現在、公的に認められている動物看護士としての資格はありません。
ですが、民間団体や専門学校が、独自にアニマルヘルステクニシャンとして認定することで、専門スキルを身につけている人材として動物病院などの雇用先が判断する、一つの基準となります。
それでは、アニマルヘルステクニシャンについて解説します。
アニマルヘルステクニシャンとは先述したとおり、動物病院で勤務し、獣医師の診療や治療のサポートをする仕事です。
必要な能力としては、飼い主とのコミュニケーションもとても大切になります。
ペットの症状を確認したり、カウンセリングを行うことは飼い主との信頼関係もなければなりません。そのため、アニマルヘルステクニシャンには動物に詳しいだけでなく、高いコミュニケーション能力も求められます。
また、犬や猫以外の動物の知識もある程度必要になります。
爬虫類や鳥類も診療する動物病院であれば、それらの動物の知識も身につけることで、アニマルヘルステクニシャンとしてさらに高いレベルで務めることが出来るでしょう。
アニマルヘルステクニシャンの資格取得方法を説明します。
以下のどれかが満たされていることが資格取得条件です。
1. 動物看護に関する3年以上の課程を有する専門学校、短期大学、大学の卒業者
2. 動物看護に関する2年の課程を有する専門学校を卒業後2年以上の実務経験
3. 資格認定委員会が学習及び実技に於いて同等と認め、20歳に達した者
上記のうち、一つでも条件を満たしていれば、アニマルヘルステクニシャンの受験資格を得ることが出来ます。
もし、実務経験がないのであれば、3年制の専門学校や短期大学を卒業するのが早いでしょう。また、実務経験を伴った上で取得したければ、2年制の専門学校を卒業し、その後2年間動物病院で動物看護士として勤めることが必要になります。動物看護に関する学校を卒業していない場合でも、実技に於いて必要な水準に到達しているとみなされた場合は、受験資格を得ることができます。
アニマルヘルステクニシャンの資格試験項目は、筆記、実技、面接の3つがあります。
試験内容は、動物看護に関する知識と技能はもちろん、病院受付業務や飼い主への指導やアドバイス、さらには生命の倫理と職業倫理など多岐に渡ります。
現在、動物看護士として公的な資格はありません。アニマルヘルステクニシャンの有資格者となるメリットをご説明します。
公的資格がないと言っても、幅広い知識を習得しているという点で、就職時に有識者であるという点が有利に働くことは往々にしてあります。
もし、実務経験がなくてもアニマルヘルステクニシャンの資格を取得していれば、最低限の接客やカウンセリング、動物に関する知識は持っていると認識されます。
また、アニマルヘルステクニシャンの有資格者の場合は、雇用先によっては特別手当などが付くこともあり、収入アップに繋がる可能性もあります。
医療の現場は常に新しい発見があり、日々勉強をしていくことが大切になります。
そのため、アニマルヘルステクニシャンになる人は、資格取得後も勉強を続けていくような、勉強熱心な人におすすめします。
そして、もちろん動物が好きなことも、とても大事な要素です。アニマルヘルステクニシャンとして動物医療の現場に立つと、動物に接しない日はないありません。接している時間を苦に感じないほど、動物への愛を感じることができる人におすすめです。
また、人とのコミュニケーションが好きであると、なお良いでしょう。動物たちは、ひとりで通院するわけではなく、もちろん飼い主さんに連れられてやってきます。その飼い主さんは、動物たちのことを家族と思って大切に育て一緒に暮らしているので、様々な不安を抱えて来院します。そんな人たちに、専門知識をベースに相手の立場に立ってアドバイスをするためには、人とのコミュニケーションが苦ではない人が向いていると言えるでしょう。
アニマルヘルステク二シャンの資格を取得することで、動物に関する幅広い専門知識を習得することができます。医療に従事するスタッフや飼い主からの信頼を得ることで、動物看護士のスペシャリストとしてやりがいを感じながら仕事をしてみるのはいかがでしょうか。