まずはイギリス出身の犬種からご紹介します。
「ヨーキー」の愛称で親しまれているヨークシャー・テリアは、19世紀にイギリスでネズミを捕獲することを目的として、複数のテリア種やマルチーズを交配して作出された犬です。
守ってあげたくなるようなとても可愛らしい顔立ちをしており、現在も世界中で愛されています。飼い主には絶大な信頼を寄せて愛情深く接しますが、テリア種ならではの負けん気の強さがあるので、頑固で自己主張をする姿も見られます。
また、ヨークシャー・テリアといえば、触り心地のよい滑らかで美しい被毛も魅力です。床に届くほど長く伸びる毛質なので、ロングコートを楽しむこともできます。
均整のとれた力強い体格のゴールデンレトリバーは、親しみの持てる優しい表情や艶やかな美しい毛並みが魅力的な犬です。鳥猟犬として誕生したため体力があり、他の犬種と比べて嗅覚に優れています。加えて、水に入ることを嫌がることも少なく泳ぎが得意なのも特徴です。
とても陽気で人にも犬にも友好的に接することができます。孤独な状態が苦手で、コミュニケーションを積極的に取りたがる性格をしています。
次は、アメリカ出身の犬種を見ていきましょう。
犬種名に「シベリア」とあるので、ロシア原産の犬と思われがちです。しかし、シベリア地方でソリ犬や猟犬として活躍していたシベリアン・ハスキーは、のちにアメリカに渡り、アメリカで交配が進み現在の姿が誕生したことから、アメリカ原産の犬となっています。
おおらかで優しい性格なので、過度に神経質になり自分から攻撃的な態度をとるようなことは、めったにありません。
激しい運動は必要ないものの、非常に体力があるので毎日1?2時間以上の散歩が必要です。
ボストンテリアは、ブルドックとブルテリアを掛け合わせて誕生し、のちに小型化を経て現在の姿になりました。そのため、顔立ちはブルドック系統、体型はテリア系統で、どちらの特徴もよく現れています。
明朗活発で遊ぶことが大好きです。また、優しく温厚で無駄吠えも少ないのも特徴です。ボストンテリアは他の犬種と違い、体重によってライト、ミドル、ヘビーの3タイプに分類されています。
最後に、中国出身の犬種をご紹介します。
シーズーは、ペキニーズとラサアプソを掛け合わせて誕生といわれています。とても歴史が古い犬種で、かつては中国の王朝で暮らしていました。
まん丸の黒い瞳とぺしゃっと潰れたようなマズルで、愛嬌のある表情が大きな魅力です。体をピョコピョコと左右に揺らしながら歩きますが、四肢はがっしりとしています。
シーズーは毛色の種類が多く、ブラックやホワイト、ゴールド、ブルーなどの単色から、パーティーカラーまで存在します。
おおらかで人にも犬にも社交的な上、活発な面と落ち着いた面の両方を兼ね備えており、バランスの取れた性格の持ち主です。
パグは長い歴史を持つ犬で、ペキニーズやチベタン・スパニエルを掛け合わせた上で小型化した犬種と考えられています。
マズルが低くしわくちゃの愛嬌たっぷりの顔立ちと、ずんぐりむっくりとした体型が大きな特徴です。穏やかで優しく、人にも犬にも友好的なので、小さなお子さんがいる家庭でも迎えやすい犬種でしょう。
顔や体のしわ、耳の内側に汚れが溜まりやすいので普段からチェックし、固く絞った濡れガーゼなどで汚れを拭き取ってあげる必要があります。
今回はヨーロッパ、北米、アジアの中からアメリカ、イギリス、中国をピックアップして、それぞれの国の出身犬をご紹介しましたが、ドイツやフランス、オーストラリアやロシアなど、犬種によって出身国は実にさまざまです。
出身国を調べると、その犬種がどのように誕生して現在に至っているのか歴史を知ることができます。興味のある犬種がいるようであれば、出身国をチェックしてみてはいかがでしょうか。