カーミングシグナルは犬のコミュニケーション方法の一つです。犬はカーミングシグナルを用いて、不快感や落ち着かない気持ちを相手に伝えたり、自分の気持ちを表現することで空気の緊張感を和らげ、喧嘩を避けようとします。また、カーミングシグナルは相手に善意を示すために使われることもあります。
犬はどんな犬種にも関わらずカーミングシグナルを用いたコミュニケーションをします。しかし、犬種によって体のサイズや形が異なるので、カーミングシグナルに気付きにくい犬種もいます。
様々な種類がありますが、カーミングシグナルは非常に些細で、気付くのには少しコツがいるかもしれません。また、ストレスの度合いによってカーミングシグナルの大胆さにも差があると言われており、ストレスが少ない場合には、さらに気が付きにくいと言われています。ここではカーミングシグナルの種類をいくつか紹介していきます。
多くの犬は心地悪い時にあくびをします。これは眠いからではなく、自分がストレスを感じていることを相手に伝えるためです。
ストレスを感じた時に鼻を舐める犬がいます。下を少しだけペロッと出して舐める場合もあれば、何度も大きく鼻を舐める場合もあります。
これは見逃しやすいカーミングシグナルの一つですが、犬はストレスを感じていると顔を強張らせる場合があります。顔を強張らせるのは非常に些細な変化なので、日頃から犬の表情を注意深く観察しないと見逃してしまうかもしれません。
雰囲気を和らげようとしている犬は耳を後ろに倒す場合がよくあります。また、犬によっては耳を立たせる場合もあります。耳の変化でカーミングシグナルを読み取る場合は、日頃から犬の耳の位置に注意を払う必要があります。耳がいつもとは違う位置にあったり、違う動きをしている場合はカーミングシグナルの可能性があります。
足を持ち上げるのは小型犬に特に多いカーミングシグナルです。足を地面に付けづに少しだけ浮かす犬もいれば、胸下の高さにまで持ち上げる犬もいます。しかし、ポインターなどの犬種が足を持ち上げるのは本能であり、カーミングシグナルではないので、注意が必要です。
カーミングシグナルに気が付いたら、犬のストレスを和らげるようにすることが大切です。人が行なっていることで犬が不快感を覚えているのであれば、それをできる範囲でやめることが大切です。
また、犬同士が遊んでいる時にカーミングシグナルを出している場合は、犬同士で解決する場合があるので過剰に心配する必要はありません。しかし、犬のカーミングシグナルに相手の犬が気づかず、緊張感が高まっているのであれば、犬同士を離すことをおすすめします。ストレスが溜まりすぎると犬同士の喧嘩の原因になってしまう危険性があります。
人と犬はコミュニケーション方法が異なり、犬の気持ちを理解するのを難しいと感じる方がたくさんいらっしゃいます。しかし、人が犬のカーミングシグナルを学び、それに気付けるようになることで、愛犬の気持ちに寄り添い、愛犬のストレスを軽減してあげることができます。ぜひとも普段の愛犬の様子を観察して、愛犬のカーミングシグナルを見極められるようになってくださいね。