鶏ささみは犬が食べても問題ない食材です。しかし生の状態だと感染症のリスクがあることから、必ず茹でてから与えるようにしましょう。おやつとして与えたり、愛犬の食欲が落ちているときドライフードにトッピングしたりなど、いろいろと活用できます。
また、鶏ささみの茹で汁も有効活用するとよいでしょう。水をあまり飲まない犬などは、程よく風味がついている鶏ささみの茹で汁であれば飲むことも少なくありません。そのため水分補給に役立ちます。また、食欲がないとき、ドライフードにかけてふやかすとよく食べてくれることもあります。
愛犬に鶏ささみをあげる量は、1日に必要な総カロリーの10%未満にとどめるようにしましょう。一度にたくさんあげすぎると下痢や消化不良になることがあるからです。
また、鶏ささみにはミネラルの1種であるリンが多く含まれています。リンはカルシウムと共に骨格強化を担っていますが、リンを過剰に摂取するとリンとカルシウムの適正な比率が保たれず、カルシウム不足になり骨が脆くなる可能性があります。よって、与えすぎに注意するようにしましょう。
愛犬の健康を損なわないために、鶏ささみを与える際は以下に注意しましょう。
肝疾患や腎疾患を抱えている場合、リンを過剰に摂取すると内臓に負担がかかり疾患を悪化させる恐れがあります。そのため食べさせてもよいのか、獣医師に相談するようにしましょう。
鶏肉にアレルギーを持っている犬もいるので、少量ずつ与えて様子を見るようにしましょう。鶏ささみを食べた後に下痢や嘔吐、目の充血、皮膚を痒がるなどが見られたらアレルギーの疑いがあります。動物病院で診察を受けるようにしましょう。
鶏ささみには、主に以下のような栄養素(※1)が含まれており、犬の健康維持をサポートしてくれます。
タンパク質は筋肉や内臓機能、皮膚や被毛など、あらゆる組織の健康維持に欠かせない重要な栄養素です。不足すると成長不良や体重の減少、被毛のパサつきなどが起こります。
鶏ささみにはビタミンB群が多く含まれていますが、その中でもナイアシンが特に豊富です。ナイアシンは糖質や脂質、タンパク質の代謝を助ける働きをする栄養素です。また、皮膚や粘膜の健康維持の役割もしています。
リンはカルシウムと共に、歯や骨を構成する役割をしています。また、腎臓や心臓の健康維持や神経伝達などにも関わっています。
カリウムは、ナトリウムとバランスを取りながら細胞内液の浸透圧を調整し、血圧の上昇を抑える働きがあります。加えて、神経伝達や筋肉の収縮などにも関わっています。
多くの犬が好んで食べるおやつといえば、やはりジャーキーですよね。そこで鶏ささみのジャーキーを手作りしてみてはいかがでしょうか。手間なく簡単に作れるので、犬のおやつを作るのが初めての方におすすめです。また、保存がきくのも嬉しいポイントです。
1.鶏ささみを5mm幅にスライスし、オーブンペーパーを敷いた天板に並べる
2.150度に熱したオーブンで30分焼き、100度に下げたのち20分焼く
3.オーブンに入れたまま冷まして完成
犬にとってタンパク質は、体を構成する上で重要な栄養素となりますので、低カロリー・高タンパク質の鶏ささみは、犬にとってもメリットいっぱいです。ただし与え方には注意しましょう。一度にたくさん与えてしまうと下痢を起こしたり、カルシウムとの適正な比率が保てなくなったりしてしまいます。また、疾患を抱えている場合は、必ず獣医師に相談した上で食べさせるようにしましょう。上手に活用して愛犬の健康をサポートしてあげてください。
▼下記の資料を参考に執筆しました。
(※1)厚生労働省 e-ヘルスネット