同じ犬でも、暖かい地域で誕生し暮らしてきた犬種なのか、寒い地域で暮らしてきた犬種なのかによって、寒さに対する耐性が異なります。
また、骨格の小さな小型犬や、身体を覆う被毛が短い短毛種は寒さに弱い傾向があります。
こういった犬種は、寒いと感じる状態が続くと体調を崩す恐れがあるため、より一層寒さ対策を意識する必要があります。
寒さに弱い犬種の一例
寒さに強い犬種の一例
被毛が二重構造のダブルコートの犬種の場合、多くは寒い地域で暮らしてきたため、アンダーコートの保温性が高く比較的寒さに強いと言えるでしょう。
一方、南国育ちであることが多いシングルコートの犬種は、アンダーコートを持たない分、寒さに弱いとされています。
また小型犬の場合は体積に対して表面積が広くなるため、放熱しやすいと言われています。
人が冬に快適と感じる室温は18度~22度、湿度は45%~60%程度です。それに対して、犬が快適と感じる室温は犬種によって違いがあります。
一般的に、寒さに強い犬種は15度~20度、寒さに弱い犬種は20度~25度が適温、湿度は50~60%くらいが過ごしやすいとされています。
暖房を使うと空気が乾燥するので、湿度のチェックも重要です。濡れたタオルを干したり加湿器を活用したり、愛犬が快適に過ごせるように部屋の湿度にも気をつけておきましょう。
愛犬と暮らす家庭では、スチーム式の加湿器を使用してしまうと火傷の恐れがあるため、電気を使わず自然気化熱を利用したこちらの加湿器がおすすめです。
自然の力を利用しているため加湿速度の面では劣りますが、電気代もかからず環境にも愛犬にも優しい加湿器です。
元気な成犬の子に比べると、子犬の時期やシニア期は体力に劣るぶん寒さに弱いと言えます。
また基礎代謝が落ちてくるシニア期は、体のエネルギー消費量が少なくなるために体温が逃げやすいのです。
小さく丸まって寝ていたり、あまり水を飲まない時は寒さが原因かもしれません。体が冷えた状態が続くと、筋肉や内臓の働きが悪くなり免疫力が低下することも。
免疫力が下がると、犬も人と同様に感染症にかかりやすい状態になります。
また、持病があるコの場合は寒さが症状を悪化させる原因にもなりますので、しっかりと冷え対策をしていきましょう。
それでは、室内でできる愛犬のための寒さ対策から見ていきましょう。
冷たい空気は部屋の下に溜まります。そのため床の冷たさを防ぐためにも、普段愛犬が過ごすケージの中には厚めのマットや毛布を敷いてあげましょう。
夜は、大きめの布をケージにかけてあげるだけでも寒さ対策になります。
床を温めると、暖まった空気が上昇して部屋全体が暖かくなります。
ただし、犬が暑いと感じたときに移動できるよう、涼しく感じられる場所も確保しておいてあげましょう。ただし、あまり熱くすると低温やけどの可能性も出てきます。注意しましょう。
火傷の心配が少ないオイルヒーターは、犬や小さなお子様がいるご家庭でおすすめなアイテムです。
ただし、乾燥により、皮膚のデリケートな子などはトラブルを起こしがちです。加湿器も併用するなど気を付けてあげてくださいね。
暖かい空気はどうしても上昇してしまうため、犬が過ごす床のあたりと温度差ができてしまいます。
そんな時はサーキュレーターなどで室内の空気を循環させれば、まんべんなく暖気が行き渡るでしょう。
一概に「冬」といっても日本全国の暮らす地域によって、その寒さは異なります。特に、積雪エリアでは、寒さ対策はもちろん、雪の対策も必要となってきますよね。ここでは、どんな地域でも活用できる、一般的なお出かけ時の犬の寒さ対策について、ご紹介していきます。
たとえ寒い冬の季節だとしても、愛犬にとって毎日の散歩は飼い主さんとの大切なコミュニケーションの時間です。犬も飼い主さんとのお散歩を楽しみにしているはず。
冬場は気温が低い早朝や夜を避けて、太陽が出ている時間帯にお散歩に出かけるようにしましょう。
寒がりなコ・寒さに弱い犬種のコには、保温機能の高い冬用のウェアを着せてあげるのもおすすめです。
最近では、雨や雪など被毛ができるだけ濡れないように身体にフィットするタイプの本格ウェアが人気を集めています。
愛犬の身体やお出かけ先・天候に合わせて、いくつかチョイスできるようにしておくといいですね。
竹から作った竹布(タケフ)素材で作られたこちらのウェアは、素材の性質上【摩擦が少ない】【静電気が起きにくい】【保温性が高い】【消臭性が高い】【抗菌性が高い】と嬉しいメリットがいっぱいです。
こちらは、スヌード付きでほぼ全身を覆ってくれるレインコートです。夜のおさんぽでも安心の反射板付きです。
冬の寒い時期は、寒いだけでなく空気が乾燥していることで免疫や血液循環が悪くなるため、さまざまな病気のリスクが発じます。
寒い時期だからこそ気を付けたい病気をピックアップしてみたいと思います。
寒くなると飲む水の量も減ってしまいもともと尿結石など腎臓系のトラブルを持っていた子は悪化することがあります。
尿が濃くなってミネラルが結晶化し、尿道や膀胱などに溜まりやすくなってしまう傾向になるためです。
もし結石となって詰まってしまえば、尿閉塞の原因となるため注意が必要です。
そうならないためにも冬場でもしっかりとお水を飲ませ、チェックしてあげるようにしましょう。
急激な運動や興奮をさせるのは避けましょう。室内外での気温差に加え心臓に負担がかかり、循環器系の病気をさせてしまうことがあります。
特にシニア期の小型犬は注意が必要です。
冬場の乾燥は、鼻やノドの粘膜の働きが弱まって免疫が低下します。細菌やウイルスに対する抵抗力も弱まるため、呼吸器系の病気が起こりやすくなるのです。
もし寒い時期に犬の咳や呼吸の仕方や音がいつもと違う場合、何らかの病気を疑ったほうが良いかもしれません。
またヒーターやストーブの周囲は乾燥していますから、十分な湿度のある環境を保つようにしましょう。
人間もそうなのですが、寒い時期は筋肉や関節が強張ってしまうもの。特にシニア犬などは体がこわばった状態で急激な運動をさせると、関節に負担がかかって炎症を起こしたり、神経が傷ついてしまうことがあります。
またフローリングなど滑りやすい床材は、関節の大きな負担となりますから、カーペットを敷くなどの対策が必要です。
今回は「犬の寒さ対策」についてご紹介しました。特に、子犬・シニア犬、病中病後のコは、天候の影響を受けやすいものです。
寒い冬をあったかく快適に乗り越えられるように、室内・室外どちらの視点を持ち、上手に工夫をしていきましょう。