うちのチロルの場合、ワクチンが完了し、ようやくお外に出れるようになったのは、うちに来てから2週間ほど経ったころです。
家の中では大人しくしていることが多いチロルですが、玄関を出た瞬間から明らかに目がキラキラと輝いていました。心なしか姿勢もよくなり、耳をピンと立て、弾んだ足取りで元気よく家を飛び出すチロル。
それからは、道端の草を嗅いでは、軽くリードを引いても歩き始めようとしないほど、情報収集に夢中です。
そして、空き地に入ったとき、何かを食べたのです!慌てて近づくと「じゃりじゃり、ぼりぼり」と音が聞こえてきて、口を開かせると砂利を噛んでいました。
調べてみると、犬が砂利を食べるのは、子犬の時期に見られがちなことのよう。これは自然行動の一種で、人間の赤ちゃんと同じように、何にでも好奇心を示し匂い触って食べられるのかを確かめているようです。
加えて、どうやら飼い主の関心を引くために、そうした行動をとる子もいるとのこと。だったら、騒ぎすぎないことが大事なはず。それに、少しの量であれば、うんちと一緒に体の外に出てくれるし・・・。
しかし、注意しなければいけないのは砂利の大きさでしょう。5㎜以上だと、内臓に詰まる可能性もあるらしく、それはとても危険です。チロルの場合は、その後体調に異常がなかったので良かったものの、もし排泄など様子に異変があるようだったら、すぐに動物病院に相談すべきですね。
チロルは散歩中に草を食べることが好きで、道端に自生しているとげとげの草(メヒシバ)を食べては吐いてしまうことがよくありました。
お散歩を始めた当初は、食後10分~1時間後にお散歩に行っていたので、食べたばかりのごはんを全て戻してしまっていたのです。
犬たちは、胃がムカムカしているな~と感じた時に、草を食べることがあるようです。
しかし、よく調べていくと、食後のお散歩には別の問題があることが分かります。ごはんを食べてすぐお散歩に行くと、「胃捻転(いねんてん)」や「腸捻転(ちょうねんてん)」を引き起こす可能性があるため危険だということです。
皆さんはご存知のことかもしれませんが、私たちはそれを知らずに3歳になるあたりまで、ごはんの後にお散歩をしてしまっていました・・・。もしかすると、チロルが食後のお散歩で草を食べていたのは、胃捻転が起こりかけて気分が悪かったので、吐いて解消しようとしたのかもしれません。
気になったので、病気のことを少し調べてみました。
「胃捻転」「腸捻転」は、文字通り「胃や腸がねじれてしまうこと」だそうです。ねじれが生じると、食べたものを送り出すことができなくなってガスが発生し、更に症状が深刻化します。
なんと、発症後わずか数時間で亡くなってしまう子もいるほど危険性の高い病気だったのです。
発症すると、お腹が膨れてきたり水を異常に飲んだり、大量のよだれが出る、空吐きをするなど、普段とは違う行動や様子を見せるようになるみたいなので、こんな症状が見られたらすぐ病院に行った方がいいです。
これは、チロルに言えることだったのですが、犬の胃捻転・腸捻転の発生原因の多くは食後の運動(散歩)と言われています。
病気について知ってからは、ごはんからのお散歩という順序をやめて、消化にいいような物を与えるようにしています。そして、早食いも良くないようなので、チロルには2・3回に分けてごはんを与えるよう工夫しています。
今でもお散歩が大好きなチロルですが、砂利を食べたり、草を食べたり、そこから良くない習慣が分かったりと、飼い主にとっては色々と学ぶことのあったお散歩デビューとなりました。
今では、吐くこともなくなり、お互いに楽しくお散歩をしています。最も大事なのは、愛犬が何か変な行動や様子を見せたら、放っておかずに自分でもいろいろと調べて、何か間違ったことがなかったか振り返ることです。
大事なチロルのためにも、これからも少しの異変でもすぐに気づけるよう見守りたいです。
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