愛犬を触っていると、ふと毛玉に気づくことがあります。毛玉はなぜ作られてしまうのでしょうか。また、毛玉ができることでどのような問題が起こるのでしょうか。
被毛が細く柔らかい毛質であったり、長さのある子は毛が絡まりやすく、毛玉になりやすいでしょう。被毛が濡れた後に十分乾かさないことも、毛が絡まり合う原因になります。また、犬が動いたときによく擦れる耳の後ろや脇の下も毛玉になりがちです。
しかし、どのような理由で毛玉ができやすかったとしても、毎日きちんとブラッシングして絡まった部分をほぐしてあげれば毛玉になってしまうことは滅多にありません。
犬には換毛期があり、特にダブルコートと呼ばれる柔らかいアンダーコートをもつ子は、季節の変わり目になると体温調整のために大量の毛が抜けます。その被毛をブラッシングで取り除き、整えてあげるお手入れが必要になりますが、ブラッシングを怠ると毛玉を作る原因になってしまいます。この時期には、柴犬などの短毛の犬でも毛玉ができてしまうことがあります。
毛玉は、見映えが悪くなるだけではありません。次のような問題が起こると考えられます。
毛玉ができると皮膚が引っ張られて痛みを感じます。特に、ブラッシングのときなどに引っかかると犬は痛みで悲鳴をあげることもあるでしょう。
毛玉ができるとその周りには汚れが溜まりやすくなるので、通気性も悪くなり蒸れて不衛生な状態になります。特に、毛玉がある状態でシャンプーしてしまうと、毛玉にシャンプー剤が残ったり、濡れた毛玉が乾かず衛生的に良くありません。そこから皮膚が炎症を起こし、皮膚病になることも考えられます。
トリミングサロンにシャンプーやカットをお願いするとき、毛玉があるとトリマーさんには時間と手間がかかります。そのため、毛玉の量やサロンによって、500円~数千円程度の毛玉料金がかかります。
犬の毛玉に気付いたら、ひどくなる前に対処しましょう。毛玉の根元からバツッと切ってしまえば簡単で、犬も痛い思いをせずに済みますが、その後の見映えは決して良いものではありません。トリミングサロンでは次のような方法で毛玉を除去します。
毛玉を引っ張ると犬が痛い思いをしてしまうので、毛玉と皮膚の間を指でしっかり押さえます。そして、スリッカーブラシを使い毛玉の先から少しずつほぐしていきます。毛玉がほぐれてきたら、コームを通して毛の流れを整えます。
毛玉がひどければスリッカーブラシとコーム、そしてハサミを使います。毛の流れに対して縦にハサミで切り込みを入れて、毛玉をいくつかに分けます。刃先を犬に向けると皮膚を傷つけてしまうので、刃先を犬の身体の外側に向けるようにして入れましょう。そして、スリッカーブラシやコームで毛玉を少しずつほぐしていきます。
犬の毛玉取りや毛玉予防に効果的なグッズをご紹介します。
しつこい毛玉には、毛玉ほぐし用のカッターがおすすめです。簡単に使用でき、毛を短く切りすぎずに毛玉が取れます。刃は取り外して反対向きに付け可能なので、左利きの飼い主さんも利用できます。毛の流れに沿って、少しずつ毛玉をほぐしましょう。
ティーツリーオイルやユーカリオイルが配合された毛玉ケアスプレーです。ブラッシング前にスプレーをすると保護成分が静電気を抑え、シャンプー前に使用すると毛玉除去に効果を発揮します。
もし毛玉ができてしまったら、無理に引っ張らずにスリッカーブラシやハサミを使い、少しずつ丁寧にほぐしていきましょう。一番良いのは、毛玉を作らないことです。日々のお手入れが大切なので、基本的には毎日、愛犬の身体を触りながらブラッシングをしてあげましょう。