しつけは「何歳から始めればよい」というものではなく、家族として迎え入れたらその日から始めなければなりません。というのも、生後3ヶ月ごろまでは、あらゆることをどんどん吸収していく時期だからです。
生後3ヶ月以降に飼い始めた場合でも、もちろんしつけは可能ですが、どんなに遅くても生後1年までにはしつけを完璧にしておいた方がよいでしょう。
もともと猟犬であった柴犬は、やや気の強い一面があるため、柔軟に覚えることができる子犬期のうちに教えておかないと、手に負えなくなってしまう可能性があるからです。
しつけは、やってよいこと・悪いことを明確にし、一貫した態度で行いましょう。柴犬は頭がよいため、やってはいけないことをした際に、そのときどきで態度を変えてしまうと、その曖昧さに気付き言うことを聞かなくなることも多くあります。
指示通りにできたら気持ちを込めて褒める、できなかったらやり直して最初から教える、を根気よく行っていきましょう。
柴犬のしつけの悩みとしては、「噛み癖」のしつけや散歩時の「引っ張り癖」のしつけなどが挙げられます。ここでは、それぞれの解決方法をご紹介します。
柴犬のしつけの悩みで多く聞かれるのが「噛み癖」です。柴犬は猟犬の気質を持っていることから、「噛む」という行動を起こしやすいところがあります。
遊んでいる最中に興奮して噛んでくるような場合は、無視をしていったんその場から離れましょう。そして、愛犬の興奮がおさまり落ち着いたら、また遊んであげます。こうすることで「噛んだらつまらなくなる」と認識し、徐々に噛み癖が直っていきます。
散歩の際にリードを引っ張り、飼い主よりも前に出てグイグイと歩こうとすることも少なくありません。
そんなときはその場でいったん止まりしょう。そうすると犬も必然的に歩くのをやめざるを得なくなります。そしてリードが緩んだら再びゆっくり歩き始めます。歩き始めてまた前を歩いてリードを引っ張るようであれば、その場で止まりましょう。
ポイントは、リードがピンと張った状態になったら、一貫してその場で止まることです。これを繰り返していくと、犬は歩きたいため、どれぐらいのペースで歩けばよいのかを考えていくようになります。
そして、リードが緩んでいる状態で歩けているときは、褒めてあげましょう。褒めてあげると「このぐらいの状態で歩けばいいんだ」と認識するようになるからです。
最初は歩けないことに対して不満や戸惑いの仕草を見せるかもしれませんが、一貫して行っていくことで徐々に理解し、飼い主を気にしながら歩くようになっていきます。
しつけを始めるのは、早いに越したことはありません。あらゆることを吸収しやすい子犬のうちから、人間社会で暮らす上で必要となるルールを教えていきましょう。
最初のうちは犬がなかなか覚えてくれないことも多々あると思いますが、それでも一貫した態度で根気よく続けることが重要です。
柴犬はリーダーだと認めた相手にはとても忠実なため、しつけをして信頼関係を築ければ素晴らしいパートナーとなってくれるはずです。
阿片 俊介/クロス動物医療センター 主任動物看護師
茨城県出身。日本獣医生命科学大学を卒業し、認定動物看護師の資格を取得。
千葉県の動物病院に勤務後、動物用医薬品販売代理店にて動物病院への営業を経験。
犬とのより良い暮らしをサポートできるよう、飼い主の方の気持ちに寄り添いながら、安心して正しい情報をお伝えできるよう心がけています。
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