ミックス犬であるポメしばはどのように誕生したのでしょうか?その歴史を見ていきましょう。
ポメしばは、ポメラニアンと柴犬の両親をもつミックス犬であり、正式な犬種ではありません。そのため、「ポメしば」という名前も正式名称ではなく愛称のようなものとして使われています。
実は、ポメしばの呼び方はほかにもいくつかあり、「シバラニアン」や「しばポメ」、「シーポン」や「ポンシー」などと呼ばれることもあるようです。
「ポメしば」という呼び方がポピュラーですが、決まりはありませんので好きな名前で呼んでOKです。
昨今のミックス犬ブームで、様々な犬種同士の交配がおこなわれ、数多くのミックス犬が誕生しました。そもそもミックス犬が生み出された経緯には諸説あり、ブリーダーの管理ミスにより自然異犬種交配が行われたという説や、しっかりとした目的を持ったブリーダーによって生み出されたなど、実際のところはよくわかっていません。
ですが、現在日本ではミックス犬が純血種と並んで不動の人気になりつつあり、ペットショップで見かけることも珍しくなくなりました。このままミックス犬人気が続き、それぞれのミックス犬のスタンダードが決定されれば、それほど遠くない将来、正式な犬種として認められるということもあるかもしれませんね。
ポメしばは今のところ正式な犬種と認められていないため、グループ分けはされていませんが、両親であるポメラニアンと柴はともに5Gの原始的な犬・スピッツのグループに分類されています。
ミックス犬であるポメしばは、見た目もさまざまです。ここでは代表的な特徴をご紹介していきます。
ポメしばの体重と体高は下記のとおりです。
標準体高:25~34cm程度
適正体重:6~8kg程度
ポメラニアンの標準体高は18~22cm、標準体重1.8~2.3kg、柴犬の標準体高は36~39cm程度、標準体重10kg前後なので、少し小さめの柴である豆柴くらいの大きさというイメージです。ただ、両親のどちらの特徴が強くあらわれるかは成犬になるまでわからないため、サイズにばらつきがあるのも特徴として覚えておきましょう。
大きすぎず小さすぎないちょうどいいサイズ感とや、ふわっとした被毛と黒目がちな瞳、まさにポメラニアンと柴犬のいいとこ取りとも言えるポメしばは、かっこいいとかわいいが混在しているのが魅力。
でも一番のチャームポイントは、オンリーワンな個性ではないでしょうか。同じポメしばでも、見た目も性格も全然違うこともあります。あなたの愛犬の個性を最大限に伸ばしてあげましょう。
見た目はふんわりとしているポメしばの被毛の特徴はどのようなものなのでしょうか?毛色のバリエーションやお手入れのコツもあわせてご紹介していきます。
ポメしばの両親であるポメラニアンも柴犬も、どちらもダブルコートを持つ犬種です。そのため、もちろんポメしばも二重構造のダブルコートの被毛を持ち、春には通気性のよい夏毛へ、また秋には密集度の高い冬毛へと生え変わます。
ただポメしばは、両親どちらの特徴が強いかで被毛の状態も変わってくるので、柴とポメラニアンどちらの毛質に近いかを確認し、それに合ったお手入れ方法を選択しましょう。
ポメラニアンも柴犬も毛色の種類が多い犬種です。
それと同じくポメしばの毛色もバリエーション豊か。クリーム、ホワイト、レッド(赤茶色)、オレンジ、ブラック、ブラック&タン、ブラウンなど様々な色のコが生まれます。
兄弟犬の中でも色の違うコがいるということもあるので、好みの色のコを選べるというのも嬉しいポイントですね。
フワっとした被毛は抜け毛も多く、こまめなブラッシングが必要です。特に換毛期には、毎日ブラッシングをしてあげましょう。
毛並みに沿って、優しく皮膚をマッサージするようにブラッシングをするのが愛犬に嫌がられないコツです。
それでも嫌がるコには、一度に全身をブラッシングするのではなく、「今日は左側」などブロック分けをして短時間ですむような工夫をしてあげましょう。
ポメしばの性格は、残念ながら一言では言い表せません。というのも、ポメラニアンと柴犬のどちらの性格の特徴を、どれくらい受け継ぐかが予測できないからです。
