口輪は別名マズルと呼ばれ、犬の口部分に装着することで犬が口を開けられなくし、以下のような目的で使われることが多いアイテムです。
口を開けられないというのは、犬にとってはストレスとなりますが、噛みつきを防止する用途があるので、いざというときのアイテムとして活用される場面も多く見られます。
口輪の主な用途
動物病院やペットサロンなどで口輪を使用する場合の主な用途は、噛みつき防止です。口輪で口を覆うことで、他の犬や人を噛んで怪我をさせる心配が軽減されます。小型犬など小さいコでも噛む力は強く、大型犬になると力が強くて大怪我に至る可能性もあるため、それらを防止するために口輪が活用されることがあります。
集合住宅や静かな場所などでは、吠え声が騒音問題に繋がる場合があります。無駄吠えの根本的な解決にはなりませんが、一時的な興奮状態に陥った際など静かにしてほしい場合に口輪を活用することもあります。
散歩の際に、道端に落ちている食べ物を拾って食べてしまう癖のあるコには、散歩中に口輪をつけることで拾い食いを予防することができます。他の犬の糞を食べてしまったり、カエルなどの小動物を捕まえて食べてしまうなどの癖があれば、寄生虫の危険性もあるので注意する必要があります。しかし、飼い主さんがきちんと見守れる状態であれば、口輪を使うほどの必要はありません。
犬が怪我をして治癒中に、傷口を舐めてしまうことを防ぐ機能が口輪にはあります。傷口を舐めると回復が遅くなるので、エリザベスカラーなどと同じ用途で口輪が使用されることがあります。
上記のような用途を持つ口輪は、他の犬と接触する場所(ドッグランなど)やお散歩中、動物病院での診察中などの場面で一時的に使用されます。
また、特に大型犬が初めての場所や人に触れる場合には「噛まない」というパフォーマンスとして周囲の方を安心させるために、口輪が使われている場面もよく見かけます。
犬の口輪を着用する場合には、サイズと着用方法に注意しましょう。
愛犬のために口輪を選ぶ際には、しっかりとサイズを測って愛犬の口まわりに合うものを着用しましょう。サイズが合わない口輪は犬のストレスが大きくなり、外れてしまったり外れそうになって怪我をしたりするリスクがあります。
口輪のサイズは、マズルの長さ/鼻周りの長さ/耳の後ろまでの長さ/首周りの長さ/鼻の幅などを測定して選びます。市販の口輪を購入する場合には、ぴったりサイズになるものを選ぶようにしてください。
最初は口輪の着用を嫌がるコが多いので、少しずつ慣れさせていくことが大切です。匂いを嗅がせたり、口輪の中におやつを入れたり、口輪は怖くないと認識してもらえるように心がけてください。ほんの数秒から始めて、着用後は頑張った愛犬を褒めてあげることが大切です。少しづつ時間を伸ばして不安なく着用できるようにしましょう。
まずは、口輪とおやつを使って「口輪=いいもの」であるという認識を愛犬に持ってもらうことから始めましょう。
慣れてきたら、少しずつ口輪に口を入れる時間を伸ばします。
更に慣れてきたら、実際に口輪を装着してみましょう。
お散歩やお出かけ時にさっと装着できる、スタンダードなマズルです。噛みつき/無駄吠え/拾い食いの防止にピッタリ。
さまざまな場面で活用される口輪ですが、愛犬に使う際には注意すべき点があります。
口をぴったりと閉じたタイプの口輪の場合、暑いときにうまくパンティングできず、熱を外に逃がすことができなくなり、熱中症になるリスクもあります。口輪の種類・サイズ感がとても重要になりますので、口輪は慎重に選ぶようにしましょう。
普段は口が開く愛犬にとっては、口輪の使用は少なからずストレスに繋がります。利用は必要最低限に留め、最初に違和感を感じにくいように、まずは慣れさせるところから始めてみましょう。
口輪を着用するのは、愛犬にとってのストレスに繋がるため、噛み癖や吠え癖・拾い食いの癖などは、しつけにより予防するのがおすすめです。しかし、しつけが整っていない段階で怪我をさせてしまうのが心配な場合、大型犬で周囲の人を安心させたいという場面では、無理のない範囲で口輪を活用するのも一つの手となります。口輪を着用する際には、できるだけ愛犬のストレスが少なくて済むことを心掛けて活用するようにしましょう。