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犬にまつわる雑学

2019.12.02

保護犬ってどこから来たの?保護犬の実態と保護される理由

犬を飼いたい方や飼っている方は、保護犬という言葉を聞いたことがあると思います。近年では「ペットショップで飼わずに保護犬を引き取ろう」という言葉もよく耳にしますよね。でも一体どうして“保護される”犬になってしまったのでしょうか。その理由には多頭飼育崩壊や飼育放棄がありますが、一概に他人事だとは言えないような理由もあります。保護犬がどうして保護されるのかという理由を知り、万が一の時に愛犬が健やかに暮らせるよう家族で話し合ってみませんか?

Author :大森 きこ/ドッグライター

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保護犬ってどんな犬?

保護犬

保護犬とは、迷子の犬や家庭の事情で飼育が困難になった犬、ブリーダーや多頭飼育が崩壊して保護された犬など、新しい飼い主さんを探すために保護されている犬のことを言います。

家庭犬として飼育されてきた保護犬は人懐こい犬が多いですが、もちろん人馴れしていない保護犬もいます。保護犬を飼いたいと思ったら、犬の性格と自分のライフスタイルを照らし合わせた上で犬を決めることが大切です。

迷子犬は鑑札を付けていれば飼い主を特定出来るためすぐに家に帰ることが可能ですが、現在迷子犬として保護されている犬の多くは鑑札を付けていません。犬を飼っている人は万が一飼い犬が迷子になってしまった時の為に、常に鑑札を首輪に付けている必要があります。

平成29年度の殺処分数は8000頭越え

環境省の統計資料によると、平成29年度の1年間で保健所や動物愛護センターが引き取った犬は38,511頭、そのうち飼い主が決まらず殺処分になった犬は8,362頭でした。(殺処分数には保管中の病気などによる自然死も含まれます)

この引取数は保健所・動物愛護センターのみのものなので、保護団体へ直接持ち込まれた犬や里親募集サイトに掲載されている犬を合わせたらものすごい数になることでしょう。

2012年には法律で犬の引き取りを拒否出来るルールが出来たこともあって殺処分数は年々減り続けてはいるものの、その分ボランティアの保護団体や殺処分を実施しない動物愛護センターへの負担が大きくなっているのが現状です。

保護犬の実態

保護犬

保護犬というと、雑種やミックス犬をイメージする方は多いのではないでしょうか。その通りで雑種・ミックス犬も多いのですが、実はペットショップでも人気上位の小型犬の数もとても多いのです。その理由と、保護犬の実態を解説していきます。

人気の小型犬種が多い

保護犬の中にはペットショップでも人気上位に入るような小型犬が多くいます。値段の安さや分割払いが可能になったペットショップで簡単に犬が買えるようになったことが理由の一つにあります。簡単に買えることで簡単に手放してしまう人が増えたのです。

また、小型犬は体が小さいというだけでかかるお金やしつけに要する時間は大型犬とさほど変わらないため「飼ってみたら意外と大変だった」「噛むようになった」という理由で手放されることが多くあります。

一定期間飼い主が見つからなければ殺処分されてしまうことも

最近では殺処分を実施しない動物愛護センターが増えてきていますが、まだ殺処分を実施しているセンターもあります。

殺処分までの日数は正式には定められていない為、各自治体によって日数が異なります。通常4日~7日間の保管期間が多いですが、飼育上なにも問題が無いと判断された犬に関しては新しい飼い主さんが決まるまでセンターで飼育されることもあります。

中には野生化してしまった犬もいます

手放されたり脱走した犬の中には、山や茂みで生き延びている犬もいます。その大半はミックス犬で、体が丈夫なため野生化してしまい、なかなか捕まえることも出来ません。

タイミング良く捕獲出来たとしても、人馴れしていない野生化した犬を家庭犬としてしつけるのはとても根気がいります。 保護団体や動物愛護センターではトレーナーと連携し、1匹でも多くの野生化してしまった犬を家庭犬として譲渡するために日々頑張っています。

犬が保護される理由ってどんな理由があるの?

保護犬

保護犬とは一体どのような理由で保護されることになったかご存知ですか? 理由は主に、家庭からの飼育放棄と多頭飼育崩壊による保護に分けられます。それぞれ状況は違えど「人間都合」によって保護犬が作られてしまっているのは共通しています。

犬を飼っている方やこれから飼おうと考えている方は、突然の出来事が起きた時に犬をどうするかを家族でしっかり決めておきましょう。

飼育放棄・虐待による保護

<一般家庭から飼育放棄される主な理由>

・問題行動を起こすから
・飼い主さんの死亡または病気
・金銭的な問題
・離婚や引っ越し

これらが全てではなく家庭によって様々な事情がありますが、全てに共通することは「人間の都合」であるということです。 問題行動を起こしてしまうのも結局は飼い方の問題であり、改善する余地は十分にあります。

また、ネグレクトや虐待などという適切な飼育が出来ていない場合にも、飼い主との話し合いにより保護するケースがあります。

ブリーダー・多頭飼育崩壊による保護

ペットショップに卸すための犬を大量に繁殖させているブリーダーが存在することをご存知でしょうか?大抵は非常に劣悪な環境で繁殖を繰り返し、繁殖出来なくなった母犬や病気の仔犬は淘汰されてしまいます。

しかしこのようなブリーダーも近年の動物愛護意識の高まりにより強制的に廃業させられたり、資金繰りが続かなくなって廃業することが多くなりました。その際に保護された犬たちは、主に動物保護団体に引き取られ新たな飼い主さんを探すことになります。

保護犬を作るのは人間。保護犬を救うのも人間

保護犬

結局のところ、保護犬を作っているのは人間であり、保護犬を救うことが出来るのも人間です。近年では殺処分をゼロにするという取り組みが全国各地で行われていますが、殺処分がゼロになっても飼育放棄する人がいなくならなければ保護犬はなくなりませんよね。私達ひとりひとりが出来ることは、飼育している犬を最後まで責任を持って面倒を見ることです。殺処分だけではなく「保護犬」もゼロにするために、犬を飼う際はしっかりと家族で考えるようにしましょう。

◎ライタープロフィール
大森 きこ

大森 きこ/ドッグライター

家族で出来る範囲での保護活動をしています。今まで小型犬から大型犬まで様々なコたちと出会い、新しい家族を見つけるお手伝いをしてきました。どんなコでも迎えてあげられるようにと、現在はペット看護師の資格を取るための勉強中です。

  • 公開日:

    2019.11.22

  • 更新日:

    2019.12.02

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