
譲渡会とは、新しい飼い主さんを探している保護犬と、里親希望さんの「お見合いの場」と考えると分かりやすいと思います。主に飼育放棄で手放された犬たちが新しい飼い主さんを探すために、多くの人に知ってもらう場として譲渡会が開催されています。
譲渡会に来ている犬はリードで繋がれていたり、小さなドッグランのようなサークルに数匹ずつ入っていたりするので、近くに行って触れ合うことも可能です。
動物愛護センターや保護施設に直接行くのは少し抵抗があるという方も気軽に覗けるのが譲渡会なので、気軽に参加してみましょう。
すべての動物保護センターや保護団体が譲渡会を開催しているわけではないのですが、定期的に開催している団体も多いので、お住まいの地域にある愛護センターや保護団体の情報をチェックしてみましょう。
譲渡会の開催については、愛護センターや保護団体のホームページやSNSで「譲渡会のお知らせ」として告知されることがほとんどです。 不定期に開催されている場合は、団体に問い合わせをして次回の開催予定を確認してみると良いでしょう。
全国各地で行われている譲渡会ですが、開催される時期や場所にも共通点があります。 基本的に保護犬たちの負担にならない時期や場所で開催され、時間も短時間で終わるなどの配慮がされています。
譲渡会は全国の様々な場所で行われています。
動物愛護センターが開催する譲渡会は各県の動物愛護センター内で行われるのが一般的です。
保護団体の施設は駅から離れた場所にあることが多いため、施設ではなく人が集まりやすい場所で開催されることが多いです。
たくさんの人の目に留まると里親さんが決まる確立も上がるので、駅前や大きなイベント内の一角で開催されることもあります。車が無くても行きやすい場所だと気軽に行けて嬉しいですよね。
屋内や屋根下で行われる譲渡会は1年を通して開催されることが多いのですが、屋外の場合は真夏の時期(7月・8月)に休む団体がほとんどです。これは暑さによる犬たちへの負担を考えた対策なので、保護施設に行けば犬に会うことが出来ます。
逆に東北や北海道などの寒い地域では、真冬の時期は譲渡会を開催しない団体もあります。
開催の頻度に関しては各センターや団体で異なります。
毎週末に開催していることもあれば、月に数回や不定期での開催など様々です。保護頭数の多い団体は定期的に譲渡会を行う傾向があります。
譲渡会を開催しない団体もあるので、ホームページやSNSに情報があがっていない場合は問い合わせて確認してみましょう。
譲渡会に参加すると感じると思いますが、かわいそうな経験をしてきた小さな命を思わず抱き上げたくなります。しかし、譲渡会に参加している保護犬たちの中には、人見知りをする犬もいます。犬たちに余計なストレスがかからないようにするために、決められたルールは必ず守るようにしましょう。
また、気に入った犬がいて里親希望の旨を伝えても、譲渡会当日には犬を連れて帰れないことがほとんどです。
譲渡会では必ず主催団体が定める注意事項を守るようにしましょう。
勝手にオヤツをあげたりする行為はもちろん禁止ですし、大声を出したり勝手に抱き上げたりすると犬は驚いてしまいます。
すべての犬が触られることを好むとは限らず、知らない人に触られることにストレスを感じてしまう犬もいます。犬を撫でたいときは、必ずスタッフに確認をしてから手を出すようにしましょう。
「譲渡会に行くと気に入った犬を持ち帰れる」と思っている方が実は意外と多いのですが、譲渡会当日に犬は連れて帰れません。これはどこのセンターでも保護団体でも共通しています。
譲渡会で家族として迎えたい犬が見つかった場合、センターや保護団体のスタッフに里親希望の旨を伝えて申込みをします。その後家族全員での面談や家庭訪問を経てからの正式譲渡となるので、実際に犬を譲渡してもらうまでに1?2週間はかかると考えておきましょう。
皆さんが住んでいる地域でも、きっと保護犬の「譲渡会」は開催されています。訪問時のマナーを守る必要はありますが、今は保護犬を迎えたい思っていない方でも、少し立ち寄って保護犬たちに会ってみてはいかがですか?譲渡会は、愛護センターや保護団体に直接行くのは緊張してしまう…という方にはおすすめの場所です。スタッフと話をすれば、今回の譲渡会に参加していない犬についても教えてもらうことが出来ます。一般的に譲渡会は、予約・事前申込みなどの必要はないので、ぜひ気軽に立ち寄ってみてください。もしかしたら素敵な出会いがあるかもしれません。
大森 きこ/ドッグライター
家族で出来る範囲での保護活動をしています。今まで小型犬から大型犬まで様々なコたちと出会い、新しい家族を見つけるお手伝いをしてきました。どんなコでも迎えてあげられるようにと、現在はペット看護師の資格を取るための勉強中です。