犬の爪切りをする際には、次の3つの必須アイテムを用意するようにしましょう。
犬の爪切りには、ニッパータイプやギロチンタイプなど種類がいくつかありますので、実際に商品を手にしてみて自分が使いやすく、愛犬に合ったものを選ぶようにしましょう。
爪切り初心者の方には、ニッパータイプが比較的使いやすいので、まずはニッパータイプで爪切りに慣れて、その後に別の爪切りに買い換えるのもおすすめです。
犬の爪用やすりは、爪切りで切った後に爪の角をなめらかにするのに使用します。犬は手や足で自分の顔をこすったり皮膚を掻いたりしますので、その時に爪が尖ったままですと皮膚を傷付けてしまう恐れがあります。そうならないためにも、爪にやすりをかけて滑らかに仕上げておきます。
犬の爪には血管が通っていて、血管を傷付けてしまうと血が出てしまいます。その時に速やかに血を止めるために止血剤を利用します。血が出ないように爪を切ってあげるのが一番なのですが、慣れないうちは、万が一の時のために用意しておくといいでしょう。
犬の爪切りは、大きく分けて3つのステップで進めていきます。 「1.爪切りで爪を切る」「2.切った場所のサイドの角を切る」「3.やすりをかける」の3ステップです。
まずは、犬用の爪切りを使って血管の手前まで爪を切りましょう。
犬は爪に血管が通っているため、血管を切ってしまわないように注意しながら切る必要があります。
血管の位置の確認方法は、爪の色によって異なりますので、愛犬の手足を見て確認しましょう。
白い爪の場合は、爪の根元を見ると薄いピンク色の血管が見えますので、その手前まで切ることができます。
黒い爪の場合には、血管を目で確認することができませんので、少しずつ切りながら爪の断面を確認します。爪の中央部分に白い芯のようなものが見えてきたら、血管が近い証拠ですので、そこで切るのをやめるようにしてください。
続いて、爪を切った部分の両サイドの角を落として、丸みを帯びるような形に整えていきましょう。切りっぱなしで角ばったままでは、愛犬の怪我に繋がってしまいますので、角を落とすようにカットします。
最後に、爪を切った断面にヤスリをかけて丸く滑らかにします。このひと手間をしておくことで、犬が自分の皮膚を爪で傷付けてしまうのを避けることができます。
愛犬の爪切りをする際に最も注意したいポイントは、血管や神経を傷付けないようにすることです。血管のある場所を確認せずに切り進めてしまい、血管を傷付けてしまうと当然のごとく血が出てしまいますし、神経もありますので痛みも伴います。一度「痛い!」という経験をしてしまうと、犬は次回から爪切りを嫌がるようになってしまいますので、慣れるまでは一気に切ろうとはせずに、少しずつ確認をしながら切っていくようにしてましょう。
犬が嫌がっている場合に、無理に抑え付けて切ることも避けるようにしてください。これも愛犬の爪切り嫌いの原因となってしまいます。最初から1回で全ての爪を切ろうとは思わずに、まずは1日1本だけを切り、また翌日に1本だけ切っていくなど、愛犬の様子を見ながらゆっくりと進めていくようにしてください。
犬の爪を切る時は、犬の手や足だけを持って切るよりも、犬の体になるべく密着するような体勢を飼い主さんが取ってあげると犬も安心してくれます。
簡単な手順にも思えて、愛犬によっては爪切りが苦手なコがいるのも事実です。もし全く手足を触らせてくれない等の行動が続くようであれば、プロの力を借りるのも手ですので、相談してみてください。そして爪切りのやり方や犬を落ち着かせる方法などを教えてもらうようにしましょう。
犬の爪切りは、自分の爪を切るのとはかなり違いますので、やはり慣れが必要です。最初は切る時の力加減や、犬の体勢をどのように取ればいいのかなど戸惑うこともあるかと思います。無理強いをして犬が爪切り嫌いにならないように、焦らずに1本ずつ確実に、犬が嫌がらないような体勢・方法を考えながら取り組んでみてくださいね。
阿片 俊介/クロス動物医療センター 主任動物看護師
茨城県出身。日本獣医生命科学大学を卒業し、認定動物看護師の資格を取得。
千葉県の動物病院に勤務後、動物用医薬品販売代理店にて動物病院への営業を経験。
犬とのより良い暮らしをサポートできるよう、飼い主の方の気持ちに寄り添いながら、安心して正しい情報をお伝えできるよう心がけています。
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