ミックス犬は、それぞれの犬種が持つ長所が掛け合わされることで、デメリットとなり得る性格の部分を補えることがありますが、必ずしもそれぞれの犬種の長所である性格をバランスよく受け継げるとは限りません。
ですが、ポメラニアンと柴に共通している、以下のような性格は受け継がれる可能性が高いと言えるでしょう。
ポメラニアンも柴犬も警戒心が強い性格なので、人見知りや犬見知りをしてしまったり、吠えやすい性質が出てしまうことも。
子犬から家に迎える場合には、生後3週齢~16週齢くらいの社会化期には積極的に外に連れていき、いろいろな経験をさせてあげることが重要です。ワクチンプログラムが終わっていない場合には、抱っこで外に連れ出してもOK。
社会化期にできるだけ多くの経験をすることで、今後の生活で必要となるベースを作ることができます。
柴の性格の特徴として日本犬特有の「ツンデレ」が挙げられますが、そこにポメラニアンの愛想の良さが加わって、ポメしばは比較的フレンドリーなコが多いようです。
中にはポメラニアンの性格が強く現れた甘えん坊のコも。柴っぽい見た目で全力で甘えてくれるポメしばは、柴犬オーナーさんから見るとうらやましく感じられるかもしれません。
ポメしばの性格や特徴を踏まえ、効果的なしつけをしましょう。
ポメしばは、賢く物覚えが良いと言われています。両親ともに飼い主さんのことが大好きなタイプなので、教えたことができたら大げさにほめてあげることが大切です。
「ほめられて嬉しい→教えられたことをきちんとする→またほめられる」というプラスのループになるよう、ほめて伸ばすしつけを心がけましょう。
ポメラニアンも柴犬も飼い主さんに従順な犬種であることが知られています。そのためポメしばにもその傾向が見られ、早い段階で信頼関係を築いてしまえばあとのしつけがグッと楽になります。
逆に信頼関係がしっかりと築けないまましつけをすると、あまり言うことを聞いてくれないということもあるので、まずはしっかりと愛犬の信頼を得ることが重要です。
愛犬にはできるだけ健康で長生きしてほしいですよね。平均寿命やかかりやすい病気を知っておくことで、病気の早期発見ができるようになったり、あらかじめ予防できることもあるので、ぜひ知識として蓄えておきましょう。
ポメしばの平均寿命は12~15歳くらいだと言われています。ですが、飼育環境やフードなどによって寿命は大きく変わるものでもあります。健康で長生きしてもらうために、飼い主さんができる努力は惜しまずしてあげましょう。
一般的にミックス犬は純血種に比べて病気が少ないと言われることもありますが、両親から遺伝性疾患やかかりやすい病気を受け継いでしまうこともあります。ポメしばと一緒に暮らすにあたって、どんな病気に気をつければいいのか、その代表例をご紹介します。
柴犬に多いとされる皮膚疾患ですが、ポメしばにも発症してしまうことがあります。
こまめなブラッシングは抜け毛対策だけでなく、皮膚のムレを減らし、血行を良くするという意味でも重要です。
また、普段から愛犬の体をよく観察し触っておくことで、腫れや発疹などの異変にすぐ気づけるようにしておきましょう。
膝蓋骨脱臼は、小型犬に多い病気と言われていますが、柴にも発症するケースもあるため、ポメ柴と生活する際にも気をつけなければなりません。
膝の皿部分がずれてしまう病気で、愛犬がいつもと違う歩き方をしていたり、足を痛がるようなしぐさをしていたら膝蓋骨脱臼を疑ってみましょう。ただ、初期の段階では痛みが伴わないこともあるため、判断が難しい病気でもあります。
先天的な原因と、高いところから落ちてしまったり転倒したりなどの外傷的な原因でも起こります。早期発見が肝心なので、ちょっとでも愛犬の足に違和感を感じたら迷わず動物病院で受診しましょう。
ポメラニアンと柴のいいとこ取りのポメしばは、見た目のかわいさもさることながら、性格も尖った部分がほとんどなく、純血種よりも飼いやすいという声もあります。また、従順で飼い主さんが大好きという気持ちが強いところに癒やされる方も多いでしょう。
愛犬との信頼関係をずっと維持するために、惜しみない愛情をそそぎお互いに幸せな生活を目指しましょう。