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犬の生態 / 気持ち
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2021.05.21

犬の筋肉維持と筋力アップの本当の話。筋肉の特徴と鍛え方【獣医師監修】

犬が健康的な生活を送るために、筋肉の維持がとても重要になってきます。筋肉が衰えると、足腰が弱る原因になったりと老化スピードをより早めてしまうことも。愛犬の健康的なシニアライフをおくるためには、若い頃から筋肉を鍛えて筋肉量を維持させていく必要があります。
そこで今回は犬の筋肉の特徴から、鍛え方、シニア犬の筋力アップなど良質な筋肉を維持するためのヒントをピックアップしていきます。

監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:関 ゆりな/ドッグライター)

犬の筋肉の特徴について

犬 筋肉

犬は、旺盛で活発な筋肉を持っています。体を不自由なく動かすために不可欠な筋肉が、全身の様々な部位についており、部位によって働きや名称が異なります。ここでは、3種類の筋肉の特徴と、それぞれの筋肉の役割について紹介していきます。

3種類の大切な筋肉

骨格筋は、骨に付着している筋で、自分の意志によって動かすことが可能な随意筋です。体重の50%近くを占めている生体内最大の組織で、熱の産生や関節を曲げたり、外部からの衝撃から骨や内臓を保護するクッション材など様々な働きをしています。

心臓だけにある心筋は、自分の意志で動かすことが不可能な不随意筋です。また、血管や気道、腸などのあらゆる場所にある平滑筋も不随意筋に分類され、ホルモンや自律神経によってコントロールされています。

犬の筋肉の鍛え方

犬 筋肉

犬は人のように集中してジムに通ったり、筋トレで筋力アップができる動物ではありません。過度な運動は体を痛めたり、疲労やストレスの原因となります。急に運動量を増やしたり、衝動的に運動させるのではなく、ゆるやかに毎日継続していける範囲の運動を行いましょう。

いつもの運動にプラスαで

日々のお散歩や遊びの中に上手に筋トレを取り入れてみましょう。
例えば、いつもより少し速足で歩いたり、緩やかな坂道などアップダウンのあるルートを選ぶことも筋肉維持につながります。また、お散歩では芝生や砂場、砂利など様々な自然素材の地面を歩かせるのも筋力アップに効果的です。

楽しみながら行えるいつもより少しだけプラスαの運動を取り入れることがポイントです。また、なるべく継続するようにしましょう。痛みのあるような疾患や、運動の継続が難しい場合はできるタイミングで、できる量だけでも十分効果があります。

シニア犬の筋肉アップについて

犬 筋肉

シニア期の犬は、若い頃より筋肉維持により気を付けなければならなくなります。関節なども若い頃よりも関節液の減少等により痛めてしまう可能性が高まります。体に負担をかけないよう、若いころのようなアクティブな運動は避け、室内遊びやゆっくりとしたお散歩を心がけましょう。

体に負担をかけない室内遊び

シニア期に入り動きが鈍くなってもお散歩に出かけることは、筋肉維持だけでなく脳の活性化にも大切です。しかし、暑かったり寒かったりとシニア犬には過酷な時期も多いでしょう。そんな時は、あまり無理をせずに室内で体を動かすことをおすすめします。

例えば、お家にあるものでできる、宝探しゲームは頭と嗅覚を使うと共に、軽い運動にもなります。クッションやタオルの下にお気に入りのおもちゃやおやつを隠したり、おやつを隠せるノーズワークマットを活用してもいいでしょう。

筋肉維持のための食事

シニア犬の筋肉維持のためには、運動以外に大切なポイントがあります。
代謝のいい若いころとは違う栄養バランスの食事になります。一般的には、高タンパク低カロリーのご飯を選びましょう。もし疾患などで療法食が必要な場合は、そちらを優先してください。体の筋力低下を防ぐために、筋肉のもととなるたんぱく質が豊富なご飯が好ましいです。ただし筋肉量の維持は全身の健康があってこそなので、まずはかかりつけの先生に、今の状態で栄養で留意すべき点は何かをまず相談してみてください。

犬の筋肉維持は健康寿命を伸ばす鍵

犬 筋肉

愛犬が健康的な生活を送るために、日頃の運動とバランスの取れた食事による筋肉の維持が大切なポイントになります。突発的に激しい運動を行うのではなく、毎日継続して行える簡単な運動やゲームを取り入れて、愛犬のより快適な老後の生活を目指しましょう。

  • 公開日:

    2019.10.17

  • 更新日:

    2021.05.21

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ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。