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犬がうんちをできずに踏ん張っている様子
健康管理 / 病気

2021.01.06

【獣医師監修】犬がうんちをしないのはなぜ?対処法や考えられる病気をチェック!

犬がうんちをしない状態が続いたら、便秘になっている可能性があります。犬も様々な原因により便秘になることはありますが、便秘の状態が続くのは好ましくありません。今回は、犬がうんちをしないときの理由や考えられる病気、対処法と予防についてご紹介していきます。

監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:関 ゆりな)

犬は何日うんちが出ないと便秘というの?

犬が便秘で動物病院にいる様子

犬が1日にするうんちの回数は1~2回程度が一般的ですが、1日に5回以上する子もいたりと個体によって様々です。特に子犬のうちは1日のうんちの回数が多く、成長と共に自然と減っていきます。では、犬は何日うんちが出ないと便秘とされるのでしょうか?

2日以上排便がないのは便秘?

人間の場合は、一般的に3日以上排便がないと便秘と呼び、中には1週間以上も便秘が続く方も少なくありません。
犬の場合は明確な基準はありません。うんちが出ない以外に、いきんでいたり、吐き気、食欲不振などが見られる場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。

変化に気付くための記録をとる

毎日うんちをしていた子が、2~3日間うんちが出ていないだけでも異常とされますので、異変に気付くための猶予はあまりありません。

個体によってうんちをする回数や頻度は異なるため、毎日愛犬がどのくらいの回数をしているのか記録しておきましょう。そうすることで普段よりもうんちの回数が急に増えたり、減ったりする異変にすぐに気付くことができます。

犬がうんちをしないときの理由と対処法

大型犬が水分補給をしている様子

愛犬が元気で食欲もあるのにうんちをしない原因として、水分不足やトイレの環境が適切でない、運動不足などの可能性があります。ここでは原因とともに自宅で行える対処法についてご紹介していきます。

1.水分を補給させる

犬の1日の水分摂取量は、食事や運動量、環境などによって異なりますが、大体の目安として体重1kgあたり40~60mlと言われています。それだけの量の水を飲んでいないと、慢性的な水分不足になります。
元々あまり水分をとらない犬もいますし、気温が低くなると水分が不足していても、なかなか自分で飲んでくれないこともあります。こういった場合は、水を飲ませるのにも工夫が必要です。

対処法としては、ドックフードにぬるま湯をかけてふやかす、鶏肉などの茹で汁を混ぜて風味を追加させる、水分の多いウェットフードを混ぜるなどの方法があります。

2.トイレ環境を確認

愛犬がうんちをしないのは、トイレ周りの環境に原因があるかもしれません。神経質な犬は、汚れたままのトイレが嫌でうんちをしたくても我慢してしまうこともあります。
また、トイレトレーの置かれた場所が、人の出入りが多かったりすると、落ち着いてうんちをすることができないため我慢してしまうこともあります。

こんなときは、トイレの場所を落ち着いて排泄できるところに移動させたり、トイレをこまめに掃除して清潔に保つなどして快適にうんちができる環境にしてあげましょう。

3.運動させる

運動不足が続くと腸の動きが悪くなり、うんちが出にくくなってしまいます。

そんなときは、散歩の時間を少し長めにしてみましょう。雨や雪などの悪天候で散歩に行けない日は、室内での運動時間を増やしてあげるとよいでしょう。運動することで腸の動きが活性化されるため、うんちが出やすくなります。

また、ストレスが便秘の原因になることもあります。散歩や運動を行うことで便秘解消とストレス発散をすることができるので、まさに一石二鳥です。

犬がうんちをしないときに考えられる病気

犬が異物誤飲をしそうな状況

犬が急にうんちをしなくなったときには、病気が原因の場合も考えられます。ここでは犬がうんちをしないときに考えられる病気について紹介します。

異物誤飲

誤飲は、病気ではありません。しかし、誤飲することで様々な病気を引き起こしてしまうことがあるため、注意が必要です。もし犬が、消化できない異物を誤飲してしまい、うまく排泄されない状態が続くと便秘だけでなく、腸閉塞になる危険性もあります。
もし食べ物以外のものを誤飲したときは、すぐに病院にいきましょう。また、うんちと一緒に排泄される場合も多いため、誤飲後は排泄物のチェックも欠かさずに行いましょう。

特に、子犬は好奇心旺盛でなんでも口にしてしまうため、誤飲事故が多く発生します。犬が誤飲をしないように日頃から犬が届くところに余計なものは置かないようにしましょう。

腫瘍・ガン

直腸内や直腸付近などの消化器官での腫瘍やポリープ、リンパ節の肥大などがあると便秘になることがあります。
なぜなら腫瘍やポリープにうんちの通り道である腸が圧迫されるため、うんちが肛門まで到達できないからです。そのため、便秘やしぶり(便が出ないのにもかかわらず排便の姿勢をすること)の症状が起こります。

前立腺肥大

前立腺肥大は、6歳以上の去勢していない犬に多く発症すると言われている病気です。前立腺肥大は、雄犬に限定される病気です。
膀胱の下にあり尿道を囲むように存在する前立腺が肥大することで直腸が圧迫され、うんちが出づらくなります。また、尿道も狭くなるためうんちだけでなく、オシッコが出にくくなり、少量ずつしか出すことができなくなります。

犬の便秘を予防する方法

犬が人間の膝に手を置き、こちらを見上げている様子

犬の便秘は、日頃から予防策をとることである程度は解消することができます。便秘になるとお腹がはる、うんちをしたいのに出ない等、つらいことばかりです。愛犬にそんなつらい思いをさせないために便秘の予防法を2つご紹介します。

フードの内容を確認

犬がうんちをしなくなった場合、まずはあげているフードの内容を確認してみましょう。トウモロコシや小麦など穀類の割合が多いと消化しづらく体質に合っていないフードの場合、便秘になる可能性があります。
その場合は、野菜などの食物繊維が多く含まれるものや、肉類中心の消化器のことを配慮したフードに変えてみると良いかもしれません。

マッサージ

人間の便秘にもマッサージが効果的なように、犬の便秘にも効果があります。マッサージすることによって、腸の動きを活発にすることができるからです。
愛犬が便秘のときは、お腹をやさしく手のひらでマッサージしてあげましょう。愛犬とのスキンシップを楽しみながらマッサージするとリラックス効果もあり、ストレスの緩和にもなります。

犬がうんちをしない状態が続くなら病院へ

便秘の子犬が動物病院で診察を受けている

犬も人間と同じように数日便秘が続くと、苦しい思いをします。便秘には、病気が隠れていることもありますから、。ただの便秘と思わずに、しっかりと食欲や水を飲む量、元気の有無含め愛犬の様子を観察しましょう。便秘の状態が続いているようなら、早めに病院にいって原因を見つけてもらいましょう。

  • 公開日:

    2019.11.07

  • 更新日:

    2021.01.06

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ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。