老犬におむつが必要となる状態は、やはり排泄のコントロールがうまくいかなくなったときです。 それまではトイレ以外の場所で粗相などすることがなかった犬が、自分のベッドで排泄をしてしまうようになったり、トイレに行く途中に間に合わずにしてしまったりするなど、これらの様子が見られるようになったら、おむつの着用を考える時期となります。
ただし、粗相をするようになってからいきなりおむつを着用させてしまっては、おむつに慣れていない犬はその感触に戸惑い、着用自体がストレスになってしまうかもしれません。
そのため、老犬と言われる年齢を迎え、足腰が少し弱ってきたと感じた段階でおむつを着用する練習を事前にしておくのがおすすめです。
最初は着用したらすぐに外してあげて次は5分程度にするなど、少しずつ着用する時間を伸ばして慣らしておくことで、本当におむつが必要になった時に受け入れやすくなります。
最近の犬用おむつは吸水性や通気性が良く、排泄をした後でもサラっとしているものが多いのですが、おむつは排泄をするたびに交換をしてあげてください。
1回の排泄でおむつを交換するのはもったいないと感じる方もいるかもしれませんが、たとえ通気性が良くても排泄後は少なからず違和感を感じますし何より不衛生になってしまいます。愛犬に快適に生活してもらうためにも、排泄をしたら交換を癖にしましょう。
犬が快適に過ごせるよう排泄のたびにおむつを交換し、交換する際にはしばらくおむつを外した状態で空気にあててあげるといいでしょう。 また、この時にいつもおむつが当たっている股の付け根がすれて赤くなっていないか等をチェックし、合わせて被毛のお手入れなどをしてあげるのもおすすめです。
老犬用におすすめできるおむつを紹介します。
ユニ・チャームの老犬用おむつは、吸水性に優れており寝たきりの老犬にもおすすめできる紙おむつです。 犬の体に馴染みやすい素材で、動きやすくなっています。サイズは超小型犬でもフィットするSSSサイズから、大型犬でも使えるLLサイズまで揃っていますので、犬の体の大きさに合ったものを選んであげてください。
ネオ・オムツは尻尾穴の付近にまで吸収体があり、軟便でも漏れにくいと評判の高い紙おむつです。 その品質の高さからリピーターも多く、伸縮性ギャザーが愛犬の動きを妨げません。
おむつを着用している状態でも、無理のない範囲でトイレまで連れて行き、できるだけ自然な状態で排泄を促してあげるなどの補助は重要です。 適度な運動は、寝たきりで筋力が低下している老犬にはとても大切ですし、それが愛犬とのスキンシップにもつながります。 おむつの交換や排泄の補助は飼い主さんにとって負担のかかる作業かもしれませんが、穏やかで快適な老犬ライフを送れるように、是非サポートしてあげてください。
阿片 俊介/クロス動物医療センター 主任動物看護師
茨城県出身。日本獣医生命科学大学を卒業し、認定動物看護師の資格を取得。千葉県の動物病院に勤務後、動物用医薬品販売代理店にて動物病院への営業を経験。犬とのより良い暮らしをサポートできるよう、飼い主の方の気持ちに寄り添いながら、安心して正しい情報をお伝えできるよう心がけています。