犬がちくわを食べても中毒症状が出るわけではありませんが、健康に支障をきたしかねない部分があるため、ちくわだけを積極的に与えるのは控えた方がよいと言えます。
少量のちくわを時々おやつとして与える程度であったり、間違えて愛犬が食べてしまったといった場合には、愛犬の健康を損なう可能性は低いですが、日常的に与え続けると塩分過多になる恐れがあります。
犬にとっても塩分は必要なことから、普段の食事として与える総合栄養食には塩分が含まれています。商品にもよりますが、一般的にちくわ1本(約80g)あたり約2gの塩分が含まれているため、総合栄養食にプラスしてちくわを日常的に与えると、塩分の過剰摂取になる可能性があるということです。
ちくわは、あくまでも人間の嗜好に合わせて作られている加工品です。ちくわのしっかりとした味付けからも分かる通り、犬には嗜好性が高すぎます。そのため主食のフードを食べなくなったりなど偏食の原因になります。災害時など、いざというときに支給されるのは一般的なドッグフードと考えられるため、そういった点で偏食になってしまうと支障をきたす恐れがあります。
また、病気になったときやシニア犬になったとき、塩分が少ない療法食や高齢用のフードに物足りなさを感じ、食べようとしないこともあります。偏食により必要な栄養が摂取できないと、当然ながら健康が損なわれてしまうので、犬にとって嗜好性の高いちくわを頻繁に与えるのは控えるようにしましょう。
愛犬にちくわを与える場合は、以下のように配慮してあげましょう。
塩分過多にならないよう、塩抜きしてから与えるとよいでしょう。ちくわの塩抜きは以下の手順で行います。
1.ちくわを細くカットし、沸騰したお湯に入れて1分茹でる
2.ザルに移してお湯を切ったのち水に1分浸す
3.ザルに移して水を切ったら完成
ちくわは減塩タイプのものも販売されているので、それを塩抜きした方がより塩分が抑えられます。
ちくわには人間が食べる用のものだけでなく、犬用に作られたものもあります。犬用のちくわにも塩分が含まれているものもありますが、犬にとって適切な塩分量で作られているので、愛犬がどうしても食べたがるときは、犬用のちくわを与えるのもよいでしょう。
愛犬にちくわを与える際の注意点を覚えておきましょう。
塩分の多いちくわは血圧の上昇を招く原因になり、心臓に負担をかけてしまうので心臓病を患っている場合は、与えないようにしましょう。
また、体内に溜まった余計な塩分(ナトリウム)は体外へ排出されますが、その役割をするのは腎臓です。よって腎疾患を抱えている場合も、食べさせるのは控えましょう。
犬の中には魚アレルギーを持っている個体もいます。そのため、ちくわを与えるにしても最初は少量にとどめて、愛犬の体に異変が起きていないか様子を見るようにしましょう。
下痢や嘔吐、湿疹、目の充血、体に赤みが生じ痒がるなどのアレルギー症状が現れたら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
頻繁にちくわを愛犬に与えると塩分過多が懸念されるほか、偏食の原因にもなるので積極的にちくわ単体を与えるのは控えましょう。もし与えるのであれば塩抜きをして、なるべく愛犬の体に負担がかからないよう配慮してあげることが大切です。愛犬の食生活を管理して健康を守ってあげてください。