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犬種図鑑

2019.11.26

介助犬ってどんな犬?介助犬の活動から歴史までを解説

盲導犬、聴導犬と並んで人間社会を支える働く犬、介助犬。名前は聞いたことがあるけれど、何をしているのかはよく知らない方も多いのではないでしょうか。法律は制定されたものの、日本ではまだまだ認知度が低く、介助犬が活躍できる場面が少ないのが現状です。今回は、そんな介助犬の活躍している場所から、仕事内容、歴史について詳しくご紹介します。

Author :docdog編集部

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介助犬の役割を知ってほしい

介助犬

手や足に障がいのある方の身体の一部となって働く、特別に訓練された補助犬が介助犬です。補助犬には、目の不自由な方のために働く盲導犬、聴覚の不自由な方のために働く聴導犬がいます。盲導犬や聴導犬はかなり認知度が上がってきましたが、肢体の不自由な方の手足となって働く介助犬の認知度は日本ではまだまだ低く、働く介助犬も少ないのが現状です。

介助犬が活躍する場とは

介助犬は、肢体の不自由な人の手足となって働く補助犬です。そのため、24時間その人のそばにいて介助することが基本です。公共交通機関やスーパー、レストランやショッピングモールなどあらゆる場所に同行できるよう、厳しい訓練を受けて介助犬として認定されています。最近では、ハーネスをつけた犬のイラストや、ほじょ犬と描かれたマークのステッカーを貼っている店舗が増えてきましたが、まだまだ公共の場での活躍の場が少ないのが現実です。

24時間活躍する介助犬

介助犬

介助犬が同伴できる場所は、身体障害者補助犬法で受け入れを義務づけられています。法的に同伴可能とされている施設は、国や地方公共団体が管理する公共施設、公共交通機関、不特定多数かつ多数の人が利用する民間施設、国や地方公共団体などの事務所、従業員50人以上の民間企業です。しかし、公共の場をはじめ特に飲食を扱う場では、同伴を断られてしまうケースが後を絶ちません。

介助犬として活躍するためには2年以上の月日がかかる

介助犬は、セラピー犬とは違いどんな犬でもなれるわけではありません。介助犬に向いた性格の犬種が選定され、生後2ヶ月までは母犬や兄弟と暮らします。生後3ヶ月からは、ボランティアファミリーの元で約10ヶ月間生活し、人間との信頼関係や社会生活におけるマナーを身につけます。1歳になると訓練センターに入所、約3週間の適正評価が行われ、合格すると訓練が開始されます。パートナーが決まるとその人に合わせた作業内容が訓練に組み込まれます。2歳前後からは、パートナーとの合同訓練に移ります。合同訓練が終了すると、厚生労働大臣指定の法人で認定試験と審査を受け、これに合格すると、晴れて介助犬としてパートナーと一緒に生活できるのです。

介助犬はどんな仕事ができるの?

介助犬は特別な訓練を受けています。介助犬が手伝うのは、ドアの開閉、携帯電話やリモコンなど指定のものを手元に持ってくる、車椅子の牽引、落ちたものを拾い上げる、車椅子やベッドへの移動を介助する、衣服や靴を脱がせる介助や荷物の運搬など多岐にわたります。このほかに、パートナーの障がいの程度によって補助する内容が変わるため、パートナーが決まった時からその人に合わせた訓練が開始されます。

介助犬の歴史

介助犬先進国であるアメリカでは、1975年に介助犬の育成団体が設立されていますが、日本国内での歴史は浅く1990年にパートナードッグを育てる会が設立されています。アメリカから日本に介助犬がやったきたのは1992年。アメリカのノウハウを参考にして育成が開始され、1995年に国内で第一号となる介助犬が誕生しました。

介助犬シンシアの活躍

介助犬

介助犬を語る上で欠かせない存在が、ラブラドールレトリバーのシンシアです。毎日新聞で連載されたことから、一躍有名となった介助犬シンシアは、小説やドラマをはじめ教科書の題材として広く取り上げられ、介助犬の認知度向上に貢献した犬として知られています。介助犬普及活動の中心的存在となったシンシアは、その活動は多くの人に介助犬の存在を認知させることとなった上、介助犬の必要性を訴えることとなり「身体障害者補助犬法」成立に大きく貢献したのです。

日本ではまだまだ頭数が少ない介助犬

介助犬の認知度が高く、歴史が古いアメリカでは約2000頭以上、イギリスでは1000頭以上の介助犬が活躍しています。それに比べ、歴史の浅い日本では2019年現在で、活躍している介助犬はわずかに65頭しかいません。また、欧米の介助犬は、公共の場や民間施設へ当たり前のように立入れますが、日本では残念ながら入店拒否といったトラブルも多く、どこへでも同伴できるというレベルにはほど遠い現実があります。

目指すは介助犬に優しい社会づくり

介助犬

欧米に比べ、日本ではまだまだ介助犬の普及が十分とは言えません。訓練を受けた介助犬をはじめとする補助犬たちが、公共施設などで入店拒否、乗車拒否をされることは悲しい現実です。しかし、介助犬は人間社会に溶け込み、人の豊かな生活を支える特別な才能を持った素晴らしい存在です。より多くの人の間で介助犬の存在や仕事内容が認知され、人間にも犬にも優しい街づくりを目指したいものです。

  • 公開日:

    2019.09.08

  • 更新日:

    2019.11.26

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