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健康管理 / 病気

2019.12.27

【獣医師監修】犬が鼻血を出した!?原因を知って正しく対策しよう!

私たちの間では、体質によっては鼻血はそこまで珍しい症状ではなく、のぼせたのかもと軽く考えてしまいがちですが、愛犬が鼻血を出した場合はもしかしたら何かの病気のサインかもしれません。本記事ではそんな犬の鼻血の原因と、その対策についてご紹介します。

#Healthcare

Author :docdog編集部(監修:相澤 啓介/あさか台動物病院 獣医師)

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犬が鼻血を出した!疑われる病気は何?

犬が鼻血を出す場合には様々な病気の可能性が考えられます。以下に原因となり得る病気をご紹介します。

鼻や口の中のがん

犬では鼻血の症状が「がん」から来ていることが、よくあります。鼻の中の「がん」である鼻腔内腫瘍や、口の中の「がん」である口腔内腫瘍が広がって鼻に到達すると、出血して鼻血が出てくることがあります。鼻腔内腫瘍も口腔内腫瘍も悪性腫瘍が多く、比較的予後の悪い「がん」と言えます。

歯周病

犬の口や鼻周りの構造は、鼻腔と歯根が薄い骨の壁で仕切られている状態です。歯周病は歯自体には問題がないものの、歯の周りに細菌感染を起こす病気です。

歯の周りに細菌感染を起こすと歯の周りの骨(歯槽骨)が溶けてしまい、骨が弱くなってしまいます。悪化すると下あごの骨が折れてしまうこともあります。上あごの場合は鼻腔との間の骨が溶けることで歯根部と鼻腔が繋がり、炎症が広がることで鼻炎の症状からくしゃみや鼻血、膿の混じった膿性鼻汁が出ることがあります。

鼻炎

鼻腔内に炎症が生じる状態を総称して鼻炎と言います。鼻炎の原因にはウイルス性、細菌性、寄生虫性など様々な原因があります。また人間と同様に、特定の季節の花粉、カビ、動物のフケ、ハウスダスト、ハウスダストマイトなど、アレルギーの原因となる物質を吸引することで生じるアレルギー性鼻炎を引き起こすこともあります。また、免疫が自分の体を攻撃してしまう自己免疫疾患の一種である、リンパ球形質細胞性鼻炎の可能性もあります。

鼻腔内異物

鼻腔内の異物によって生じる異物性鼻炎は大きく二つに分類することが出来ます。一つは鼻の孔から異物を後吸引するタイプと、のどから異物が鼻腔に逆流するタイプです。

前者は草むらなどを「くんくん」とにおいをかぎながら散歩しているときに、誤って「のぎ」などの植物が鼻腔内に入ってしまう場合です。後者は嘔吐するときや咳き込んだ際に、食物などが鼻腔内に入ってしまう場合です。これが刺激になり、引き起こされた鼻炎の症状で鼻血が出ます。

真菌感染症

犬ではあまり多くないですが、アスペルギルスというカビが原因で起こる鼻炎もあります。アスペルギルス性鼻炎の特徴は、症状が数週間から数ヶ月、場合によっては数年にわたり、くしゃみや鼻水、鼻血などの症状が続くことがあげられます。

怪我で起こることも

鼻の粘膜は比較的傷つきやすいので、ぶつけたり等の怪我でも起こることはあります。しかしながら動物病院に来院する鼻血の症状ではあまり多くなく、怪我が原因の鼻血についてはあまり来院数は多くありません。

犬の鼻血を見かけたら、自宅での対処法はあるの?

上述した様に犬の鼻血の原因は多岐にわたります。果たして自宅での対処法はあるのでしょうか?

犬の鼻血に伴う症状の代表的はくしゃみ!だけど・・・

鼻血には様々な原因がありますが、どの原因であってもくしゃみや鼻水が同時に出ます。鼻炎が生じると鼻腔内の粘膜が刺激されてくしゃみが誘発されます。また、様々なタイプの鼻水(鼻汁)が出てきます。アレルギー性やウイルス性鼻炎単独だと透明な鼻水であるカタル性鼻汁が、細菌感染を伴うと先にも述べたように膿の混じった膿性鼻汁が出てきます。

しかし原因によっては症状はそれだけにとどまりません。鼻腔に関連した腫瘍や真菌感染症では鼻の変形や、鼻だけでない顔全体の変形が生じることもあります。また歯周病も鼻以外の方向に広がると目の下の腫れや、そこに穴が空くことで出血することもあります。

愛犬が鼻血を出した場合は、自宅で様子を見るのではなく、必ず動物病院を受診しましょう。また、応急処置としては、氷嚢で鼻を冷やすことで血管が収縮して、一時的に鼻血が止まることがあります。

実は怖い病気も含まれる犬の鼻血

今回ご紹介してきたように、犬の鼻血には「がん」などの怖い病気が含まれます。是非早めに獣医師の診察を受け、適切に対応するようにしましょう。

◎監修者プロフィール

相澤 啓介/あさか台動物病院 獣医師

1988年生まれ。日本大学/生物資源科学部獣医学科公衆衛生学研究室を卒業し、その後、あさか台動物病院で勤務。一般外来のほか、循環器の分野に専門的に携わっています。獣医師という立場から、大切なワンちゃんの健康をサポートするために、正しく分かりやすい情報を伝えたいと思っています。

【 主な所属学会・研究会・団体 】
埼玉県獣医師会、日本動物病院協会、日本獣医循環器学会、日本獣医がん学会

  • 公開日:

    2019.09.03

  • 更新日:

    2019.12.27

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