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健康管理 / 病気
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2021.03.15

【獣医師監修】犬の白内障ってどんな病気?治療方法や病気との向き合い方

人と同じように、犬にも白内障があることをご存知でしょうか?犬が白内障になると視力が低下して壁や柱にぶつかるようになったり、症状が進行すればブドウ膜炎や緑内障などの強い痛みを伴う病気を続発する可能性があります。ここでは、犬の白内障の原因や治療法、予防法について解説します。

#Healthcare

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:江野 友紀/認定動物看護士)

犬の白内障とは?

白内障の犬

白内障は、目の中の水晶体というレンズが白く濁り、視力が低下する病気です。

白内障の症状

白内障の症状は、4つのステージに分類されており、段階を経て進行します。

1.初発期

犬の視覚にはほとんど影響がなく、生活にも支障をきたすことはありませんが、動物病院での眼科検査で初期の異常を発見できます。

2.未熟期

水晶体が白く濁り、見えにくくなります。暗い所での動きが鈍くなります。

3.成熟期

飼い主さんにもはっきり分かるくらいに、水晶体の全体が白く濁ります。視覚障害が顕著になり、家具にぶつかったり、動きたがらなくなります。光には反応し、近くで動くものは捉えることができます。

4.過熟期

水晶体が溶け、一時的に目の白濁がとれたように見えることがあります。ここまで進行すると手術の難易度が高くなり、合併症を起こす危険性も高くなります。

犬の白内障は他の犬や人にうつる?

白内障は感染症ではないため、他の犬や人にうつる心配はありません。

犬の白内障の原因は?

白内障の高齢犬

犬の白内障の原因は、大きく遺伝による先天的なものと、後天的なものに分けられます。

先天的なもの

遺伝性の白内障は多くの犬種で認められています。白内障の多くは中高齢で症状が現れますが、遺伝が関与するものでは2才くらいまでに発症することもあります。

後天的なもの

後天的な白内障の原因には、次のようなものが挙げられます。

糖尿病

糖尿病は何らかの理由により糖の代謝が上手くできなくなる病気です。糖尿病にかかると合併症として水晶体が濁り、白内障を続発することがあります。

外傷

他の犬との喧嘩で目に怪我を負ったり、何か散歩中に目に刺さったときに水晶体に傷がつくと、炎症により白内障になることがあります。

紫外線

紫外線の浴びすぎも白内障の原因の一つと言われています。白内障のリスクを考えるのであれば、散歩はなるべく朝や夕方の紫外線の弱い時間帯にさせると良いでしょう。

かかりやすい犬種や年齢

犬の白内障は、プードル、ミニチュアシュナウザー、アメリカンコッカースパニエル、シベリアンハスキーなどの犬種がかかりやすいとされています。
また、加齢性変化の一つとして水晶体が濁ってきて白内障にかかることが分かっていて、7歳以上の雑種犬の15%以上が白内障にかかっているという報告もあります。

犬の白内障の治療法は?

目をチェックされる犬

犬の白内障の治療法は、内科的治療と外科的治療があります。

初期の白内障の場合や、心臓が悪いなどの理由で外科手術ができない場合に点眼投与、内服の治療が行われます。この治療は白内障の進行を遅くすることはできますが、完全に治すことはできません。
根本的な治療には外科治療が選択されます。手術では水晶体を超音波の振動で細かく砕いて吸引し、人工の眼内レンズを入れます。
また、糖尿病によって白内障を発症している場合には、糖尿病の治療も必要です。

治療にかかる費用

白内障を手術する場合、手術前の検査や入院、麻酔などに20~30万円ほどかかります。
手術を受ける病院によって費用は異なるので、獣医師に直接確認しましょう。

犬の白内障は予防できる?

目を開けている犬

白内障は遺伝などが関与しているため、確実に予防することは困難です。

外傷や強い紫外線を浴びることは白内障の原因となり得るので、怪我を誘発するような接触トラブルを避けたり、紫外線が強いときに長時間散歩させないといったことが予防に繋がります。目を保護するための犬用サングラスの着用も一部では推奨されています。

予防が難しい白内障は、早期に発見して進行を遅らせるための対処をとることが大切になります。

白内障が再発する可能性

手術をした後も、数ヶ月~数年で部分的に白内障を再発することがあります。これは変性した水晶体タンパクが完全に取り除けないことがあるためと言われています。

犬の白内障との向き合い方

目をつぶっているコーギー

犬の白内障は、珍しい病気ではありません。加齢に伴い出現する疾患の一つでもあり、若い犬であっても犬種によっては遺伝的にかかりやすいことが分かっています。大切なことは早期発見・早期治療に努めることです。日頃から目の状態を観察し、家具にぶつかるなど異常を感じたら、早めに動物病院に受診して治療を開始しましょう。

  • 公開日:

    2019.10.11

  • 更新日:

    2021.03.15

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。