柴犬の子犬が散歩を始める時期は、一般的にはワクチンプログラムが終了してからが好ましいとされています。免疫力が備わっていない状態で散歩を始めると、感染症のリスクがあるからです。
ワクチン接種は生後42~60日ぐらいのときに1回目、その約1ヶ月後に2回目、さらに1ヶ月後に3回目をし、生後4ヶ月頃に終了します。
しかし多くの獣医師は、2回目のワクチン接種から2~3週間したら、キャリーバックに入れた状態であれば、外に連れ出してもOKとしています。これは、子犬の「社会化期」を考慮しているためですね。
社会化期とは、いろいろなことに順応しやすい生後3週齢~12週齢までの期間を示し、この時期に外界の刺激に触れることで、子犬は適応力や社会性を身につけていく、と言われています。
ワクチンプログラムが終了してから散歩を始めると、社会化期を逃してしまうため、外界の刺激への耐性が不十分で、不安や恐怖を感じやすい性格になる傾向があります。具体的な散歩の開始時期は、かかりつけの獣医師に相談し、許可が出たら始めるようにしましょう。
まだ体力が備わっていない生後3~5ヶ月までは、1日20分ぐらいの散歩にとどめましょう。それ以降は30分程度の散歩を1日2回行うのが望ましいとされています。「小型犬」に分類される柴犬ですが、中型犬と同じぐらいの運動量を必要とする犬種なため、毎日の散歩は欠かせません。
柴犬は運動不足になるとストレスが溜まり、特に無駄吠えや噛む行為をするようになってしまう傾向があるため、散歩をして運動欲求を満たしてあげましょう。また、散歩には単に運動不足の解消だけでなく「飼い主とのコミュニケーション」という側面もあります。毎日、愛犬との散歩時間を必ず確保するようにしましょう。
運動量が必要な柴犬ですが、豪雨のときには無理して散歩に行く必要はありません。その代わり退屈しないよう、おもちゃでいつもより長く遊んであげましょう。もし小雨で散歩に行けそうであれば是非行ってあげてください。そのときには犬用のレインコートを着せるとよいでしょう。体から四肢まで覆えるフルカバータイプのレインコートであれば、濡れや泥はねを防いで散歩することができます。
毎日当たり前のように散歩をしていると、単にもくもくと歩くだけの作業的な散歩になってしまいがちです。
散歩は犬にとって大きな楽しみの1つなので、変化をつけて楽しくなる工夫をしてあげることが大切です。
マンネリを防ぐためには複数の散歩コースを作り、毎日違うコースを歩くとよいでしょう。景色やにおいに変化があるだけでも、犬にとってはよい刺激になります。
また、広い公園が近くにある場合は、リードをつけながら並走するのもよいでしょう。飼い主の歩行に合わせて歩くだけでも運動量は満たせますが、歩いたり走ったりなどの変化を持たせるとより楽しめます。
愛犬にとっても飼い主さんにとっても散歩がリフレッシュの時間となるよう、上手に工夫して楽しみましょう。
柴犬の子犬を自宅に迎えたら、すぐに散歩できるわけではありません。基本的にはワクチンプログラムが終了したら本格的に散歩デビューとなりますが、社会化期に外界に慣らすことも大切なので、かかりつけの獣医師に相談してからタイミングを決めるようにしましょう。
日課である散歩は、いつしかマンネリ化していることも珍しくありません。散歩は愛犬との絆を深める貴重な時間です。いろいろな散歩コースを作り、大切なパートナーである柴犬が楽しめるよう工夫してあげましょう。
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