない疑問にお答えしたいと思います。
玄米とは、白米を精米する前の状態を指します。玄米から、「糠(ぬか)」と「胚芽(はいが)」を取り除いたものが白米で、スーパーなどに並んでいるお米は、ほとんどこの精米後の状態で売られています。
お米は精米すればするほどおいしく食べられるようにはなりますが、その分栄養が削られていきます。味を重視するのか、それとも栄養価を重視するのかで、選ぶお米の状態が変わってくるということですね。
玄米と白米との違いは、味と栄養の差もありますが、お米の炊き方にも違いがあります。
玄米は白米のように研ぐ必要はなく、まわりについた汚れを落とす程度に2~3回軽く洗います。その後、お米の1.5倍の水を注ぎ、できれば1晩水に浸しておきます。というのも、玄米は白米に比べて水が浸透しにくいので、水を入れてから炊くまでに少なくとも6時間は浸けておくのが理想的なのです。ここが白米との大きな違いで、あとは炊飯器で白米と同様に炊くだけです。
玄米には多くの栄養素が含まれています。白米と比べ、含有量の多い成分を一部ご紹介します。
マグネシウムは、骨の弾性維持やカリウムの濃度調節などの働きをし、エネルギーを蓄積、消費するときに必須の成分です。
玄米には白米のおよそ5倍のマグネシウムが含まれています。
リンは、カルシウムとともに骨の主要構成要素で、エネルギー代謝にも深くかかわっています。
玄米にはカルシウムが白米の約2倍、リンは約3倍含まれているので、骨の形成や成長の助けになります。
玄米はまわりに糠や胚芽がついている分、白米よりも消化しにくいと言われています。そのため、普段から下痢を起こしやすいコにはあまりおすすめできません。
玄米でもアレルギー反応が出ることがあります。玄米の胚芽部分にはアレルギー物質が多く含まれているので、穀物アレルギーのコには与えないようにしましょう。
アレルギーの症状としては、下痢や嘔吐をする、痒がる、発疹が出るなどがあります。症状があらわれた場合は、すぐに動物病院へ連れて行ってあげてください。最初は大丈夫でも、食べ続けるうちにアレルギーを発症することもあります。愛犬の様子を毎回きちんと確認することが大切です。
私たちが食べる硬さの玄米は、犬には消化がしにくいためおすすめできません。
愛犬に与える場合には、普通に炊くよりももっと柔らかくしてあげましょう。トロトロのお粥にしたり、そこからさらにフードプロセッサーでペースト状にすれば、玄米の消化の悪さも解消されます。
玄米は栄養価が高く、愛犬にもおすすめな食材です。ただ、あげる際には柔らかくする必要があるのでちょっと手間がかかるのがデメリットと言えるかもしれません。
今は、玄米を使ったドッグフードなども販売されているので、愛犬に玄米あげたい方は、それらを利用するのも便利です。
どんなに体にいい食材でも、与えすぎは逆効果になってしまうこともあるので、愛犬の様子を見ながら少量から始めてみるのがおすすめです。
▼下記の資料を参考に執筆しました。
(1)文部科学省食品データベース