結論から言えば、犬にレンコンを与えても大丈夫です。食物繊維も豊富ですし、ビタミンをはじめとする栄養素も豊富にあるため、与えすぎに注意さえすれば犬にとってもうれしい食材になりますね。
生でも良し、熱を加えても良しですし、そのシャキシャキとした食感は、愛犬も喜びそうな予感です。
レンコンに含まれている成分の多くはデンプンになります。犬は祖先のオオカミと違って遺伝子的にデンプンを消化できる能力がありますから、レンコンに含まれる食物繊維と相まって、消化には特に問題はありません。
レンコンに含まれるビタミンは主に3種類です。
ビタミンB6:体内のアミノ酸代謝を活発にし、摂取したタンパク質を効率よく吸収することに役立ちます。
ビタミンB12:体内でのタンパク質の合成や赤血球の形成に大きな役割を果たしています。貧血気味の犬にとってはうれしい栄養素です。
ビタミンC:定番のビタミンCです。犬は体内でビタミンCを生成できると言われていますが、シニア犬などの場合には補ってあげると良いでしょう。
レンコンにはぬるぬるした粘膜がありますが、それはムチンという成分になります。
犬の胃の粘膜にもムチンは含まれていて、もし嘔吐の症状がある犬であれば、レンコンを与えることによって症状が改善することがあります。
食べさせすぎてしまうと逆に嘔吐してしまうことがあるので注意が必要ですが、胃酸過多を抑える働きが期待できます。
レンコンには食物繊維が多く含まれていますから、腸内で善玉菌を増やし、腸内環境を改善してくれる働きがあります。 また便秘気味の犬なら、宿便を排出してくれますし、適度な固さのウンチになることも多いです。
では、レンコンの調理法について解説していきましょう。合わせて与える際の注意点もご紹介します。
レンコンのアクとはポリフェノールのこと。人間が本来食べる際にはアクを抜いておくことが必要ですが、ポリフェノールも抗酸化作用がある栄養素なので、アクを抜かなくても特に問題はありません。
ただアクがあると特有のえぐみもあるため、簡単にアクを抜く方法を解説しますね。水で晒すだけなのですが、500mlの水に対して大さじ1杯の酢を混ぜて下さい。10分ほど置けばアクは抜けます。少量の酢であれば犬には害はないので、おすすめします。
レンコンの独特の食感としてシャキシャキした感じがありますが、犬は人間ほど咀嚼が得意ではないため、細かく刻むか、すりおろして与えると良いでしょう。 ただし、すりおろした場合、山芋のようにネバネバになるため、口周りが汚れるかも知れません。
胃腸が弱っている犬の場合、食物繊維を消化するのはちょっと大変かもしれません。ですから与えすぎには注意しましょう。 また含まれているタンパク質には、稀ですがアレルゲンの可能性もあるので、与えた後は愛犬のことを注意深く観察してくださいね。
レンコンは実は傷みやすい食材でもあるのです。そのため冷蔵保存よりも冷凍保存がおすすめです。 繊維質の多い食材は、どちらかといえば冷凍保存のほうが向いているので、スライスし、小分けにした分をフリーザーバッグに入れて保存するようにしてください。
各種ビタミンや食物繊維が豊富なレンコンは、犬にとっても体の中から健康にしてくれる素晴らしい食材です。 与えすぎに注意し、適量を食べさせることが肝心ですが、きっと犬も喜んで食べてくれると思いますよ。